サブノートと競合するのはiPod touch

MacBook Airについて「もっとコンパクトになれば」という意見も「もっと機能があれば」という意見も多いが、後者はあまり重視されない:何故なら、その路線は既存のMacBook/MacBook Proが押さえるエリアだからだろう。
従ってAirには「今まで欠けていた」路線としてのモバイル用サブノートを期待する向きが多く、ために「もっと小型化して」「もっと軽量化すれば」ということになる。
でも、多分Appleにはそうすべき積極的動機がない……いや違うな、むしろ「積極的にそうしない動機がある」のだ。何故なら、実は既にそのラインを持っているから。そう、iPod touchだ。
あれって実は非常にサブノート/ミニノートに近い存在なんじゃないか。機能を切り詰めて軽量小型化。重量は超軽量ミニノートのたった1/8、サイズだって1/10以下だ。そのくせバッテリ駆動時間は比較にならぬほど長い(まあ音楽再生以外の用途ではちょっと判らないけど)。Eee PCは記憶容量4GB(SDカードスロットで拡張は可能だけど)に対してiPod touchは16GB。でも値段はこちらの方が安い。
Wi-FiでWebブラウジングもできる。アプリケーションも(Webを介してなら)結構充実している。
小さ過ぎて両手入力は無理だけどちゃんとQWERTYキーボード装備。画面は狭いけど自在に拡大縮小できるから、さほど不便でもない。
そう見れば、iPod touchがミニノートよりも割り切った新世代ミニノートに見えて来ないだろうか。


実際のところiPodは用途が少々異なってきて、サブノート/ミニノート層と直接競合するわけではないのだろうと思う。対してAirは競合製品に見えてしまうからこそ、不足部分が目立つのだ。
でもiPodまで視野に含めてしまえば、Appleが「サブノートを作らなかった」理由にも得心が行くというもの。単にコンパクトなガジェットを求める層にはiPod。「日常的に携帯するPC」が必要ならAir。「時々持ち出すPC」はMacBook/MacBook Pro