某所でのDNAについての議論から思い付いた戯言である。
DNAの情報量というのは意外に少ない。塩基数にして30億程度、塩基が4種だから30億^4程度。大まかに言って5GB弱-----DVD1枚分程度である。
細胞の一つ一つにDVD1枚分の情報が入っていると考えれば物凄い密度だが、別に各細胞内のDNAが別個の情報を持つわけではないから、人体一つの大きさでDVD1枚しか入っていないとも言える。
しかも(現在主流の説では)95%がジャンクで実際に有効なのは5%しかないとすら言われる。
本当にたったこれだけの情報で、完全な人体を構築できるんだろうか?
そこでふと考え付いた仮説、というか妄言が「DNAは圧縮されたデータに過ぎないのではないか」というもの。
DNA情報を基にした人体の生成過程は、概ね化学反応によって自動化されている。この化学反応をどのように組み合わせるかという、ある種のアルゴリズムがDNAに含まれた情報なのではないか。
ドルアーガの60面に及ぶマップが1バイトの種とアルゴリズムだけで生成されるように、謂わば自己解凍式のアルゴリズム集であればデータを持たずに設計が可能なのではないかと。あるいはもう一歩進めてアルゴリズムを生成するアルゴリズムを……
いや、アルゴリズム生成アルゴリズムと考えると効率悪いな。そうではなく、例えて言えばプログラムを内包したCPUの設計図みたいなものか。CPUの生成そのものにアルゴリズムの処理手順が折り込み済みであるわけで、その上で更にアルゴリズムが走って実際の生成物が生じるという。