マジックミラーに対するよくある誤解

マジックミラーは一般に「片側からの光は反射するがもう片側からの光は透過する」と思われている。誤解である。
もう少し理解のある向きからは「明るい方から見ると反射するが暗い方から見ると透過する」と思われている。より事実に近いが、まだ誤解がある。


マジックミラーの正体はハーフミラー、光を半分透過し半分反射する鏡である。
明るい方から見ると、周囲の光の反射に混じって暗い方からの透過光が見えるのだが、(透過光は暗いので)反射光にかき消されて認識できない。
暗い方から見ると、明るい側からの透過光に混じって周囲の光の反射が見えるのだが、(反射光が暗いので)透過光にかき消されて認識できない。


一方向にだけ光を通す物質が発見されたら大変だ。永久機関が実現できてしまう。


余談ながら、放熱性を高めようと思ったら吸熱性の高い漆黒が、逆に熱を逃がさぬためには外熱を反射する鏡面が最も効率が良いのだそうだ。放熱性は高いが吸熱性は低い、なんていう都合の良い物質は存在しない。