カタンの開拓者たち カードゲームのデッキ構築を見ていてふと思い付いたこと。
各プレイヤーがそれぞれ構築したデッキを持ち寄ってプレイするというスタイルは、トレーディング・カードゲームの始祖マジック:ザ・ギャザリングによって完成したと言える*1。この種のゲームの利点は、
- 予め戦術を熟考し構成しておくことで、運の要素にほとんど振り回されない
- 追加セットの投入により戦術バランスが一変するためパターンの定着による頭打ちがない
- (販売側の利点として)ひとつのゲームシステムで長期的な利益が見込める
といった辺りだが、その副作用として
- 資金力と強さが直結する
- 資金を注ぎ込み続けなければ、あっという間に(相対的に)弱体化する
- ゲームバランス改変のために性能がインフレ化し易い
- 新しいカードに乗り替えて貰うためには以前のものより強くなければならない
- 利益追求のため新セット投入までの期間が短かい
- 旧セットに慣れ切らないうちに新セットが投入されてしまう
- デバッグ期間が短かいため破綻し易い
3は単純に運営会社の姿勢に起因する問題だが、1-2自体も悩ましい部分ではある。
以前、これを打破するための方針として考えたのは、カード単体でなくボードと組み合わせ、盤面が毎回変化することで定番戦術を崩す試みであったが、そうすると盤面が決まってから手を考える必要があるため、プレイ前に長時間のデッキ構築時間を取る(プレイ時間が長期化し手軽さが失われる)か、プレイしながら手を固めてゆく(従来のボードゲームと何ら変化ない)ような構成になってしまう。
どうにかして「予めデッキを用意しておく」という特徴を失うことなく、手軽にプレイでき、しかしカードの追加が不要で、かつ戦術の固定化が発生しないような方法はないものか。
そこで考えたのが、「単独でのみ効果のある戦術性」である。具体的なメカニズムは考えていないが、何らかのルーリングにより「自分だけが採用している時は強力だがバッティングすると弱体化する」ようなシステムが構築できれば、強い戦術の発見→皆が集中すると弱体化→むしろ他人の戦術と被らない戦術の採用というメタゲーム展開が期待できる……のではないかと。