予防接種を忌避する親の言動から強く感じたことだが、彼らは確かに子供が「万が一」の目に遭うことを恐れているけれども、それと同時にその責任を自分が持たねばならないことをも恐れているようだ。「いっそ義務化されて、事故の責任を国が保障してくれれば」といった発言を随分目にした。
国が保障しようとしなかろうと、事故が発生してしまった場合は子供が辛い目に遭うことに変わりはない。明確に意識してのことではないのだろうが、結局彼らが本当に望んでいるのは「事故率0を保証すること」というよりも「何かあった場合にその責任を誰かに負わせること」なのだろう。危険性の高い自然罹患を予防接種よりも好むのは、「自然にそうなってしまったのは誰のせいでもないが、予防接種を受けさせて重篤化したら自分のせい」という思いが無意識下にあるのだと思われる。
結局は欺瞞であり、本人がそれに気付かない限りは状態が改善することはないだろう-----そのとばっちりを受けるのは子供なのだが。