au W44S

たった半年前のモデルなのに、もう新規1円、機種変更でも25ヶ月以上1万円程度にまで下がっていた。それどころかほとんどの店では店頭から姿を消している。ちょっと商品寿命が短か過ぎやしないか。


デュアルヒンジである。
縦向きで携帯モード、横向きでメディアスクリーンモード。別に移動中に動画を見る気もなければワンセグ視聴の意向もないので全く不要なのだが、どうにもメディアスクリーンのアナログ時計表示に惹かれてしまったのだ。
外側はダークグリーン、中はカッパーゴールド。時計と合わせ、いかにもスティームパンク風。無意味にゴツくて重い。


携帯モードとメディアスクリーンモードは機能上排他である。面白いのは、携帯モードで何か操作中に一旦閉じて横向きに開き治すことができること。この状態でも操作は維持されるので、左にキーボード、右にスクリーン(開き方が上下逆転するので、ちゃんと表示も上下逆転する)が来た状態で操作継続できる。ユーザはこれを「ブックスタイル」と名付けたのだとか。


そう言えば、最初にauに加入した時に選んだ携帯はソニー製だった。当時エリクソンと合弁するかしないかの頃ではなかったか。最初の着せ替えパネルモデルであり、ジョグダイアル装備だったのだ。カメラなんぞ付いてない。
それを選んでみたのは、id:fumineが(当時は充電器が機種毎に異なっていたので、利便性のため共通の機種を使う習わしがあった)着せ替えパネル用のシートを自作したいと言ったからだった。
まだ変換動作は機敏とは言えなかったが、POBoxによる推測変換(当時としては先進の機能だった)とジョグダイアルによる素早い候補選択はなかなか使い易かったのを記憶している。
今後も使うならジョグダイアル、と思ったのに何故かその後ソニーは携帯からジョグダイアルを無くしてしまう。
ところでこの1〜2年ばかりの間、auは「デザインセンスに優れる」という評判とは裏腹に突出したところのない機種ばかり出してきた印象がある。逆に追うものとしての自覚を持ったDoCoMoSoftbankは、急激にデザイン重視路線へ舵を切ってきた。Pantoneなんてその好例だ(形状としては大したものでもないが、20色展開という発想は素晴らしい)。就中ソニエリの機種は往時の鋭さを失った印象があったわけだが、そこへ突然打ち込まれたW44Sは久し振りにauらしい、ソニーらしい挑戦的なデザインではあった。不要な機能を無視してまでこれを手に取ったのは半ば必然と言える。