Macはマウスという入力インターフェイスを普及させたプラットフォームだが、意外にもキーボードを中心とした操作の多い環境でもある。たしかにほとんどの操作はマウスのみで扱える設計ではあるのだが、マウスはあくまで視覚的直感的操作を補佐するためのデヴァイスであって、決して効率の良い装置というわけではないから、頻繁に使う動作はキーボードからワンタッチで行なえるようにした方が効率が良いのだ。
今回は、多数の画像を加工し最終的にWeb掲載用に同一サイズのJPGに落とし込む作業が発生した。これを、可能な限りキーボードのみで操作できるようにしてみる。
今回扱う元画像は印刷物に掲載するためのものだ。これをWeb用にリサイズするにあたり、いくつかのパターン化された動作が要求される。例えば、商品の周囲を削除しトリミングする作業とか、それを同一のサイズに変更してWeb用の画像形式で書き出す作業とか。
ひとつひとつ開いては加工して閉じるというのもあまり効率の良い方法ではないので、ある程度纏まった数を一度に開き、逐次加工しては脇に避けておいて、加工終了とともに一気にバッチ処理するようにした。
よく使う一連の操作をアクション化
印刷の都合で予めクリッピングパスを切ってあるものが多いので、これを利用して選択範囲を作成、反転して周囲を削除の上再度反転して切り抜く。このアクションを「アクションオプション」でファンクションキーに割り当て、キー入力1発で処理可能なようにする。
他にも、画像を「ファイル>自動処理>画像のフィット」で決められた縦横比になるよう余白を調整、コントラスト調整、解像度変更の上で指定されたフォルダに保存して閉じるアクションを作成しておく。
F10で未加工の画像を一覧し加工対象を発見
F10は、アクティヴなアプリケーションのウィンドウを一覧するExpose。つまり今Photoshopで開いている全ファイルが縮小画像としてずらり並ぶモードである。
ここから1枚を選ぶにはマウスでクリックした方が何かと早いのだが、一応キーボードでも選べる。ただし少々動作にクセがあるので注意。
- 矢印キー入力により選択ファイルを移動できる。
- 入力方向の辺と接するファイルへ移動。
- 対象が複数あるなら接辺の長い方優先。
- 接していないなら次に出現する辺まで移動。
- 入力方向の辺と接するファイルへ移動。
- リターンで確定。
Command+Control+Mで加工済みファイルをDockに収納
前加工の終了したファイルはどんどんDockに収納する。こうすることでF10でのファイル一覧に出てこないようになり、加工済みと未加工を明確に見分けることができる。
最後にバッチ処理で「開いたファイル」を一斉処理
すべてのファイルをDockに収納し終えたら、それらを自動処理で一気に加工し保存してゆく。元ファイルを消さないよう、私はデスクトップに作った名称未設定フォルダに保存するよう設定した。
自動処理は本当に自動でアクションを繰り返し実行してくれるので非常に有り難いが、処理中非常に重いという欠点がある。特に今回のように、数十の印刷用高精細ファイルを一度に開き保存する場合は。
Winでは
Macと違ってOSレヴェルで開いたウィンドウの一覧機能を持ってはいない*1ものの、PhotoshopやIllustratorにはこれに近い機能が備わっているので、それを利用することができる。Alt+Wの後Tで開いているドキュメントが小さなウィンドウになって重ならずに並ぶ。加工を終えたファイルはAlt+スペースの後Nで最小化、こうするとウィンドウ整列の対象にもならない。