リソース管理ゲームとしてのエヴァンゲリオン2

新世紀エヴァンゲリオン2

新世紀エヴァンゲリオン2

高機動幻想ガンパレード・マーチで一躍有名になったアルファシステムが、持ち前のAIシミュレーションを活かして制作した、エヴァンゲリオン世界のシミュレーションである。プレイヤーははじめシンジ(条件を満たすことで他のキャラクタも選択可能)として第三新東京市で生活、他キャラと会話して親密度を上げたりちょいとコンピュータをハックして世界の謎を掘り下げたりしつつ使徒を斃してゆく。
シンジの場合は主戦力のパイロットであるから戦闘技能に重きが置かれ、これは主としてプレイヤーの操作に拠るところが大きいのでリソース管理の印象は薄いが、ひとたびPCを葛城ミサトに移すや様相は一変する。


ミサトの主な仕事は用兵であるが、これは実際のところ指揮よりも周囲との人間関係を深めることの方が重要である。キャラ毎に士気の高まりに応じた特殊能力が設定されており、これらが戦闘結果に大きくってくるため、どれを重点的に用いるかの判断が重視される。パイロットとのA.T.は指示を受け入れてくれるかどうかに関ってくるし、オペレータは戦闘データの精度-----使徒の出現予想地点絞り込みやマップへの敵位置表示時間など-----を左右する。赤城博士はエヴァの性能や武器の開発に力を発揮する。
無論、全員のA.T.を満遍なく上げることはできないから、焦点を絞って効率良くプレイせねばならない。
一方で閑な時間にはマギをハックしたりセントラル・ドグマに降りたりして、世界の謎を探りたくなる。これらはゲーム進行上の目的とは無関係だが、プレイヤーの目的とは合致するからだ。一部は新シナリオ出現条件などにも関っているので、これはこれで重要なポイントとは言える。


つまるところこのゲームの肝は、時間というリソースをA.T.に変換して配分するというリソースマネジメントにある。ソロゲームなので他者からの妨害はないが、他キャラクタの都合により面会できない、眠気や空腹、排泄などの都合で作業中断を余儀なくされるなどシステム側での妨害要素があるので中々思うようには行かない。そのディレンマは絶妙と言えよう。