赤貝の血液型 - ゴリラの血液型は全員B型とゆうのは有名ですが、たし... - Yahoo!知恵袋からちょっと興味を持って動物の血液型分類について調べてみた。
そもそもABO式血液型はすべての動物に通用する方式ではないので、ABO式判定で1種類だからといって(抗体反応の生じる)血液型として1種とは限らないのではないか、とか色々思うところはあったものの、そこはこの際軽くスルーして、気になった点を少々。
なぜか動物のABO分類傾向と比較して人間の血液型別性格傾向に言及するサイトが矢鱈多い。例えば
ここでは明確に性格とは表現していないが、「○○タイプ」と動物になぞらえて分類する理由を他に思い付かない(ところでO型の「植物タイプ」というのはどこから?)。
猫の血液型はA型が80%でAB型が15%、B型は5%。O型がない。
犬は、ABO式ではなく、 ●1(-)D1 ●1・1D1 ●1・2D1 ●1(-)D2 ●1・1D2 ●1・2D2 ●1(-)D1D2 ●1・1D1D2 ●1・2D1D2の9種。
豚は9割がA型で、残りはO型。
鯨はB型が多い。
ゴリラとニホンザルはO型とB型のみ。
カエルはAB型
ヘビはA型とB型
トノサマガエルはB型とAB型
魚類はA型
鳥類はABO式の血液を持たない。
以上の情報より下記の結果が出る。
★A型人間=ネコ・ブタタイプ
★B型人間=カメタイプ
★O型=植物タイプ
★AB型=カエルタイプ
血液型「占い」に興じる向きには何を根拠にどう分類しようと勝手だが、曲がりなりにも科学的事実を踏み台とする場合、導かれる結論が非科学的であるのはまことに具合が悪い。
例として、http://www5d.biglobe.ne.jp/~DD2/Rumor/blood_type.htmから科学的な調査に基づくとんでもない仮説を紹介する。
ほとんどの脊髄動物の血液型はB型であり、チンパンジーだけがA型だったのです。この発見が今でも通用するものなのかどうかまではわかりませんが、それはさておき、当時はヨーロッパ列強がアジアへと進出し、その植民地支配を押し進めている時期でした。そのためデュンゲルンの発見は、現代の常識で考えれば噴飯物と断じるより他に無い荒唐無稽な推測に結びついていきます。すなわち、「アジア人にはB型が多いのではないか」というものです。
1920年代にはO→A→Bという順番が想定されてもいました。これだとA型はB型に比べると進化の前段階にあることになり、ヨーロッパ人にとっては都合が悪い事になるため、「アジア人のB型は類人猿に由来するもの、ヨーロッパ人のB型はA型人類からの進化によって発生したもの」というトンデモなダブルスタンダードまで設定される始末だったようです。かなり胡乱な学説がヨーロッパで数多く提唱された時期でした。
動物の血液型を調べるのも人種/地域ごとの血液型統計を取るのも、それ自体は(意義はともかくとして)科学である。けれそそこから恣意的に導き出された結論は科学ではない。それは単なる科学の悪用であり質の悪い偽科学である。
「無邪気に愉しんでいるだけだから良い」とか「人種差別だから悪い」という話ではないことに注意。
悪用された結果が悪いかどうかとは別の次元で、「これは科学なんだ」と言いながら科学的でないものを出す、そのこと自体が科学にとっては悪である。