インターフェイス設計の善し悪しとは、大半が「如何に慣れ易いか」で評価される。
GUIが推奨されるのも、メタファが多用されるのも、つまりは慣れ易く違和感のない操作性を実現するためのものだ。
iPodのインターフェイスが秀逸とされる要因は、階層的表示でもタッチパネルでもなく、本質的には「ボリュームつまみを回すのに似た操作方法」によるものだ。音楽機器のインターフェイスなのだから旧来の音楽機器に倣うのが望ましい。
タッチパネルの利点は「見ているものに直接触れて操作できる」ことだ。この点で、手元の動きと画面を連動させるマウスより直感的で扱い易い。
最近のソフトウェアに多い対話式インターフェイスは判り易く間違いのない操作を目指したものだ。
逆の例もある。キーボードは慣れを必要とするインターフェイスなので、不慣れな状態での入力速度は50音表に劣るが慣れてしまえば却って速い。
自然言語検索は慣れ易いインターフェイスとして研究されているものだが、文章解析の精度が低く望む結果を得るのが難しい。慣れてしまえば、キーワード列記によるand検索の方が遥かに使い易い。
最適な操作方法は目的によって異なるから、一概にGUIが優れているといったような判断はできないが、いくつかのことは言える。
- ひとつの操作に複数の異なる意味を割り当てるべきではない。操作に混乱を来す。
- 既に浸透している操作方法/表示形式があるならば、特に理由がない限りそれに倣うべき。
- 取り返しの付かない結果になりかねない機能に対しては、ワンボタンで動作するようなショートカットを割り当ててはならない。