「権利侵害」と「損害」の違い

著作権問題を中心として、権利関係の訴訟や取り締まりのニュースを聞くことの多い昨今。他の様々な犯罪と違ってどうも気持ち悪い(=原告側が不当な主張をしているように見える)のは何故かと考えていたのだが、どうも権利侵害という「獲らぬ狸の皮算用」ベースとした被害届けが問題らしいと思い至った。


器物損壊でも窃盗でも、損害を与える犯罪というのはある意味で判り易い。受けた被害が(金額はともかくとしても)明白に示せるからだ。
しかし権利侵害の場合、そこが曖昧としていて騙されたような感覚を受けてしまう。
これはひとつに、権利の侵害による被害というものが、「起こり得たはずの平行過去」または「これから起こるであろう未来」を基準としているからなのではないか。
例えば、私が年末ジャンボ宝くじを10枚盗まれたとする。購入金額から考えれば、被害額は3000円だ。けれどもそのくじは、12/31の発表の結果次第では3億円以上の価値を生むかも知れない。それを根拠に3億円の損害賠償請求をしているような、そんな気分だ。
あるいは、本来なら就職して毎月貰っていたであろう給料額の累計を(実際にはどんな職に就けたか、あるいはそもそも就職できたかも定かではないのに)要求するような。
あまり良い喩えではないが、「権利が生む金」の賠償請求というのはそのようなものだ。