空気なんか読むから騙される

ニセ科学にせよ詐欺にせよ、一度騙された人が再び引っ掛かるパターンが多いような気がする。詐欺被害者は(カモとして)裏でリストが出回っていると聞くし、詐欺被害者を救済する弁護士を裝って手数料を騙し取る手口も存在する:それだけ連続して騙される例が多いということ。
ニセ科学に限って言えば確実に、引っ掛かる人は何度も引っ掛かる。これは、一つに「騙された」という意識がないのが原因かも知れない。過去のブームは全て忘却され「無かったこと」になっているのだ。反省がなければそりゃ再発もしよう。
とは言え、なぜそう何度も無意味なものに取り憑かれるのだろうか。騙されるに至る道筋に何か共通の要素があるように思われる。


思うに、騙される人達は空気を読み過ぎるのではないか。
詐欺にせよニセ科学にせよ、或いは宗教まで含め、構造はかなり似通っている。肩書で権威付けすることで懐疑的思考を放棄させ、またサクラなどの活用で実例を見せて「素晴らしいものだ」という空気を醸成するのが基本だ。それを読み過ぎるから思考停止に陥ってしまう。空気だけで判断を下してしまうことに馴れすぎているから、正しく物事の本質を理解し判断することができなくなっているのだろう。
「空気を読まないのが正しい」とは思わないが、「空気を読み過ぎると却って悪影響がある」とは言えるような気がする。