恩田陸『ネクロポリス』

ネクロポリス 上

ネクロポリス 上

ネクロポリス 下

ネクロポリス 下

ヤバい。これは徹夜小説だ。ほんの数十ページで引き込まれる。
徹夜するわけにもいかないので触りだけで止めておく。


ヴィクトリアン・ファーイーストと呼ばれる地。ヴィクトリア期英国と日本を混在させた奇妙な文化をもつ地には、「アナザー・ヒル」と呼ばれる特殊地域が存在する。即ち、彼岸。
ここには年に一度、ヒガンの時期しか滞在できない。滞在を許されるのは、今年親族を亡くした者のみ。何故なら、ここには死者の霊が訪れるからだ。
特に今年は、切り裂きジャックを彷彿とさせる連続殺人事件、通称「血塗れジャック」により5人が殺害されているので、みな非常に注目している-----死者は嘘を吐かないので、その証言は法定で証拠として取り上げられるからだ。
そして彼岸入りの日、入口に聳える大鳥居に、血塗れの死体がぶら下がる。この巨大で緩やかな密室で繰り拡げられる殺人の犯人は?


なんと異様なミステリ(多分)だろうか。少しづつしか読めないのがもどかしいような、一気に読むのが勿体ないような。