Amazonに足りないもの

久々にAmazonを覗いたらおすすめのシステムが様変りしていた。以前は「おすすめの理由」をクリックしないと判らなかった基準が、各商品の下に出るのは良い工夫だ。
また、おすすめがカテゴリを越えて行なわれるのも良い。エレクトロニクスとかキッチン用品に関連性が見出せるのかどうかは不明だが、少なくとも本と音楽、映像、ゲームあたりは互いに関連するだろう。


残念なことに、以前からの不満は払拭されなかった。問題なのはおすすめの絞り込みである。
現在、特定のおすすめ商品を表示しないようにするためには「既に持っています」もしくは「興味ありません」をクリックせねばならない。しかし、数百点もの商品を逐一これで絞り込むのはかなり面倒だ。とりわけ、週刊連載の膨大な作品を「興味ありません」に処理するときは。
例えば、私へのおすすめに実際に登場した「美味しんぼ」の場合、現在の最新刊はどうやら96巻らしい。これを「興味なし」と評価することで、他の「美味しんぼ」もしくは同一作者の作品の優先度は下がるだろうが、消えるわけではないから、再びの登場に応じて延々とこれを繰り返さねばならない。
この時、例えばシリーズものはシリーズとしてのメタデータを持たせて一括削除できたり、或いは作者を基準に全削除できれば、カスタマイズはかなり容易になるのだが。


また、データマイニングの精度についても、初めて疑問を感じる状況に遭遇した。偶々、有名作品(のだめカンタービレである)を1冊だけ購入したのだが、これにより今まで決して挙がってこなかった売れ筋商品が次々に紹介され始めたのだ。
売れ筋商品を買う層が、他にも売れ筋を購入している可能性は高いかも知れないが、その手の商品購入割合が極端に低いユーザ相手にそれを薦めても殆ど意味がない。それどころか闇雲に数の多い売れ筋シリーズが混入することはノイズ率を高めるばかりで有用でない。
データマイニングが真価を発揮するのは所謂ロングテール、期間あたりの購入率こそ低いものの長期的に売れるマニア向け商品である。その為にはむしろ売れ筋情報など積極的に排除せねばならない。そんなものはわざわざお薦めされるまでもなく知っているからだ。売れ数に反比例した重み付けなど、何らかの改善を期待したいところだ。


もう一つ気になるのは、クリックのたびに再読み込みすること。せめてAjaxで、クリック情報だけを送信しておいてリロード時に一括適用すればいいのに。