そろそろはてなは先鋭的でないサーヴィスも投入すべき時期

はてなは他のWebサーヴィス会社と比較しても明らかに提供するサーヴィスの種類が多い。BlogにSBM、アンテナにRSSリーダーフォトログ、更には(他ではまず連携しない)人力検索や辞書的機能まで具える、一大エコシステムである。
しかし残念ながら、全てのエリアで精強を誇るとまでは言えないのが現状だ。後発の競合サーヴィスは先発を研究し利点を取り入れられる強みがあるため、既に幾つかの分野では追い着かれ追い越されている部分もある。
はてなという小さな会社がそのサーヴィスを世に知らしめる為には先鋭的で独創的なものを作る必要があっただろう。それが例えば事実上日本初のBlogサーヴィスであるはてなダイアリーであったり日本初のソーシャルブックマークサーヴィスであるはてなブックマークだったりするわけだが、Web界隈でその名を広く認知されるに至って、既にそのような立場を維持する必要性はかなり小さくなっている。
今やはてなの一番の強みはその先進性ではなく、幅広いサーヴィスを自社内だけで賄うことができ、それらが強力に連結するというエコシステムなのだと思う。AppleiPod+iTunesで実現したような、一度味わったが最後他の選択肢が目に入らなくなるような。


改めてそのような認識でサーヴィス全体を見直した場合、まだ幾つもの穴を発見できる。例えばスケジュール管理。はてなグループのカレンダーである程度実現できる機能ではあるが、誰もがプライヴェートな個人グループを持っているわけではないし、現行のカレンダーはどうやらRSSを吐いていないのでダイアリーのサイドバーに入れてスケジュール管理というわけにもいかない。それに、スケジュール管理用なら見るだけでなくその場で編集できなければ役立つまい。
そんな機能は別段珍しいものでもないから外部サーヴィスを利用すれば実現可能なのは判っている。しかし、それを全てはてな内部だけで完結し、連携させることが肝要なのだ。この際、そこに「はてならしい」先進性があるかどうかはそんなに重要ではない。


ところではてなのサーヴィスというのは実のところ一つ一つ見ればそれほど先鋭的というわけでもない。最初のサーヴィスである人力検索は似たようなサーヴィスがOKWaveによって先にリリースされているし、ダイアリーにせよ原型はtDiaryにある(キーワードとの組み合わせは独自のものだが、仕組みとしてはWikiで実装されていたものだ)。SBMだって海外のサーヴィスを持ち込んだに過ぎない。
サーヴィス自体が独特なのではなく、その組み合わせ方こそが「はてな色」なのだ。縦横無尽に繋がるサーヴィス、それがはてな