比較したい

10年来の貧弱な電子レンジ*1の買い替えを検討している。
調理の幅を考えると第一候補はシャープ ウォーターオーブン ヘルシオ(HEALSIO) 26L ブラウン AX-HC2-Tに代表されるスチームレンジ系。
ヘルシオはそのデザインも含め以前から買い替え候補筆頭に挙がっていたのだが、発売当初のビックカメラによる評では「スチーム調理は申し分ないがレンジアップが弱い:茶碗一杯の御飯加熱に7分」などとあって敬遠気味であった。しかしどうやらこれはスチームによる蒸し調理での時間であるらしく、レンジ機能は普通に使えるようだ(但し電子レンジモードへの切り替えがメニュー階層の奥にあるという噂も聞いた)。
使い勝手を確認するには実際に使ってみるのが最も適切だ。一部店舗ではデモモードとして実際には動作しない状態でインターフェイスの動作確認が行えるようにしているようだが、本来はそのパワーなども含め実際に試用し検証するのが望ましい。


家電というのは結構高価なもので、また大型のものが多いから、気軽に複数購入して機能比較というわけにはいかない。勢い既に持っている人のものを触らせて貰って現用機種と比較することになるのだが、家電は何れも壊れ難いから買い替えを検討する頃には大概10年選手、そもそもどの機種と比較しても新機種の方が優れているのは当然である。
いやまあ、満足できるならそれで良いのではないかとも思うが、どうせなら当代一優れた機種を手にしたいと願うのは当然のこと。購入した時点からライヴァル機や後発の機種と比較して妙な優越感や劣等感に一喜一憂するものだ*2
同様に高価であっても車や電子機器は割合比較すべき機能が明確になっており、またレビュー雑誌なども多く出版されているので比較検討材料にこと欠かない。また家電ほど寿命が長くない傾向にあるので中古市場が形成されており、型堕ちを安く入手することも比較的新しいうちに高く下取りに出すこともできるので失敗が大きく響くことはない。


家電の中でも掃除機は比較的安価で、また売り場での比較がし易い傾向にあるが、それでも実感は実際に家庭で使用するまで得られない。洗濯機、冷蔵庫、エアコンに至っては試用など論外である。
こうした問題点が認識されてこなかったわけではない。例えばkakaku.comなどの価格比較サイトでは価格以外に機能性比較も行っている。但しユーザーによる投票制であって個々の評価基準を測る目安はないので、数値の信憑性は極めて低い。
また物欲系雑誌などでも簡単なレビューを行う場合があるが、そうそう悪し様には書けないのでどうしても美点のみを持ち上げがちになり、冷静な判断基準としては今一つ覚束ない。
唯一、完全に客観的な視点からレビューを行っているのは「暮しの手帖」ぐらいだろうか。この雑誌は圧力や贔屓目を排除するためにすべての対象商品を自社で購入しており、提灯記事を掲載しない公平さが好ましい。但し家電専門誌などではないので検証対象は毎号1種類に絞られ、また隔月刊なので新機種の情報をいち早く、というわけには行かないのだが。


ちなみに我が家で掃除機を買い替えた時、最も参考にしたのは2chの家電板であった。しかしダイソンは手放しでベタ褒めの内容が多く、それ故に他から「信者」呼ばわりされており、どこまで信用したものか判断しかねたのも事実。
経験的に、信者がいる場合は必ずアンチも同居する*3のだが、ダイソンに関しては顕著なアンチが見当たらなかったので信用してみることにした。これは結果的に当たりと言える。
実際に型落ちを(比較的)安く購入してみたところ、その圧倒的な吸引力とモーターヘッド*4、なにより見る見る集ってゆく塵が目で見えるのが面白く掃除機掛けが楽しみになる。
但し本体重量/サイズが平均以上なのでやや取り回しが悪い点、塵捨ての際に本体タンクを開けて袋に落とさねばならない関係で粉塵が飛散し易い点*5は一般的な国産のごみパック式に劣る。


……結局こうやって利用者がレビューするしか、現状では有効な手段がないようだ。

*1:多分経年劣化で弱くなったものと思われる。感覚的には指定量の倍に設定しないと期待通りの結果にならない

*2:とりわけスペック重視の男性にこの傾向が強い

*3:AppleSonyに顕著

*4:カーペット用ブラシヘッドが国産で一般的な吸引力を利用したエアタービンではなくヘッド内のモーターで駆動するタイプ。パワーが強いため子供の食べ零しなどが多い我が家では活躍した。現行モデルではエアタービンしかないようで不安

*5:最新のモデルではボタン一つでタンク下部が開くようになっているのでこの問題はなさそうだ