楽天の酷い設計

親会社が楽天に出店するにあたりページ制作を委託したいというので店舗管理画面を触って来たのだが、初めて目のあたりにした管理画面はそれはもう酷いものだった。
まず、メニューが整理されていない。目的別に纏められていないなどというレヴェルではなく、どこを開けば望む機能が隠されているのか予測することすら困難である。
そもそも、Webショップの管理システムだというのにトップに商品登録画面へのリンクが見当たらないというのはどういうことだ。


楽天のショップページに酷いデザインが多い理由も良く解った。そもそもデフォルトで用意されているデザイン自体酷いのだが、その上それを編集する機能もぐちゃぐちゃなのである。
例えば、ページ編集機能には初級・中級・上級の3ランクがあるのだが、普通のWebサーヴィスではこういう場合初級ではフォームで入力した情報がテンプレートに流し込まれるだけ、中級ではテンプレートの部分的な編集が行なえるようになり、上級モードでは。PHPなどのインクルードを含め全体を柔軟に編集可能……といった感じに分かれるのが一般的だ(と思うのだ)が、楽天のそれはどのランクでも一切の変化が見られない。何の為のモードなのだろうか。
メニューはリンクとドロップダウンが併用されているが、そのような構成の理由も判らない。徒に見通しを悪くしているだけに思える。


これほどの混沌とした機能を皆良く使っているものだと思うが、そこは流石にフォロー体制があるようで、全部束ねると10cmにもなる分厚いマニュアルが付いてくる。多分、これと首っ引きで操作すれば、一通りの制作は可能なのだろう。だが、これだけでまともなデザインが可能とは到底思えない。……というか、インターフェイスさえしっかりしていれば、操作方法なんて簡単なオンラインマニュアルだけでもなんとかなるのではないだろうか。


ところで世の中には楽天より遥かに機能的で安価なショッピングモールもあるわけで。一例としてカラメル | 通販 トレンドから掘り出し物まで見つかるショッピングモール+ネットショップ作成サービス カラーミーショップを挙げておこう。高性能なショッピングカート+モールで月々2000円弱。
恐らく、楽天の強みはあくまで蓄積された運営ノウハウにあるのであって、使い易いシステムでもなければ検索し易い構造でもないのだろう。が、そのノウハウをもってしても多数の競合業者の中から浮上するのは容易なことではあるまい(しかもそのライヴァル達もまた、同じノウハウを元に売り上げを競っているのだ!)。月5万円の利用料に見合う効果が、果たして得られるものだろうか。