戦争広告代理人

ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦に於いて暗躍したPR会社の話(PDF)。下手な小説よりずっとエキサイティングである。


戦争というのは実際に戦火を交える段にはほぼ勝敗が決している。局地的には敵の戦力情報を前提とした自軍戦力の投入によるものだが、大局的にはそれ以前の対外交渉による他国の引き入れと、そもそも戦争に至る状況そのものだ(太平洋戦争当時の日本などはそれにしてやられた好例と言えよう)。
紛争のように内部的な感情論に起因する場合は戦争状態が情報戦より前に引き起こされる場合が多いので泥沼になり易いわけだが、プロの戦争はもっとスマートだ。お互いプロ故に無益な消耗は避け、可能な限りを事前段階で決着させる(そこへ戦争に無知な政治家の横槍が入らなければ、だが)。


上の方では情報部を中心にそうした激しい心理戦が展開され、下の方ではそのための手駒として意図を知らされぬままに作戦が実行される。
FRONT MISSIONシリーズもこういう展開でやってくれると嬉しいのだが-----壮大なストーリーは話だけで、プレイヤーはその合間にひたすら地道な局地戦を続けるような。BDとかフェンリルみたいな大規模な陰謀論はそろそろ卒業して欲しい。
どうもスクウェアはそういう「ヒロイック且つ壮大なストーリー」が好きすぎる。