料理コミュニティCOOKPADの失敗

1201−料理コミュニティサイトCOOKPADで起こった問題の記録−
COOKPADとは、ユーザー自身がレシピを登録するコミュニティサイトである。丁度「関心空間」の料理番と考えると近いだろうか。
この記録を読むまでのCOOKPADに対する印象は「ちょっと洒落たデザインの料理サイト」程度のものであり、一時はちょっと興味を持った(書くような内容を持たないのでユーザー登録はしなかったが)のだが、今では「関わらなくて良かった」と感じている。


このブログに掲載されているのは、ちょっとショッキングな内容である。理性的に判断すれば企業が決してしてはならぬような対応。ユーザーの立場を一切顧みず、サーヴィス全体が自らの保身しか考えない、信じられないような行為の全貌が明かされている。


私はユーザーであったことも中を覗いたこともないから、ここに書かれていることが本当であるのかどうか、確かめる術を持たない。しかし、既に多数の強制退会者が出ており、彼らが外部で自らの体験を書き記している。それらの記録を繋ぎ合わせる限り、この記事は(多少なりと当事者としてのバイアスはかかっているにせよ)事実と受け止めざるを得ない。


コミュニティとはユーザーによって成立するものである。サーヴィスのすべきことは内部のコミュニケーションを円滑にするための仕組みづくりであって、常にその中心にユーザーが居ることを忘れてはならない。ユーザーに見放されたコミュニティは既にコミュニティではない。COOKPADはそのことを忘れ、いつしか「サーヴィスを使わせてやっている」と考えるようになってしまったのではあるまいか。
コミュニティを運営する全ての人に、これは一つの教訓となろう。


COOKPADキーワード化されていないクックパッドでは登録があったようだ。近藤さんの日記でもリンクになっていないので見落としたことに驚いたので登録してみた。この事件について書くかどうか少し迷ったが、本文には記載せず関連URLとしての掲載に止めた。
ところで、このサイトに載せられた唯一のリンク先がid:jkondo:20050120:1106207045だったのはちょっと笑った。

辞めないユーザーの心理

幾つかの場所で「そんなに酷いサービスならば辞めれば良いのに」的な意見も見たが、ことはそう簡単ではないように思う。
知る限り、同様の機能を持ったコミュニティは他にない。だから辞めたところで代わりになるものがあるわけけではない。この辺り、ブログサーヴィスなどとは少し違う。
なにより、コミュニティに留まる最大の理由はユーザーとの結びつきだろう。既に強制退会ユーザーを中心にブログを使った結びつきができつつあるようだが、こうした草の根ネットワークはその密度でどうしても単一コミュニティに及ばない。いずれにせよ、出て行ってしまえばそれは二度と戻らないのだ。