無断リンクの勘違い

無断リンク禁止派は、しばしば無断リンクを家屋への無断侵入に喩える。しかしこれはとんでもない勘違いといえよう。


ホームページ、という俗称がその勘違いを助長するのだろうが、Webサイトはあなたの家ではない。そこは、喩えて言えばギャラリーからレンタルした展示スペースのようなものだ。だから、そこに展示された作品は誰でも見られるようになっており、あなたにはそこへ来る何者をも拒むことができないし、お客がその作品を宣伝したり、批評したりするのを止めることもできない。
ギャラリーによっては、あなたに鍵をかける手段を提供するかも知れない。貴方がそう望むなら、招待状を持たない客を入れないようにすることもできる。


ギャラリーというのはつまり、サーバー(のWeb公開部分)のことだ。あなたは間借り人に過ぎず、家宅侵入を問う権利はあなたにはない。
もしあなた自身がギャラリーのオーナーでもあるとすれば、あなたは「自宅」の一部をギャラリーとして公開していることになる。非公開の自宅部分への許可なき侵入は罪だが、公開されているギャラリースペースへの入場はなんら罪に問われることはない。


展示者は、「ひっそりと暮らしたいから宣伝しないで欲しい」と来訪者にお願いすることはできる。しかし、それを強制することはできない。「本当にひっそり暮らしたいなら、なんで公開展示したの?」と言われるのがオチだ。


家だと思うから無断侵入に腹が立つ。しかし借り物と思えば諦めもつこう。