それはびっくり。噂の域を出ないと考えていたので。
モトローラのG4で足踏みしていた頃ならいざ知らず、G5は充分な性能を叩き出していたから、乗り換えの理由があるとは考えなかったのだが。Mac用としてはまだ2.7GHzまでしかリリースされていないが、既にゲーム機が3.2GHzまでは実用可能であることを証明しているし、クロック数に比してPPCは演算が速いことはデータにも現れている。
そうすると、むしろAppleとしては速度よりもモバイル用途の消費電力/発熱を気にしているのではないかという推測が成り立つ。これまでiBook/PowerBookはWinノートに比べて大きく厚く(そして熱く)重いという定評があった。同程度の機種と比べた時にその評価が正しいとは思わないが、最軽量機種で2kgというのが重い印象を与える*1こともまた確かだ。
同じCPUが使えるならば、WinにできることはMacにもできる。Appleが高額ドライヴをスポイルして1kgを切って来るとは考え難いものの、1.5kg~1.2kgあたりならば充分に期待できる範囲だ。
異なるアーキテクチャのCPUへの移植には様々な問題が予想される。x68系CPUからPPCへ移行したときはPPCにx68エミュレータを内蔵するという手段でこれを解決したが、まさかIntelがPPCエミュレーターを同梱するとは思えないし、PentiumとPPCのデュアルコアというのも多分現実的でない(コスト高にも関わらず性能に反映されないことになるだろう)。
あるいはOSレヴェルで完全な互換を実現するのか。OSXの時のように、ディヴェロッパーと消費者に負担を強いるようなことがなければ良いが。尤も、現行のMacOSはIntel系CPUで動作しているBSD系のコアを用いているから、移植はそう難しくないのかもしれない。
OSレヴェルで見れば、これはWin機にMacを移植できる可能性が出たとも考えられる。ただしAppleは伝統的にハードウェアにMacROMというものを内蔵し、これがない機種にインストールできないような手を講じてきたから、実際には一般ユーザーがそれを実現できる可能性は低いだろう。
逆に、AppleのハードウェアはWindowsその他のOSをインストールできる可能性を持つ。デザイン性に優れたMacintoshがDOS/Vハード業界に乗り込むというか、MacOSの牙城にWindowsが忍び寄るというか。
Appleにとっては、OS・ハード一体のビジネスモデルを再考する大いなる賭けとなるのだろう。
*1:Winノートは既に1kgを切っている