耳掛け式ノイズキャンセリング・イアフォン

ノイズキャンセリング機能付きのイアフォンはノイズ低減の半分を耳栓に頼っている。いくらノイズを消去しようとしても外部の音がそのまま入って来ては意味がないから、これはまあ当然だろう*1
しかし、そうすると遮音性と引き換えにどうしても骨伝導の問題を避けて通れない。密閉により咀嚼音などが響くのは仕方ないにしても、イアフォンケーブルの接触音は低減したいところだ。
PhilipsのSBC-HN060(asin:B0002KX9TW)はケーブルがネックストラップになっており、これで消音ユニット+電池の揺れによる影響を解消しているのだが、如何せんケーブルが全体硬めで、首から耳への部分やネックストラップ自体の擦れ音も伝えてしまう傾向にある。
また、イアフォンが潜在的に持つ装着時の不安定さの問題もある。耳孔に密着させないと効果が薄まるが、マイク内蔵の分通常のイアフォンより重いためか、それともイアピースと耳の反発力の問題か、耳から落ちてしまう(少なくとも「落ちてしまうのではないか」と不安になる)ことがある。
こうした問題を一手に解消する方法として、耳掛けフックの採用を提案する。といってもどこのメーカーも作ってくれないので、自分で。


前に断線させてしまい使えなくなったB&O A8のフック部分を利用することにして、まずは分解に取りかかる。
どこにもネジ穴らしきものがない。かといって金属製のフック部分と樹脂製のハウジング部分の間にマイナスドライヴァーをこじ入れてみても外れない。
取り敢えず外れそうなところからとスピーカーを覆う金網を剥がしてみるが、すぐ下は樹脂製の部品で覆われている。
業を煮やしてハウジング全体を引き剥がしてしまおうかとラジオペンチで引っ張ったら、スピーカーを組み込んだ樹脂部品があっさり外れ、金属フックに固定するネジが見えた。
これを外し、ケーブルを引き抜いて除去完了。


次にスピーカーユニットの固定である。この時の向きと位置が装着感に大きく影響するので、慎重に決めねばならない。取り敢えずスピーカーユニットを耳に嵌め、上からフックを固定して指で押さえ、代替の位置と向きを見る。私の耳の場合、フックの腕部分にスピーカーユニットのケーブル付け根部分を斜めに接続し、イアピースの向きを垂直よりやや上前方に向けて傾けるのが良いようだ。その向きに輪ゴムで固定してみる。
金属と樹脂の接合になるので、硬化樹脂で固定するか、元あったネジ穴を利用して固定金具を用意したいところだが、金具は工作精度が高すぎて手に余るので樹脂を前提とする。ただ、手元に材料がないので本日はここまで。

*1:この点ではヘッドフォンも概ね同じで、やや強く密着する密閉式を採用している。例外は開放型であるSONYのMDR-G94NCだが、その分効果は弱い