ちっちゃいの、出ました

早速Macworld Expoで発表された新製品情報が話題になっている。

iPod Shuffleは512MB/1GBのフラッシュメモリ型で、大胆にも液晶表示部なしのシンプルな作り。その名の通り、内容をランダム再生するのが目的という構造である。液晶がないデメリットを、サプライズというメリットに転換するあたりにAppleの巧さがある。
個人的に、小容量のフラッシュメモリ版はiPodの大きな魅力である「ライブラリ全体の持ち出し」ができないので価値を見出していなかったのだが、iPod miniの成功を見る限りでは小ささに価値を見出す層も多かったようで、そうなれば更に小さいiPodの意義もあろう。低価格モデルで1万円程度と安い*1のも大きな魅力。
電池の持ちが悪いという声も多いが、12時間というのは余程のことがなければ充分な再生時間である。同程度の再生時間であるiPod ClickWheelを使っているが、片道2時間ほどの再生時間であれば充電し忘れても次の日問題なく使える。それにiPod Shuffleは特定の曲を常に持ち歩く為のものではなく、毎日ライブラリに繋いでランダムに中身を入れ替えるもの。そのときに自動で充電されるから、特に電池を意識することはないだろう。


既に販売されているiPod Shuffleの方はTImediaでレビューされているのでリンクしておく。


Mac miniは要するにG4 cubeの再来のようなものだが、cubeの失敗である位置付けの中途半端さ*2を払拭する為、徹底した低価格路線に乗り換えたものだろう。本体のみではあるが、6万を切る価格は最近のメーカー製DOS/V機でもまずお目にかかれないもので、なかなかのインパクト。
製品としての価値はともかく、戦略上一番重要なのは「Macは安くなった」という印象をWinユーザーに与えることだと思う。最近のMacはWin全体と比較しても決してコストパフォーマンスに劣らないのに、その印象は肝心の非Macユーザーには届いていなかった。iBookの価格ですら、Macユーザにとって安価な印象はあってもWinでは珍しくもない程度で話題性はない。
ディスプレイはおろかマウス・キーボードもないから、フルセットでは結構高くつくことになるのだが、公式ページのの図でも判るようにWinのキーボードやマウス・画面を流用できるので2台目としてはリーズナブル。Macユーザー向けというよりはWinユーザーのセカンドマシンとして半Switchを狙う戦略なのだろうか。
iMacすらG5化したのにminiはG4、これは熱対策とコスト削減を狙ってのことか。
USBポートがキーボードとマウスで潰れるという意見が多いのはキーボードとマウスの流用を狙うWinユーザーの声か。Macの場合はマウスをキーボードに接続するので口一つで済むし、電力消費の多いものでなければキーボードのもう一方のポートも使えるので特に困らないのだが。


初心者にはこれで十分にオーバースペックだと思うけれども、このMac Miniの良さを分かるには、自分のパソコン使用上の必要条件・十分条件が分かってないと「これで大丈夫かな?」という不安が残るんじゃないかと。で、知り合いのヘビーユーザーに「分からないからついて来て」と頼みますよね? そうすると、よっしゃ任せろと、嬉々としてついて行きますわな。うん。それで、あーあー君にはこれで十分十分、とかなんとかやり取りがあって、店を出る時には初心者君とヘビー君と仲良く二人ともお買い上げ、と。それくらいの魅力があるマシンですね。
なるほど。多分それはAppleも狙っていない副次的効果。


正直なところ今回の発表はどちらも私の望む製品ではなかった。まあminiをコンパクトなサーバーとして扱うのは悪くないかも知れないが。G4とは言え、今使っている機種より3倍ほど早いし。

*1:例によって競合他社製品よりは高いのだろうが、現在の相場は512MBモデルで12,800〜といったところのようで、一気に安値を更新したことになる。液晶の排除とシンプルな機能が低価格化を実現したのだろうか。同社競合製品と比較した低価格感は重要

*2:当時エントリーモデルのiMacより高価・高性能でハイエンドのPowerMacより安価・低性能という微妙な位置にあった