iPodの素晴らしさ

id:kina:20040622#1087906623経由で、iPodの素晴らしさについて勧誘募集しているそうなのでちょっと書いてみる。


iPod「ハードディスクを内蔵することにより、桁外れの数の音楽の録音を実現したポータブルオーディオ」というのは正しい知識であるが、それだけなら過去にも前例があったし、また価格面でも容量面でももっと優れた製品がある。
iPodがそうした競合製品に対し圧倒的優位に立った理由は大きく分けて3つ、「デザイン」「インターフェイス」「シームレス」であろう。
うち「デザイン」については特に語ることもない。
インターフェイス」については、オーディオのヴォリュームダイアルを模したスクロールホイールによるシンプル且つ直感的なもので、アップルが最も得意とする分野である(実のところOS部分はアップル製ではないのだが)。何の変哲もない階層メニューだが、リストの縦方向スクロールとヴォリューム/タイムラインの横方向操作を一つの入力方法で処理できる点に先進性がある。また、多量の情報をスクロール表示するにあたって、スクロール速度の調整・停止及び逆方向移動が何ら切り替えなしに瞬時に行えるという操作性の良さにも着目したい。恐らく、オーディオ装置を扱ったことのある人物であれば、何の説明もなしにこの小さな装置を易々と使いこなすことだろう。
3番目の「シームレス」---実はこれが一番のキーであり、数あるポータブルオーディオと決定的に違うところである。
iPodとPCの連携は極めて簡単で、接続するとPCのiTunesに入れたライブラリがそっくりそのままiPodにコピーされる。(iTunesライブラリがiPodの容量を上回らない限り)ここでは特に操作の必要はない。
iTunesの操作とiPodの操作は基本的に共通化され(スクロールホイールとキーボード/マウスの違いなどはあるが)ほぼ同様の感覚で扱うことができるが、何より重要なのはHDD型ポータブルオーディオに特有の「ライブラリをそっくり持ち出す」という点である。
ポータブルオーディオにはメモリ型やMD、MP3を焼いたCD-ROMを読むタイプなど様々なものがあり、これらは確かに通勤時間程度ならば十分対応可能な程度の容量を持っている。しかしHDD型とこれらには、意識の点で決定的な差がある。即ち、その他のポータブルオーディオが外出前に「本日持っていく曲」を決めるのに対し、HDD型は所有している全ての曲を持ち出せるので、いざ聴く段になって初めて「今から聴く曲」を選定することになるのだ。
また、ランダム再生についてもライブラリ全体から無作為に曲が抽出されるのと作為的に選ばれた範囲内でランダムにかかるのとでは大きな違いが出る。


最後の点についてだけ言えば、HDD型ポータブルオーディオであれば全てその利点を有すると言えるだろう(但し近年では小容量の超小型HDDを採用したタイプもあり、これらは全ライブラリを収納するだけの容量を持たない点でこの恩恵に与れない)。しかし、携帯に適したサイズと優れたインターフェイスを両立した機種は他になく、価格面で割高という欠点を除けばiPodに比肩し得る存在は未だないと言って良い。
あなたの人生に今iPodが必要かどうかは判らないが、もし何らかのポータブルオーディオを欲しいと考えているならば、迷わず(手持ちのCDライブラリが全て収まる容量の)iPodを手にすべきだ。


以上、勧誘終わり。なんだか海外記事の翻訳ものみたいな文体になってしまった。