人力検索はてなの変化(と未来)

特定人物による荒らし*1が行われたり、いわしで口論となったり、最近の人力検索はてなは荒廃気味である。


元々、人力検索はてなの基本理念は「検索が苦手な人をサポートする」という程度のもので、即ち「質問するとちょっと深い検索結果が返ってくる」ことは期待できても「専門家による詳しい解説が得られる」ことを期待するものではなかったはず(参考:はてなの見解)。
しかし現実にはダミーURL+回答者の見解という回答形式が多く見られ、またそれらが必ずしも専門知識から出たものではないことから見解の相違による衝突が見られるものと思う*2


こうした問題点の多くは、人力検索はてなが本質的に持つ「早い者勝ち回答方式」に由来すると考えられる。即ち、早さを競うあまり下調べもなく見解だけを述べるユーザーがあまりに多く、結果として回答の質が全体的に低下傾向にあるということ、その質の悪い回答によって払うべきポイントが徒に浪費されるということ。


現状では質問者のポイント支払い率などは確認でき、「有効回答をキャンセルする悪質質問者」などは回避できるものの、「場当たり的な無効回答を撒き散らす悪質回答者」などには対処できない。これはなんとかしたいところである。
これらに対処するには、現行の「回答者不明」「早い者から順に」という形式から、「選択して閲覧」「ユーザー評価を明確に」という方向に修正していく必要があろう。


ただ、質の悪い回答は必ずしも回答者の責任とばかりは言えない。検索初心者(或いはコミュニケーション能力の低い人々)は往々にして要領を得ない質問を投げかけ、回答側が意図を汲み取りかねる場合が多い。
こうしたとき、現行のシステムでは初期に捨て回答により質問の意図を明らかにする為の逆質問をせざるを得ない。
現状のいわしのような形式ではなく、個別の質問に固有の掲示板的コミュニケートシステムがあっても良いのではないか。質問の直下に、その質問に対する回答者側からの質疑が並ぶような形だ。
そうすれば、質問に対する質問、或いは回答の補足はすべて質問ページに内包され、いわしは本来の「はてなへの意見」用に戻れる。


上記のように、人力検索はてなにはまだまだ改善可能な部分が多く残されているとは思うが、最終的にこのシステムを良い方向に導くのはひとえにユーザー個々の対応である。荒らしは放置し、拙い質問文を補い、回答の質を高く保つよう心がけ、また周囲を導くよう努める。
言うほど簡単なことではあるまいが、自戒も込めてそう明記しておくこととする。


(関連:id:manpukuya:20031209#p1、id:sasada:200312)

*1:はてなの公式見解としてそのように認定された事実はないが、私はそう認識している。

*2:尤も、このような衝突は必ずしも「回答が間違っていること」への批判から発生するものではなく、多分に当事者同士の言動から来る場合が多いが。