倶楽部:今宵、銀河を杯にして

銘酒「星見の井」

星見の井

垂直に深く掘られた井戸の底には、乱反射する陽光が吸収され、真昼でも星が映るという。
この酒はそんな伝説のある井戸水を用いて造られた米発酵酒である。


陶製の酒瓶は井戸を模して細く長い首と短い胴からなる。瓶の口から覗くと、中で星が瞬くのが見える。この現象については良く解っていないが、鉱水の成分によって複屈折を起こしていることが確認されており、これが原因の一つではないかと考えられている。


酒としては腰のある辛口で、鉱水の影響かやや味が硬い感じがある。突き抜けるような吟醸香が心地よい。
井戸水のように良く冷やして飲むのがいいだろう。
註:この酒は私の創作であり、実在しない。


自サイトの博物誌:酒の項に掲載したものだが、ちょうど良い題材だと思ったので転載する。