純粋なバターを作るには、虎縞から黒部分を分離せねばならない。黒は黄色よりも比重が重い分、遠心力で外側に分離する。従って基本的には回転させるだけなのだが、高速に回転させすぎると黄部分も一緒に寄ってしまう。そのため微妙な速度調節が重要である。
昔はボルネオ、スマトラなどで“バター狩り”が行われていた。囮役が虎を翻弄しながら逃げ回り、最終的に木の上に逃げて虎をひきつけた所を周囲から囲んで逃げ場を塞ぎ、木の幹に沿って虎を走らせてバターを精製する。
この非常な危険を伴う独特な風習は19世紀頃まで続けられたが、西洋からの安全な代用品「牛バター」が広まるに従って衰退、現在は僅かに祭りの儀式に踊りの形で名残を留めている。