カルト宗教団体

カルト宗教、というと何かと恐怖の目で見られる。今やカルトの代名詞たるオウム真理教*1が引き起こした災害の所為でもあろう。
だが実のところ、カルト宗教の実害は専ら非常識性と洗脳的勧誘に限られる。オウムのように破壊的な集団の方が珍しい。これは宗教が(建前にせよ)救済を前提とした存在であることを考えれば当然だ。


カルト宗教団体と周辺住民の間には必ずと言って良い程軋轢が生じるが、これは少なからず住民側に責任があると考えている。
住民が起こす追放運動は、その殆どが宗教団体が某かの迷惑/被害を与えているかどうかではなく「存在自体が不気味」「何考えているか判らないから恐い」といった、全くの感情論から起こるものである。これ自体には何ら正当性がない。小学生が教師に「隣の子が気持ち悪いからクラスを替えて下さい」と言うようなものだろう。


実際に宗教団体に娘が洗脳されたとか、地下鉄サリン事件で肉親を失ったとか、直接的な被害を被った人が同様の団体に対する不信感を拭えないのは仕方あるまいが、「過去に同一カテゴリに属する集団が犯罪を犯したことがあるから」同様の存在すべてを排除するという考え方は実に危険である。そして、住民の訴えに対し「あらゆる法令を適用してでも」これらを検挙しようとする警察もまた、同じ愚を犯しているわけだ。

*1:これは一発変換できるのか。