LTP: 腕を送る男

腕は過去の、ある英雄---亦は悪鬼---のものである。彼は戦場に於いて多くの敵を屠り、最終的に壮絶な討ち死にを果たした。
敵軍の将はこの人間離れした存在を恐れ、彼の復活を怖れた。故に彼は英雄の五体を分離し、それぞれを別の場所に埋葬した。
そして男らは、英雄に率いられた一族の末裔である。彼らは現在この地を支配する敵軍を、現政権を打破すべく呪詛を執り行う。その依代こそが英雄であり、分離された英雄の体を一処に集めることで(象徴的に)英雄の再臨を冀い、政権の滅亡を念じているのだ。
検分者は学者であり、送られた腕が英雄のものに間違いないことを検証するものである。埋葬者は神官であり、英雄を再生させるべく生命の源であり休息の地である昏き国へと英雄の荒御魂を導くものである。