戦争論

戦争は個人レヴェルで見れば破滅的状況であり、これを可能な限り回避したいと思うのは当然の感情である。戦争行動に正義を求めるような輩は死に対する想像力が欠如した人間であろう。


然し国家レヴェルでは、権益を守り自己を存続させるために、戦争は時に不可避の行動たり得る。
国家は一個の生物であり、巨視的には個人の死など細胞が傷ついたに過ぎない。無論重傷を負えば致命的であるが、個々の細胞の重みは非常に軽い。


戦争の悲劇とは畢竟、この二つの乖離にあるのではないかと思う。