再び#2:CCCD

CCCDの問題について書き連ねていたら長くなってしまった。それだけ各所に問題が多いということだ。
そこで全体を見通すのをやめ、個々の問題にフォーカスすることにする。
一応、箇条書きで個々の問題点に対し(比較的)ポジティヴな観点とネガティヴな観点を併記してみた。

  1. コピー防止:権利を守るための権利侵害

    著作権保護
    これが建前上の主目的。まあ確かに、不法なコピーは問題だが。
    消費者の権利
    所有物を、個人利用の範囲で複製するのは事実上認められた既得権。(とは言え明確に認められたものではなく慣例的なものだが)コピー防止技術はこれを侵害する。


  2. 音質:意図的な音質の低下価

    PC再生への配慮
    一つのCDに、CD再生機器用音源とPC再生用のデータ+再生ソフト領域を確保するためにサンプリングレートを半分に落とし、データ量を下げているので劣化は避けられない。
    コピー防止のための意図的ノイズ
    データに満遍なくエラー信号を被せることでCD-Rの書き込みチェック時にエラーを発生させる。当然CD再生機器でもこれを拾ってしまうので、データ補完のために歪み・音飛びが発生したり、激しいシークにより機器の寿命を縮めたりする。


  3. CD規格からの逸脱:再生保証のない円盤

    代替手段
    再生保証はできないが、再生不能が確認された場合(非公式だが)MDを渡している(avex)。
    ハイリスク・ノーリターン
    機器メーカーにはCD規格に準拠しない円盤の再生を保証する義務はないが、レーベル各社も保証しないというのは一体どういう魂胆か。保証できぬなら採用せぬが良い。


  4. 推定被害額:コピーできなければ売上が伸びるか

    コピー量自体も推定
    レンタル貸し出し数とCD-R等の販売数から被害額を推定。
    相殺
    大半はコピーできなければ買わなくなる。伸びた売上はCCCDボイコットと相殺。


上記のうち、上3項については何れも消費者にとって切実な問題だが、これらは既に各所で語られているので、今回は一番下を。

結局のところ、コピー防止によって期待されるのは売上の向上であろう。かつてのように毎年10本を超えるミリオンセラーが出る状態に回帰したいのだと思われる。
ところで、avexによる初のCCCD登場から1年、CDとの売上を比較するには十分な時間が過ぎたと思うが、未だ「CCCDによって売上が伸びたことを示す証拠」が提示されない。浜崎某のCCCDがミリオンセラーになったことがその証拠であるように言われたこともないではないが、プロモーションの結果でないことを示すデータがない以上、根拠としては薄い。
一方、市井ではアンケート結果にもあるように売上減との予想が出ている。決して業界に詳しい筋の回答ではないが、逆に言えばこれは一般人の、CCCDへの不買表明を示す割合とも考えられる。36%の不買!売上減との予想を裏付けるに十分な数字ではないか。
そして結局のところ、今まで「気軽にコピー」していた連中はCCCDを買うことはないだろう。今まで只同然で手に入れていたものに金を払うわけがない。無料サービスが有料化した途端に利用者が激減するのは良くあることで、これはCCCDで売上が伸びない根拠の一つともなる。
そもそも気軽にコピーする若年層は、楽曲の価値に代価を払っているのではない。流行を購入しているのだ。ものの数ヶ月で陳腐化する情報に支払うには、今の価格は高すぎる。


ああ、結局長くなってしまった。