本日の読書

オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」(ISBN:4150107467)読了。グレッグ・ベア「ブラッド・ミュージック」、ブルース・スターリング「スキズマトリックス」などの力作を排してヒューゴー/ネビュラ賞を受賞しただけあって、物凄い。
面白いのは解っていたのだけれど、表紙の絵がアレだったのでなんとなく読まず嫌いを通していたのだが、無性にSFが読みたくなったので借りてしまった。
しかしまあ......「エンダーズシャドウ」「エンダーの子供たち」があってこの本がないというのはどういうわけだ>図書館。


話の方は基本的に一人の天才的少年の成長を描くもので、SF的描写には溢れているもののSFとしての驚きはない。終盤の展開も半ば予想されたパターンで、驚くほどのことではなかった。そういう意味では単調になりがちな内容、そして結構なボリュームにも関わらず軽快に読み進められる文章力に感心していたら、最後の最後で「やられた!」実にここまでの500頁余りは、最後の十数頁の為だけにあったのだ。
なるほど、受賞するに十分な作品だ。これ以外のどんな作品も考えられない、そう思わせるほどの力がこれにはある。