「工事の要らない食洗機」を導入してみた

自動化できる仕事はなるべく自動化するべきだと思っている。
最近は家事の自動化がずいぶん進んだ。洗濯機は自動家事装置の中でも古い存在で18世紀頃には既に存在したが、20世の終わり頃には乾燥機能の導入によって干し物という作業がなくなり、また天候に関わらず洗濯できるという大きな利点も得た。
掃除についてはまだ自動化の幅が狭い、というか床のゴミ除去や拭き掃除程度までは実現できているものの他の場所までは手が回らず、また自動化の困難な「片付け」との関係性が深いために導入可能環境が限られる。
衣類については最近ようやく自動畳み機が登場したが、複雑な動作の故に高価で大型、まだ一般家庭に導入できるレベルではない。

家事の中では洗濯乾燥と並んで自動化の進んだ分野のひとつが、食器洗いだ。実はその成立は古く、19世紀の末には現代のものとほぼ同様の水圧式温水洗浄方式が発明されている。しかし日本で家庭に普及し始めたのは21世紀に入ってからだ。
我が家でも食洗機の導入は検討していたのだが、如何せん住居の設計時期が古いために食洗機の存在が考慮されておらず、置き場の確保が難しかったために見送りとなっていた。しかし近年、小型で水まわりの工事も必要がない機種が登場したので、導入してみることにした。

本体サイズは高さ42cm、だいたいA3サイズの長辺ぐらいである。幅もほぼ同一。奥行は若干控え目の38cmだが、背面には取り外し可能な水タンクがあるので、壁との間は少し空けておいた方が良いかも知れない。
設置は、基本的に電源ケーブルをコンセントに挿すのと排水ホースをシンクに入れるのと、それだけで終わりである。あとはカゴを取り出して付属の金網フィルタをセットしておく程度。

水タンクは本体裏側にあり、上部に直径8cmほどの注ぎ口がある。ここに6リットルの水を注ぎ入れてやればいい。タンク右側面には注ぎ入れるべき最低量と最大量を示す線があるが、これはかなり接近している(つまり、「最低でもここまでは入れなければならない」分量と「これ以上入れてはならない」分量の差が小さく、注意を要する)。水を注いでいると、動作に必要な量が確保された時点で本体から短かく電子音が鳴るので、それを目安にするといいだろう。
付属の水差しで何度かに分けて注ぐのでもいいし、それが面倒ならタンクを外して蛇口から直接注いでもいい。

コンパクトな機種だけに、内容量は小さい。メーカーによる収納例ではたとえば椀・平皿・コップ・箸・フォーク・スプーン各4ぐらいを一度に洗える、とあり、4人程度の一食分を確保できそうにも見えるが、 たとえば飯椀と汁椀と取り皿、それに惣菜を盛った大皿が2枚……ぐらいになるともう溢れる。というか普段使っていた直径25cmほどの平皿が収まらなかったりするので、この辺りは「食洗機に合わせて食器や料理の数を最適化する」必要がありそうだ。

食洗機用洗剤を入れる口などはなく、固形洗剤は「排水フィルタの上に置く」、液体あるいは粉末洗剤は「ドアにぶっかけておく」……いいのかそんな適当で。とりあえずJOYのジェルタブレットを買ってきた。

【大容量】 ジョイ ジェルタブ 食洗機用洗剤 60P 930g

【大容量】 ジョイ ジェルタブ 食洗機用洗剤 60P 930g

コースは「ソフト/強力/標準/スピーディ」および乾燥のみ、の5コース。このうちソフト洗いは乾燥を行なわないコースで、強力/標準/スピーディは要するにすすぎ洗いを3回/2回/1回行なうコース。大雑把に、すすぎ1回あたり10〜15分程度、+乾燥工程に30分〜1時間程度でコースが構成されている。コースにもよるが、1回の処理で1〜2時間程度だろう。

専用洗剤にはクレンザー成分も含まれているんだろうか、洗い終えた食器は曇りなく磨き上げられて人の手で洗うより余程綺麗になる。ただ、表面にプリントしてあるものなどはそれも剥がれ落ちてしまったりするので、手洗いにしなければならないものも出てくるが。

手作業での食器洗いにかかる時間というのは、まあシンク一杯に溜め込んでいても精々30分ぐらいだろうか。それを食洗機に任せると1時間ぐらい、分量も1/3ぐらいしか入らないので3倍ぐらいかかることになる。これは大型の機種ならばその分だけ効率が良くなるけれども、単純比較してしまうならば人力よりも効率は悪い。
けれども溜め込まず、1回で洗える分だけ適宜処理してゆくならば極端に悪くはないし、なにより人の手がかからないのは大きい。
家族がちょっとづつ使用する、箸や小皿やコップ……その度に洗ってくれれば、一人あたりの労力などそう大したものではないが、食器棚から出してきてはちょっと使ってすぐ流しに下げて、また新しいものを出して……とやられるとあっという間に溜まり、量があると洗いものも億劫になる。そういう積み重ねを断ち切って、都度食洗機に入れ、一杯だったら水と洗剤を放り込んで回す、というサイクルができれば、家事はまたひとつ楽になる。