世紀末NERF伝説

NERFといえば、米国のトイガンである。安全性の高い大型の低圧弾を使用するため国産のエアガンに比して発射機構が大振りで、そのぶんメリハリの効いた「ゲームや漫画にしか登場しないような」雰囲気が魅力的である。

最近ではラインナップを拡充して、機能面では従来の製品を改良し飛距離・精度を高めた「ELITE」、通常より大型サイズの弾を使用する「MEGA」、通常弾よりも飛距離の出るディスク弾を使用した「VORTEX」、ゴルフボールのようなディンプル付き球弾を使用する「RIVAL」、各パーツに互換性を持たせ組み換え可能な「MODULUS」、(その他に水鉄砲シリーズ「Super Soaker」、)またデザイン面では女の子をターゲットにした「Rebelle」、それにポストアポカリプスなデザインの「ZOMBIE STRIKE」と「DOOMLANDS 2169」がリリースされている。

注目したいのは最後の2ラインナップだ。
従来のNERFはわりとSF的な「未来のハイテク銃」路線でデザインされていた。ELITEはその路線を引き継いだ正当ラインだしVORTEXは光線銃的なイメージだ。
それに対してZOMBIE STRIKEとDOOMLANDS2169は「現代文明が災厄により崩壊した後の世界」を生き抜くための銃としてデザインされている。つまりMAD MAXとか北斗の拳とか、そっち方面だ(いやZOMBIE STRIKEの方は名前通りゾンビものサバイバル世界なんだけど、まあやることに大差はない)。

たとえばSlingFireはトリガー下部のレバーによるコッキングで次発を装填する「レバーアクション」と呼ばれるタイプのメカニズムを備えたブラスターだ。19世紀末に好まれた機構だが、現用銃ではほとんど使われない。
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[REVIEW] Nerf Zombie Strike Slingfire Unboxing, Review, and Firing Test
こんな風に派手なアクションによるリロードが楽しめる。

また、SlingFireと外見も名前も似ているSledgeFireの方は中折れ式で、専用カートリッジに通常のダーツを3発込めて同時発射する、一種のショットガンである。
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Nerf Zombie Strike Sledgefire Review and Shooting

極めつけはDoominator、「破滅の支配者」である。これは6発装填のシリンダーをレバーアクションで切り替えて24発連射できる代物で、引き金を引いたままフォアグリップを引いてコッキングすれば連射も可能なスラムファイア対応。
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Nerf Zombie Strike Doominator Unboxing and Review

派手なギミックは射撃部分だけではない。CrossCutはなんと銃身の左側に丸ノコを装備、発射トリガの下にもうひとつあるトリガで回転する。
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NERF - 'Zombie Strike Crosscut Blaster' Official T.V. Spot
このように、結構激しく回転する。まあウレタンなので当っても痛くはないのだが。

どうですこの一連のギミック。ちょっと欲しくなっちゃいませんか。
いかにもオモチャ然としたカラーリングがイマイチ、という向きにはご自分で再塗装されることをオススメする。きっと見違えるから。
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なお、世界設定の近いDOOMLANDSの方は12発ドラムマガジンのカービンとか手動ガトリングっぽいロングバレルブラスターとか、こちらもなかなか格好良いのだが、差し当たって国内展開がなさそうで残念。こちらは特有のギミックとして「アウターパーツ半面がクリアになっており内部動作を鑑賞できる」という特徴があるのだが、雰囲気を出すならこの部分は塗り潰さざるを得まい。