iOSで街コロを

2013秋のゲームマーケットで「街コロがiPhoneアプリになります」と宣伝していたのが、ようやくリリースを迎えた。
iOSアプリ『街コロ』公式サイト
てっきり「街コロをiOSに移植したもの」が登場すると思ったら、「土地を購入し施設を建てて人口を増やすソーシャル都市開発シム」になっており些か肩すかしの感はある。でも、遊んでみたところやっぱり街コロは街コロだった。

ざっとゲーム内容を紹介しよう。
まず最初に、11×5の土地マスをいくつか買い上げ、更地にして施設を建てる。これにより街ができて人が移住し、また同時に「要望(という名のクエスト)」が発生する。
土地を買うにも施設を建てるにも資金が必要で、これは主に「クエストを達成する」「バトルに勝利する」「商業施設から時間経過で発生する」の3手段により入手できる。また建設可能な施設もクエストやバトルの報酬、もしくは設計(という名のガチャ)によって獲得できる。
街作り部分にも人口の増え易いバランス設計とか色々あるようなのだが、ここはあまりシビアな設計ではなさそうだし不明点も多いのでひとまずスルーして、「バトル」の説明をしよう。

バトルは形式的に「悪徳不動産業者の社員と利権を競う」形で進行する。実際には、次のようなゲームになっている:

  1. ゲーム開始時、「1:麦畑」と「2〜3:ベーカリー」を所有し、少額の初期資金を得てスタート。
  2. 自分の番にサイコロを振り、出目が所有する施設に一致すると収入がある。
  3. 毎ターン1枚だけ、「施設」または「事業」を購入できる。
    1. 施設には3系統ある:
      • 青:「誰の番でも」数字が一致すれば収入になる
      • 緑:「自分の番にだけ」数字が一致すれば収入になる
      • 赤:「相手の番にだけ」数字が一致すると、その相手から収入を奪う
  4. 事業は何種類かあり、それぞれに購入特典が定められている。
    1. すべての事業を購入すれば勝利となる。
  5. 施設や事業には「購入金額」と「維持費」が設定されている。所持資金から購入金額を払って施設/事業を得る。
    1. 施設には最大数があり、場全体でその数だけ購入されると売り切れる。
    2. 事業は各自1枚と定められている:売り切れがないので買い占められる恐れはないが重複して購入もできない。
  6. 一定ターン経過すると「決算」が発生。所持資金から維持費の合計分が引かれる。
  7. いずれかのタイミングで所持資金が0以下になると「破産」し、敗北となる。

元の街コロをご存知の方ならばわかるだろうが、ほとんど街コロである。違いは「維持費と決算」それに「破産ルール」ぐらいだ。まあ購入金額や収入には調整が加わっているので、まるっきりそのままというわけではないのだが。
対人戦ではなく対AI戦ということもあって大味の感は否めない。敵が最初から多額の資金を得ていたり、その割には事業に着手せず黙々と施設を購入するだけだったり。まあそういうのは最初の方の敵だけなのかも知れない:敵全員が最適化された行動を取り続けたら勝ち目がないので、わざと行動にランダム性を持たせており、弱い敵ほどランダムの幅が大きいとか、そんな感じなのではなかろうかと推測されるが、勝敗があまりに運任せになってしまうのはちょっと残念。
とはいえ、「ギャンブル」感の薄いギャンブルゲームとしては悪くない感触だとも思う。街開発というテーマ性や絵の雰囲気が気に入るなら、なかなかに楽しめるのではないだろうか。
ただ、(これは序盤だけなのかどうか)かなり明からさまにダイス目を操作してる感があるので、この辺なんとかならんのかと……2D6振れるようになってからも購入可能な施設が7までしかないバトルではダイス目の最大値が7止まりとか、ちょっとなぁ……