カルドセプトは決して簡単なゲームではないし、1回のプレイに時間がかかるゲームでもあるので、どうしても挫折者が出ることは避けられない。しかし熱心なファンの一人としてはプレイヤーがどんどん増えて欲しいので、できる限り挫折を避けられるようにサポートしたい。
あくまで基礎的な話で、必ずしもこの指針に従わねばならぬようなものではない。が、基礎を知らずして応用に走って強くなれるものでもない。
挫折の原因
最初に挫折の原因を考えてみると、恐らく大きく分けて次の3つだろう。
- 全然勝てない
- 長い時間かけて戦ったのに負けて脱力
- カード集めがしんどい
1と2はブックの調整やプレイ技術の問題になる。まずはそれを解決しよう。
敗因
負けた時のパターンというのは大体
- ずっとリードされたまま終わる
- 後半に逆転される
- 育てた領地を落とされる
- 高い通行料を取られる
のいずれかだろう。
1は全体にブックの動きが悪く、とりわけ序盤に領地を得られない場合に多い。クリーチャーが少ないか召喚条件(領地コストや配置制限)のきついものが多い場合に陥りがちだ。
2-1は防御力に問題があるパターン。
2-2は回避力が弱いパターン。
ここで重要なことは「ダイス目が悪い」「引きが悪い」と運のせいにしないこと。それを改善するのがブック構築の役割であり、「運が悪いから負けた」というのはつまり「強いブックを作れなかったから負けた」のと同義だ。
だから、まずはブック構築を見直そう。
ブックの動きを改善する
ブックの動きが悪いというのは、つまり欲しい時に欲しいカードが引けていない状態だ。
カルドセプトでカードを使用するタイミングというのは
- スペル
- クリーチャー召喚
- 戦闘時のアイテム
の3回しかない。うち戦闘はいつでも発生するものではないから、通常は2回だけ。ただし特殊地形に止まったり既に同盟の領地になった場所にはクリーチャーを召喚できないから、実際にはスペルが最も使用機会が多い。
逆にアイテムは戦闘が発生した時以外は使い道がなく、特に武器系は自分から攻撃を仕掛けた時にしか意味がないから、極力少なくしておかないと手札を圧迫するか無駄に捨てることになる。
機会からすれば半数以上がスペルでも良さそうなぐらいだが、スペルは基本的に魔力を消費するばかりなのに対しクリーチャーは総魔力・周回ボーナス共に増加させるので、大体45%前後がクリーチャー、20%以内がアイテム、残りがスペルぐらいの割合で考えておくといい。
クリーチャーとアイテムの選定
クリーチャーやアイテムを選ぶ時は、基本的に攻撃より防御を重視したい。攻撃機会は自分の行動時しかないのに対し、防御機会は他プレイヤーの行動時に発生するためだ。敵の高額領地は基本的に踏まないよう動くべきで、敢えて踏むのは終盤ほかに逆転の手段がない状況ぐらい。強奪用のクリーチャー/アイテムは多くても3枚程度でいいだろう。
クリーチャーの属性は1〜2色に絞る。これは連鎖を形成するためだ。
土地のレベルを上げても、単領だと総魔力は全く上がらない。しかし連鎖すると投資額は変わらないまま土地の価値が増えるので、2連鎖でも1.5倍(+50%×2の増加)、3連鎖なら1.8倍(+80%×3)、4連鎖で2倍、5連鎖以上で2.2倍となり、総魔力がぐっと増加する。従って、ブックの属性は統一する必要がある。
召喚に制約のあるカードはなるべく少なくすること。領地コストのあるカードは序盤に引いてしまうと何もできないし、配置制限のあるカードは使用機会が限られる。
またコストはなるべく抑えたい。マップにもよるが、初期魔力+砦ボーナスを平均周回ターン数で割ると、1ターンあたりに使える魔力は平均55ぐらいになる。これをスペルと召喚でシェアするので、コストの高いクリーチャーばかり入れると周回後半で魔力不足に陥りかねない。
アイテムは、攻撃反射系・高HP系・破壊無効系を重点的に。攻撃無効化能力は雪辱の餌食になりかねないので、雪辱の発動よりも前に反射ダメージで殺してしまおう。無効化できない巻物攻撃はHPの増加で対処する。グレムリン+高ST武器や高STクリーチャー+アイテム破壊を警戒して破壊無効防具を用意する。
スペルの選定
他のゲームと違って割り込み行動のないカルドセプトでは、スペルは確実に効果を発揮する。アイテムが戦闘にのみ、クリーチャーが盤面の1箇所にのみ影響を及ぼすのに対し、スペルはものによって他プレイヤーや盤面全体に作用し得る非常に影響の大きな存在だ。
スペルにはプレイヤーを対象とするものと領地を対象とするものがあり、瞬時に効果を発揮して終わるものと継続する呪い効果を付けるものがあるが、効果内容によって分類するなら主に移動に作用するもの、カードを引くもの、魔力に作用するもの、土地属性を変えるもの、クリーチャーにダメージを与えるもの、戦闘中に作用するもの、スペルから守るものなどとなる。
このうち、戦闘中効果系は基本的に扱わない。前述の通り、戦闘機会が少ないためだ。
ここで敗因の分類を思い出そう。「ブックの動きが悪い」「防御力が足りない」「回避力が足りない」の3つだ。
ブックの動きを改善するスペル
ブックの動きというのはひとつに必要な時に必要なカードを引くことで、これはある程度までカードの割合によってカヴァーできる。しかし、枚数を多く入れた筈でも引きが偏って序盤に欲しいものが終盤まで引けないというようなことは当然起こる。
普通に1ターン1枚づつカードを引いてゆくと、ブックが1周するまでに46ラウンドかかる。しかし試合は30〜40ラウンド程度で決着することも少なくない。ということは、入れたにも関わらず引けずに終わるカードが出てしまうということだ。
ならば、追加で引けばいい。ドロースペルによって手札を補充し、不要な手札をどんどん切って今必要なものを揃える。ブックの代謝を加速すれば捨てたカードもまた出てくる。
もうひとつは適切な属性の領地を得ることだ。総魔力を増やすにも、拠点の防御力を高めるにも、領地コスト付きの強力なクリーチャーを出すにも、土地の属性は非常に重要になる。
クリーチャーのところで連鎖の意義を説明したが、効率良く連鎖を作ってゆくには土地の属性を狙って移動するか、無理やり属性を変える必要がある。リープ系スペルやホーリーワードで狙った場所に止まるか、地変スペルで属性を合わせよう。
防御を改善するスペル
防御力のうち、戦闘にかかる部分は既にアイテムとクリーチャーで調整した。次は対スペル防御力だ。
スペルはやろうと思えばクリーチャーを消したり拠点の価値を下げたり、あるいはプレイヤーを高額拠点に止まらせたりと様々に致命的な効果をもたらすことができる。逆に言えばそれらに無防備なままでは勝利もおぼつかない。
とはいえ対スペル防御手段はそれほど多くない。ひとつは「防魔」能力のついたクリーチャー、もうひとつは防御スペル。プレイヤーに対するスペルを防ぐ「バリアー」、領地がスペルの対象に選べなくなる「ランドプロテクト」などだ。
実のところプレイヤー対象スペルは、そこまで警戒しなくてもいい。即時効果を発揮するスペルでは手持ちの魔力をちょっと失ったりカードがちょっと破壊される程度で、それほど大きなダメージはない。しかし領地対象スペルは一撃で連鎖数が減ったり高額の拠点が消失するなど、総魔力を一気に数百〜数千変動させかねない。特に重要な拠点に対しては忘れずランドプロテクトをかけたい。
カードを効率良く集める
金さえかければいくらでもカードを入手できるTCGと違って、カルドセプトでは戦う以外にカードを得る方法がない。1回につき1時間ぐらい戦って十数枚程度、これでは480種ものカードを集めるにあまりに効率が悪い。
カードの量すなわちブック編集の自由度であるから、思ったように組めないのではやる気も削がれる。地道な攻略を楽しめる人は良いが、そんなところで挫折してしまうのも勿体ないので効率の良いカード収集方法を伝授しよう。
いや偉そうに言うけど私のオリジナルではない。発見者に感謝を。
やり方は割と簡単だ:
まず、「ひとりで対戦」モードを使用可能にしておくこと。ストーリーモードでアトラ(対レオ戦)をクリアするとメインメニューから選べるようになる。
次に、カザテガ(対ワールウィン戦)をクリアすることで「ひとりで対戦」マップにモーフアイランドが加わる。これを1度プレイして勝利しておく。
ここまでが準備。
その後、ひとりで対戦の設定を以下のようにしてプレイする。
- マップ
- デュナン村
- 目標額
- 1戦あたりの枚数が多い方が良ければ6000、クリアが早い方が良ければ5000
- 土地属性
- 全モーフ
- 土地レベル
- 1
- サドンデス
- ON
- メンバー
- 自分(ハンデ9に設定、水ブック)vsCOM3人同盟(ハンデなし)
ハンデ9に設定すると、最初からマップ上にランダムに3体のアプサラスLv3が出現する。Lv3なので通常攻撃無効。全モーフ(最初に配置されたクリーチャーと同じ属性の土地になる)なので水の3Lv3連領。
目標が5000なら、1体でも水クリーチャーを配置した段階で目標の半額を越えサドンデス開始。総魔力がマイナスになった時点で強制終了となる。6000でも、2体置くか1回通行料奪取すればサドンデス開始。
できればカード集め専用にブックを組んでおくのがいい。内容は防御に優れた水クリーチャー+防具+ホーリーワード多数。水の連鎖を増やすと同時に、3Lvアプサラスの1〜3歩/6歩/8歩手前にいる敵プレイヤーにホーリーワードをかけて積極的に踏ませる。
ほぼ1〜2周で目標額に達するかサドンデス成立で終了する。
ただしアプサラスは防具を使えず、巻物攻撃やダメージスペルは喰らってしまうので注意。巻物を使ってこないザゴル、ピケット、ライバーン、1枚しか持っていないセレナあたりが対戦相手に適当。
カルドセプトでは3連勝すると必ず「まだ持っていないカード」が1枚は入手できるので、ずっとこれをやっているとすぐにカードがコンプリートできるはずだ。もっとも4枚揃えるまでは先が長いが、今回は商人が余りカードを交換してくれるので、こちらも「5枚以上のカードを適当にトレードする」おまかせモードで交換し続ければいい。