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空と地震の関係性

前エントリにて、雲が地震に関係なさそうだということは示した。が、雲以外にも空の状態を地震の前兆と考える向きがあるので、その辺についても述べたい。


主な現象としては、虹、空の色、月の状態などが挙げられる。

流石に虹そのものを地震の前兆と見る人はほとんどいないが、あのようなアーチ状でない虹、例えば環天頂アークや日暈、幻日や光柱などの光学現象を前兆と捉える話は多い。いずれも空気中の水滴と光の加減で生じる現象で、地震とは何の関係もない。珍しい現象であり、なかなかに綺麗なので目にすることがあったら是非、地震など忘れて楽しまれたい。

また、 これも光学現象ながら「直線状の雲」と誤認され易い現象に「反薄明光線」がある。これは太陽が雲などに隠れた時、その隙間から漏れ出た光が空気中の細かい水滴や塵などによって光条として浮かび挙がるもので、裏後光などとも呼ばれる。

空の色

「空が不自然に赤い、地震の前兆ではないか」それは朝焼け/夕焼けというものだ。
これは大気に対する光の角度で変わるもので、つまり自分と太陽の位置関係だけが問題になるので、地震は関係ない。


日没後に、一部の雲だけが赤いといった報告も多い。これは雲ごとに高さ・位置が異なるために、もう日没の太陽に照らされなくなった暗い雲と夕焼けに照らされた赤い雲、まだ沈んでいない太陽に照らされる白い雲が混在することによる現象。
そもそも雲に色はなく、すべては光線の反射具合による着色なので、純粋に光学的な現象であって地震とは一切関係しない。

月に関する異常報告は概ね「色」と「大きさ」に分かれる。
色は、太陽の場合と同じだ。太陽が空の低い位置では赤く見えるのと同様に、月も低い位置では赤く見える。月は薄黄色っぽいものというイメージがあるので赤い月が異様に見えるが、実は赤い月は毎日見られるものであって地震の前兆ではない。


大きさは、全然変動しないわけではない──月は正確に地球から等距離を回るわけではないので、多少の距離変動があり見掛けの大きさがちょっとだけ変わる──が、ほとんどの報告はそういう微妙な違いを捉えたものではない。単に、「低いところにある月は大きく見える」という目の錯覚によるものだ。
上空にある月は周囲に比較対象がないが、低い月は地形が比較物になる。実際に大きさが変わるわけでもなければ、それが何か地震に作用しているわけでもなく、単に印象の問題である。
とりわけ、大きく見える月は低いところにあるから色も赤く濃く見え、それが一層不気味な印象を与える、というわけだ。