iPhoneアプリ「一週間ゲーム 人狼村からの脱出」レビュー

iTunes App Store でご利用いただける iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、iPad 対応 人狼村からの脱出
リアル脱出ゲームで有名なSCRAPからリリースされた初のiPhoneアプリ。実際に1週間かけて謎を解く。
ネタバレしないようにレビューしてみる。

疑似リアルタイム

このゲームの特徴は「リアル時間で7日間」であること。時間と共に増える「村人のつぶやき」を見ながら、謎を解いてゆく。
ただ、はっきり言えば試みとして成功しているとは言い難い。フラグを立てるのに「この時間まで待たないと出てこない」場合があるのだが、そのことが明示されないので、「謎を解くには何か足りない」のか「待つしかない」のかが判断できずやきもきする。

謎の難易度

示される謎はほとんどパズルである。パズルのルールは難しいものではなくほとんどは自明、そうでないものでもルールは明記されるので解き方がわからないということはない。ただし単にパズルを解いただけでは終わらず、出た答えを解釈しもう一工夫する必要があるように造られている点は好ましい。ちょっと感度が弱いというか「正しく操作しても判定されないことがある」のが微妙なところだが。
問題は難易度に極端な差があるということ。4日目までは迷う人もいないだろうと思われるが5日目あたりから「気付くまでに時間がかかる」ようなものになり、最終日に至っては途方に暮れるような代物に。どうやらSCRAPの脱出ゲームは伝統的に「最後が難しい」らしいが、それらに慣れた人でもなければなかなかキツそうだ。
ある日の謎が解けずに終わってしまった場合、その日がもう一度繰り返される。そのため「謎が解けない」ことはない……というか「解けるまで進めない」わけだが。

総評

リアルタイム制はやめた方がいいように思う。時間を待つしかないのか、どこかで立てるべきフラグが足りていないのかがわからない。24時間の時間制限を付けてもいいが、あるフラグが立ったら次の状況まで一気に情報が開示され、また解いた時点で日を進められるようにして欲しいところだ。
謎の手応えは序盤からもうちょっと高くしていって良いのではないだろうか。数日の間ずっと「このまま簡単なパズルを解くだけで終わってしまったらどうしよう」という疑念が払拭できなかった。
正味の話、パズル7問に500円は高い。iPhoneアプリの金額としても高いし、遊戯の密度としても高い。面白くないというわけではないのだが、見当った価値ではないように思う。