The Eye of Judgment

PS3のローンチタイトルであったARカードゲーム「The Eye of Judgment」のブースターパックが近所で投げ売りされていたので、ソフトウェア本体も入手してみた。

PSP版が発表されているが、これはPS3版である。EyeToy(USBカメラ)でカードを画像認識させるカードゲームで、「画面に映ったカードの上に実際ユニットが召喚される」のは見ていて結構インパクトがある。


ゲーム内容をざっくり説明するならば「3*3のエリアのうち過半数支配を狙う陣取りゲーム」である。
毎ターン2マナが供給され、これを使ってカードを場に出したり、既に出ているカードを再行動させたり。
ゲーム要素としてちょっと目新しいのは、

  1. カードに向きがある
    • 攻撃範囲や「背後を取る」ことによるダメージ増加などに関係する
  2. 移動がない
    • 一度配置されたら破壊されるまではずっとその場に残る
  3. 召喚でターン終了
    • 召喚時、攻撃範囲内に敵がいたら自動で戦闘発生、そのまま終了する
    • 召喚済みユニットで攻撃したい場合、召喚より先に再行動処理しておく必要がある
  4. エリア属性に表裏がある
    • エリア属性とユニット属性が合っていればHP+2、反属性だと-2
    • 呪文などで裏表反転あるいはエリアが入れ替わることがあり、HPが変動する
  5. 召喚制限付きのユニットがある
    • 召喚コストに鎖の巻き付いたカードは場に4体以上のユニットが出ていないと召喚できない

といった辺りか。


勝利条件は「9マスのうち5マスを支配すること」。5マス目に召喚して自分のターンを終えた時点で勝利となる。ちょっと考えれば解ると思うが、これ先攻がかなり有利。


毎ターン2マナしか増えないので、基本的には2マナ未満で戦わざるを得ない。1〜2マナ域のカードだと能力はHP1〜3/AT1といったところ。この時点で既に防衛有利気味だが、更に土地属性と合っていればHPが+2されるわけで、実質的にはAT1に対しHP3〜5ということになる。
既に配置されたカードの向き変更や攻撃にもマナが必要なため、序盤は「安いユニットをどんどん配置する」感じになり、1ターンの攻撃数は1回に留まるだろう。すると4ターンぐらいかけてようやく1ユニット撃破する程度となり、既に盤面は3vs3ぐらいの様相となる。
敢えて出し控えて4〜6マナ域の高火力カードで一撃殲滅を狙う手はある。HPも高いので領地保持にも効力を発揮するだろう。しかし移動できない仕様上、火力を活かして連撃を狙うのは難しい。向きを変えて攻撃するにも再行動コスト2回分がかかってしまう。


序盤戦は、相手の置いたカードを射程に収め、可能ならば反撃を受けない方向からのアタックが繰り返されることになるだろう。この段階で役立つのは攻撃/反撃方向の広い「灼熱の顎(火)」や「石羽のドワーフ(土)」など、あるいはHPの高い「大斧のドワーフ(土)」や「二匹のゴブリン(森)」あたりか。
後半では絶大な攻撃力により一撃で敵を死に至らしめる「三咆の巨獅子」や、属性を変更してHPを-2/ー4できる「ゴーリの地割れ」が頼もしい。


乱数要素がほとんどなく、数手先を読んだ理詰めのプレイングを要求される、なかなかに難易度の高いカードゲームであった。
難しいが面白い。ARゲームということもありPS3発表時にはかなり注目されたタイトルであったと思うが、なにしろ初期の本体価格63,000円では手の出しようもないわけで、あの時期にリリースしてしまったのが最大の失敗だったのではないかと思えてならない。逆に言えばその状況下で第三弾までリリースできたと考えれば、むしろ成功の部類だったのだろうか。