美しい鉱物写真集

鉱物趣味はなかなかに茨の道である。「鉱物の標本」を集めて楽しむ場合は産出の稀な標本類の入手が、単に「綺麗な石を集める」場合は宝石級の価格が。そしてどちらにしても、保管の問題が。
しかし単に「綺麗な石を見たい」だけなら、写真で済ませるという手がなくもない。美しい鉱物写真で知られる書籍をいくつか紹介する。


楽しい鉱物図鑑

楽しい鉱物図鑑

楽しい鉱物図鑑〈2〉

楽しい鉱物図鑑〈2〉

どちらも鉱物科学研究所の堀秀道氏による図鑑。あくまで図鑑であるので代表的な鉱物の典型的な、しかし可能な限り美しい標本例を写真で見せてくれる。
鉱石倶楽部 (MOE BOOKS)

鉱石倶楽部 (MOE BOOKS)

鉱石倶楽部 (文春文庫)

鉱石倶楽部 (文春文庫)

鉱物にまつわる短文と、架空の鉱物解説、それに美麗な鉱物写真と実際の鉱物解説から成る小品集。雰囲気に浸るには最良。
宮沢賢治 宝石の図誌

宮沢賢治 宝石の図誌

鉱物にも造詣の深かった宮沢賢治の文に登場する鉱物類を写真付きで解説する。あくまで作品にまつわるものに限られるし、鉱物の図鑑ではないので特徴が良く解るような写真ではないが、なかなかに美麗ではある。
夜想 (33)

夜想 (33)

この号の特集は「鉱物」、鉱物コレクター大谷芳久氏のコレクション写真や鉱物をモティーフにした建石修志氏の画などが詰まった中身の濃い一冊。Amazonには表紙がないのでhttp://homepage1.nifty.com/biblio/tw/Tw0007.htmから表紙画像及び中身の一部を御覧頂きたい。
Lazur―透きとおる石

Lazur―透きとおる石

前述の「夜想」掲載の写真を含めた写真集。鉱物の「表情」に主眼を置いた、タイトル通り透明感の強い写真集。
ぼくらの鉱石ラジオ

ぼくらの鉱石ラジオ

あくまで鉱石ラジオについての本であるが、単なる検波装置としての金属鉱物に留まらず、半ば「美しい装置」としての鉱物の存在感を意識した作品集でもある。


紹介したのは、鉱物関係の写真集としてはごく一部に過ぎない。鉱物図鑑の類や宝石の写真集、パワーストーンなどまで範囲を拡げればまだいくらもあろうが、個人的に写真の美しさに惹かれた作品のみに絞って紹介した。