ポケモンカードゲームの限界点

暫く中断を挟みつつも一通り遊んで、なんとなく限界点が見えてきた。


ポケモンは子供向けを前提とした商品なので、ルールも過度に複雑にならぬよう配慮されている。その結果として、コンボの概念がほとんどない。
カード1枚に複数の能力が与えられる一方、場に出るカードは常に1枚であり他のTCGのような複数カードによる複合効果を生じる余地が極めて少なく、戦況の見通しが立て易い。時には1体目のポケモンが気絶した段階で勝敗が決してしまうほどに。


能力についてもシナジーを生じ得るような効果は少なく、BW基本セットの範囲では任意にダメージカウンターを移動可能なランクルスの特性やベンチポケモンの数で効力の変わるチラチーノ、エネルギーの総計で効力の変わるメブキジカぐらいのものだろうか。いきおい、デッキ構築は「強いポケモンをたくさん入れる」のような形にならざるを得ない。
たとえば次女のデッキはたねポケモンにしてHP130かつ一撃のダメージが120という強力に過ぎるゼクロムを2枚入れてあるため、たとえ他のポケモンを1〜2枚気絶させられたとしてもゼクロム1枚でこちらのポケモン3体を喰うに充分なほどの火力を発揮し、対応が極めて困難である。また長女はレシラム2枚の他に高いHPと相手の能力を完全に封じることの可能なツンベアーを積んであるため、これらが出揃う前に勝負を決められなければ勝ちはない。
一言で表せば、些かバランスの悪いゲームになっているとは思う。はじめてセットのカードでも2進化まで至ればHP130〜150、一撃60〜150と匹敵する能力を発揮するものの、たねポケモンから高い能力を持つのと2進化とでは随分違ってくる。 たねポケモンの方はエネルギー2枚を必要とするものであっても合計3枚、しかもエネルギーはある程度使い回しが利くので1/3ほど入っており引き易いが、進化形は特定ポケモン専用である上に最大1/15しかないわけで、その有利さたるや格段の違いだ。


というわけで現時点でこれらビートダウンに抗し得る最良のデッキは今のところ「ベンチポケモンにもダメージを与える」バオッキー+ゼブライカ、及び「ダメージ付きポケモン狙い討ち」バルジーナ、「強いポケモンと弱いポケモン入れ替え」レパルダスなど癖の強い1進化ポケモンを駆使した3色デッキである。ただし巧く進化形が引けなかったりエネルギー色が合わなかったりして、決して勝率は高くないが。
個人的には長女用に組んだもののお蔵入中なランクルスデッキが結構お気に入り。これはランクルスの「ポケモンチェック中にダメージカウンターを自由に付け替え可能」な特性を利用し、バトルポケモンのダメージをベンチに逃がして気絶までの時間を長く取る戦術。加えてジャローダの特性ロイヤルヒールで全体に散らせたダメージを一気に回復、またアタッカーにはHPが高い上にダメージが乗るほど強いバスラオゼクロム・レシラムを採用。「相手の技で気絶しないギリギリ」のラインに調整し続けることで高火力を維持する戦術である。ただこちらも複数の2進化を前提とするなどコンボ発揮までの障害が多いのが難点。