カルドセプトのスゝメ

今更な話ではあるが、カルドセプトの魅力について語ってみよう。

カルドセプトDS

カルドセプトDS

どんなゲームか

カルドセプトは一言で表せば「モノポリー+トレーディングカードゲーム」である。どちらかを知っていれば理解が早いが、知らない人も念頭に置いて説明する。


モノポリーは古いボードゲームで、双六の要領で輪になったボードをぐるぐる回りながら、止まった土地を購入し、また開発により発展させてゆく。自分の土地に他人が止まった場合、開発度に応じた通行料収入を得る。破産した人から抜けていって、最後まで残ったら勝ち。
このゲームの問題点は主に2つ。

  1. 途中で抜けた人は暇
  2. 一度差が付いたらどんどん差が開く

最後の一人になるまで続くので結構時間がかかり、中盤で負けるとやることがなくなってしまう。また多くの土地を集めある程度まで開発した人が出てくると、一方的に通行料を吸い上げ、それを使って更に土地を発展させる循環が生じるので一人がどんどん強くなる。事実上、中盤までやったら後はもう消化試合だ。
この問題点を解消するために、カルドセプトでは戦闘の概念を導入した。敵の土地に止まっても、戦って買てば通行料を払わずに済むばかりかその土地が自分のものになる。巧く行けば安い元手で投資済みの高い土地を手に入れられる。つまり破産から再スタートでも買てば資産が増えるし、高い土地が獲れれば資産が大きく変動するので終盤でも順位が入れ替わり得る。


トレーディングカードゲームとは多数のカードをランダムに得て、自分の所有するコレクションから任意に選んだカードで自分だけの山札を用意して対戦するゲーム。共通の山札を使う一般のカードゲームと比べ、独自の戦術を予め構成しておけるため運の要素が少なく、また見える範囲から相手の手の内を予測し易い。ただ勝つためには多数のコレクションを得る必要があり、そのために金がかかる欠点がある。
これに対する解決策は極めて単純で、「カードの電子化により必要資金を安く済ませる」のが良い。
カルドセプトでは、カードはプレイ成績に応じた報酬として得るようになっている。ま、それはそれで総プレイ時間がかかる問題点はあるのだけれど、少なくともお金で解決される心配はなく、同時期に始めた人はほぼ互角の戦力を得られる。

どうやって勝つか

基本はモノポリーなので、「土地を沢山得る」「同じ色の土地を多く集める」「土地に投資して価値を高める」のは同じ。
具体的には、土地ごとに値段が決まっているのではなく土地の上に召喚するクリーチャーカードによって値段が決まっている。逆に言えば、土地の価値よりも安いカードで占領すれば総資産がプラスになるということ。
また投資額=土地の基本価値なので投資だけでは資産が増えないが、同じ色の土地を集めると2箇所で価値1.5倍、4箇所で2倍と価値が増加する。つまり、それだけ投資の価値がぐんと上がる。
しかし折角投資した土地を獲られてしまっては元も子もない。そのため、投資に対する見返りとして土地の投資レベル(初期1〜最高5)に応じてクリーチャーのHPが+10〜50増加するようになっている。つまり高い土地ほど獲られ難くなるわけだ。
また、クリーチャーカードの能力だけで戦闘を処理すると当然ながら戦う前から結果が見えてしまう。そこで戦闘には互いに1枚のアイテムカードを追加して、能力の変更や様々な効果を得るようになっている。例えばHP30+地形効果20=合計50の土地に攻め込む時に、手勢が攻撃力30では倒しようがないので+20の武器を持たせる、といった具合。単純な数値の増加だけではなく、特定の相手に対する即死効果や敵のアイテム破壊、地形効果の無効化など様々な効果があり、戦術幅は広い。
更に、自分の番にサイコロを振る前のタイミングで魔法カードを使うことができる。これはサイコロの目を変えたり現金を得たり、あるいは指定した土地の色を変えたりクリーチャーに直接ダメージを与えたりと、様々に強力な効果を持つ。
最終的には、誰かの総資産が目標額を上回った状態でスタート位置まで戻る、あるいは制限時間が過ぎた時点で最も資産の多い人が勝ちとなる。

何が面白いか

ゲーム構成がモノポリー+TCGなので、両者の面白さを併せ持つ。つまり得たカードを使って新たな戦術を考案する、豊富なカードによる戦術幅、かけひきの面白さといった「戦闘の楽しさ」と、資産マネジメントにより現金・総資産の両方で相手より優位に立つ「プレイングの楽しさ」。
簡単なストーリーモードや対AI戦もあるが、このゲームの醍醐味はやはり対人戦にある。Wi-Fi通信環境さえ整っていればインターネットを通じて全国と対戦可能なのでメンバー集めは難しくない。

難しくないか

たしかに、簡単ではない。上でも説明したように、このゲームは「個別の戦闘に於ける強さ」と「資産運用の強さ」が別の軸として存在し、一方で「巧くやりくりして素早く稼ぐ」「拠点をがっちり守って通行料を稼ぐ」「他人の土地を横取りして少ない投資で大きく稼ぐ」といった異なるスタイルが存在するため、考えるべきことが多い。また多種多様なカードの効果を覚えていかないと敵の戦術が読めない。従って敷居は決して低くはない。
でも逆に言えば、複数の戦術があるということはどの道を採っても勝てるということ。他人の戦術との相性はあるけど優劣はない。カード資産も、覚えていることの多さ/持っているものの多さが強さにはなるけど、一定以上の資産を得てしまえば後は大差なくなる。辛いのは序盤だけだし、その序盤はストーリーモードとAI対戦で苦もなく乗り切れる。
ルールは多少複雑かも知れないけど、RPGなんかと比べて極端に複雑というほどでもない。ウチでは6歳児が楽しく遊んでいるから、その程度には簡単。

もっと詳しく

このブログをカルドセプトで検索などすると過去に色々書いているので、参考にどうぞ。