融けた鉄に磁石を近づけるとどうなるのですか?気になって仕事に集中できません、助けて。

野尻ボードで話題になっている人力検索はてなのレベルでは結局結論が出ずに終了してしまった感があるのが残念。
ごく基本的には最初の回答である通り、鉄は融点が1540℃、強磁性を失うキュリー点が770℃程度であり、条件から1540℃以上の温度を持っているのは明らかであるので「つかない」のだが、これだけでは只の知識で終わってしまうので、原理まで紹介しておく。
とは言え私の拙い知識では的確な説明など覚束ないが、融けた鉄に磁石を近づけるとどうなるのですか?気になって仕事に集中できません、助けて。 - 質問に真剣かつ適当に答える日記に大変解り易い解説があるので引用すると、

通常鉄は原子の向きがバラバラに配列しているので磁石になっていませんが、磁石を近づけるとその原子の向きが揃う為(磁化する)自らが磁石となり(自発磁化し)磁石にくっつくのです。このような性質を強磁性と言います。

恐らく質問者の意図する「磁石につく」状態とは強磁性を指しており、その意味ではこれだけで回答終了としても良いのだが、そこから常磁性化の原理にまで踏み込む。

鉄はキュリー点である770℃以上になると熱振動でスピンの向きが保てなくなり、自発的に磁化することが出来なくなります。つまり常磁性体になります。

熱震動の影響で強磁性が消失し常磁性に。しかし常磁性もまた(弱いながら)磁力に影響される性質ではあるのだが、

常磁性体はスピンがバラバラに配列していて、自発的にスピンを配列することが出来ないので磁石になる事はできませんが、磁石を近づけると弱く磁化するので非常に弱い力で磁石に引き寄せられます。(中略)液体であってもスピンが揃うため磁石に引き寄せられるのです。

常磁性体が磁石につく原理を説明した上で、

液体の鉄は1540℃と非常に高温なので、磁石を近づけて一部分が磁化したとしても熱振動の影響が遥かに大きいために磁石にはつかないと考えられます。熱振動の影響が非常に大きいため鉄原子数個分だけ盛り上がるという事もないでしょう。

熱震動の影響がそれを打ち消すためつかないだろう、という結論。


と、今回の質問については要点をほぼ抜き出してしまったが、この方他にも凄い勢いでタイトル通り「質問に適当に答え」ており、これがまた大変面白い。ご一読あれ。