著作権と再生条件

http://d.hatena.ne.jp/higepon/20050621/1119367687#cにてGreasemonkeyによる表示改変と著作権のことが話題に上っている。これはなかなか難しい問題ではある。


著作者人格権の中には同一性保持の権利、即ち著作物が勝手に変更を受けないようにする権利が認められているが、それは複製物を入手した個人が非公開の状態で行う改変-----例えば録画した番組を早送りしたり、雑誌から不要なページを除外したり-----にまで及ぶものではない。その点で、個人がページの表示に加工を加える事自体は何ら問題がない。
問題なのは多分、Gerasemonkey及びそのスクリプト配布に関わる部分だ。
ゲームデータに改変を加え制作者の意図しないゲーム進行が可能になるような装置の販売が同一性保持を理由に差し止められるように、装置としてHTMLへの変更を可能にするこれら機能の配布が法的に問題なしとは言い切れない。


ただ、元々HTMLの表示に関しては技術的に同一性が保証されないと言って良い。画面の解像度や色温度、文字サイズ、ユーザースタイルシートの利用などで見栄えは如何様にも変化する。今更それを改変するスクリプトが出現したとて何の問題があろうか。