内から外へ

昨日から音ログを使い始めたが、これは結構楽しい。なんのことはない、iTunes
再生した曲の情報がアップロードされるだけなのだが、しかしこれは確実に生活の一部を/嗜好を記録している。


一時期、iPod/iTunesで聴いた曲をリストアップしたことがあったが、あれはβテスト段階でキーワードを増やす目的もあってのことで、結構な手間ということもあってそのうちやらなくなってしまった。
私はアルバム単位でシャッフルしているからまださほどの手間も無いが、曲単位のシャッフルでは羅列する曲数も尋常ではなく、かなりの労力だろう。
それが自動的に行われるというのも重要なのだが、もう一つ、他人の音楽が見えるというのもポイント。嗜好が重なっている人を見つければ、そこから交流が生まれたり、新たなアーティストを発見したりできることだろう。
手持ちのCDをライブラリ化するところまではパーソナルな世界だが、その情報が公開されることでグローバルな広がりを持ち得る。


残念ながら、書籍の世界はそうした広がりを持つことが難しい。


先日紹介した蔵書管理ソフトをダウンロードしてみたが、結局使わずにいるのはメニューが英語だからというばかりではない。
はっきり言ってデータ登録が面倒なのだ。
蔵書を管理しようと考えるような人間の蔵書量はそれなりに膨大なはずだ。高々100冊かそこらであれば、いちいち管理する必要も無い(データとして整理しておくのが好き、という人はいるだろうが)。とすれば、問題はその多量の書籍をどうやってデータとして取り込むかに係っている。


iTunesは音楽の蔵書管理ソフトだと言えるが、これはCDを次々に放り込むだけで自動的に音楽データを取り込み、またその曲に関する様々なデータを取り込む。流石にCDそのものは手動でセットせねばならないから、これが手軽な作業と言う気はないが、それでも得られるメリットの大きさと比較すれば手間は少ない。


本の場合はそうもいかない。無論ISBNコードだけで著者名、出版社、表紙をはじめ様々なデータが取り込めるメリットは大きいのだが、如何せん本はデジタルではないから、そこで構築できるデータベースには肝心の本の内容までは取り込まれない。
そうすると、蔵書管理ソフトでできることは単純にデータの整理に留まり、その活用や記録には行き着かない。
例えば蔵書データを公開することで嗜好の一端を垣間見ることは可能だが、今現在読んでいるものが反映されるわけではないし、また図書館などで借りて済ませた場合も反映されないことになる。
無論、それらをリアルタイムに記録することが不可能なわけではないのだが、それにはどうしても「一手間かける」感が否めない。iTunesが「CDを再生するためにPCにセット→自動的にデータ取り込み」という一連の動作で自然にデータを取得できるのに対し、本は読書という本来目的とする動作とデータ取り込みとに関連性がないからだろう。


ところで、Amazonを暫く使っていると「既に持っている」リストがそれなりに蓄積されてくると思うが、これを何とかして引っ張ってくることはできないのだろうか。
そうすれば、(とても完全とは言えないものの)入力の手間を一部省くことができるような気がするのだが。


Amazonに視聴機能が付いたとは知らなかった。会社からではちょっと聴けないが、これで音ログがもう一段楽しくなりそうだ。