まほり

意味の掴めぬタイトル。黒バックに禍々しく紅い円が乱舞する装画。いかにもホラーめいた佇まいだが、本書はホラーというわけではない。では何なのか、というと……まほり 上 (角川文庫)作者:高田 大介KADOKAWAAmazonまほり 下 (角川文庫)作者:高田 大介KADOKAW…

芦ケ久保の氷柱

埼玉県秩父地方には、山中に氷柱の並ぶ奇景がある。 三大氷柱と呼ばれるもののうち、天然のものは二瀬ダム下流荒川沿いの崖に連なる「三十槌の氷柱」のみ。 残る2箇所は水を撒いて凍らせた人工のものだそうだが、規模として最大のものは尾ノ内氷柱で、こちら…

超音速・垂直離着陸戦闘機 F-104V/J

F-104Vは、実用戦闘機として初のマッハ2を達成した超音速戦闘機F-104を素体として開発された、超音速VTOL戦闘機である。当時は東西冷戦下であり、東側と国境を接する国々では常に臨戦状態の緊張が続いていたため、兵器の開発は青天井の予算を投じて非常に早…

なるべく手軽に菓子を焼く

甘いものを食べると心が穏やかになる。色々と買い置くのも良いが、一手間かけて自作するのも良い。 ただ、あまりに手間がかかったり難易度の高いレシピだと、一度挑戦してみるのは良いとしても繰り返し作る気にはなれない。 なるべく手間を省いて雑に作れる…

シートマッサージャーを試す

ふらりと立ち寄った家電量販店で気紛れに試したマッサージャーがとても良かった。しっかりと「揉みほぐす」動きで筋肉の凝りをいい感じに刺激してくれる。その割に値段も高くない。 どうやらこれは「シートマッサージャー」というカテゴリで、椅子と一体化し…

F0.95のレンズ一覧

明るいレンズが欲しい。写真の良さはレンズ性能で決まるわけではないが、レンズ性能は可能性を広げ、撮影を楽にしてくれる(はずだ)。 明るいということはシャッタースピードを稼げるということでもあり、あるいはボケが強くなるということでもある。ボケれば…

性欲と支配欲:男性の「男性性」理解のために

昨今、女性キャラを用いた広報がフェミニズムからの批判によって「炎上」する事例が増加している。個別の是非は措くとして、批判に対し反論が行なわれる中で、しばしば「ミラーリング」が発生する。 ミラーリングとは、批判者と批判対象の立場を入れ替えるこ…

「本好きの下剋上」初見勢のためのちょっとした解説

小説投稿サイト「小説家になろう」での連載当時から繰り返し読み耽り、刊行された書籍をはじめとする資料集を集め、二次創作に手を出すぐらいにのめり込んできた「本好きの下剋上」がアニメ化された。 元はそこまで知名度の高い作品というわけではなく、「知…

マイクロフォーサーズの標準ズームを考える

旅行に行くときはなるべく身軽でありたい。カメラは外せないがレンズは最小限、しかし景色を撮るための広角、食べ物を撮るための近接、それに多少の望遠は欲しい。 単焦点だと一本あたりは小型軽量でも3本ぐらいを使い分ける羽目になり、また付け替えの手間…

金沢旅行:2〜3日目

2日目:朝食 2日目の朝はまず朝食から始まる。 昨日の古建築探訪エリアからやや駅側へ遡った一体、「百万石通り」周辺は大正時代以前の木造商店建築が多く残る場所である。前日に目を付けておいた、台湾料理 四知堂 kanazawaも天保年間創業の漆商「森忠商店…

金沢旅行:1日目

会社の勤続表彰で休暇と旅行券を貰ったので、一度行ってみたかった金沢に出掛けた。 結論から言えば、金沢は凄い場所だった。あまりに凄すぎて写真の枚数がとんでもないことになったので分けて掲載してゆく。 計画 新幹線の方が時間の融通利いて便利な気もし…

清水公園

千葉県の北西部、「醤油の町」として知られる野田市に、120年続く公園がある。 www.shimizu-kouen.com 東武野田線アーバンパークラインで大宮駅からは14駅50分、柏駅からは9駅26分。「清水公園」駅より徒歩10分の距離。 一般的には巨大なフィールドアスレチ…

クラシックスタイルなミラーレスまとめ2021

以前「クラシックスタイルなデジカメ」についての記事を書いたのは2014年末のこと、それから7年近く経っているのでだいぶ状況が変わり、入手可能な機種も変化したので改めて書き直してみようと思う。 「クラシックスタイル」とは 「クラシックスタイルのカメ…

推理ボードゲーム「ディテクティヴ」シーズン1

アークライトから日本語版が発売された協力型推理ボードゲーム「ディテクティヴ」シーズン1を遊んでみた。アークライト ディテクティヴ:シーズン1 完全日本語版 (1-5人用 90-120分 12才以上向け) ボードゲームアークライト(Arclight)Amazon結論から言えば、…

南部十四年式NERF

発端 そろそろ7月2日の「ナーフの日」が近付いてきたので今年も新しく何か作りたいなと考え始めた頃、ちょうど魅力的な拳銃を目にした。近代化南部 pic.twitter.com/WKZsxEpoEY— ジョニー尻山 (@JohnnySiriyama) 2021年6月19日 戦前日本の軍用ピストル「南部…

はじめてMagic:The Gatheringに触れる人のための、MTGアリーナ初期攻略手順

MTGアリーナがiOS/Androidに対応したことで、新たなプレイヤーが参入している。 オンラインでの対戦がモバイル環境で可能になったことで、いつでもどこでも対戦相手を見付けて遊べる。経験者にとっては素晴らしい環境だ。 その反面、MTG自体に馴染みのない人…

大砲とスタンプ:共和国軍 主力戦車

前回の擲弾戦闘車 マズルカを仕上げたところで3月も残り数日。架空戦車コンペの締切は3月一杯だったので流石にもう時間がないのだが、公国と帝国を作ったならば共和国も作りたくなるというもの。 実は「大砲とスタンプ」は戦争の話ではあるが戦闘がメインで…

大砲とスタンプ:帝国軍 敵弾戦闘車「マズルカ」

架空戦車コンペ第4弾、前回の「肉挽き機」が良い感じに作れたので、今度も「大砲とスタンプ」5巻に登場する小型車両を作ってみる。 ドイツ軍っぽさのある帝国軍の軽装甲車「マズルカ」は20mm機関砲と擲弾砲を備えた3輪ハーフトラックである。史実的に言えば…

大砲とスタンプ:公国軍 近接支援車「肉挽き機」

架空戦車コンペ用に架空の戦闘車両を作るのが結構楽しかったので、次のネタを考える。 流石にヤンセン脚歩行戦車やターレー・テクニカルのようなネタ方向は限界があるので、もっと実在しそうな奴を作ってみよう。 今回はネタ本として「大砲とスタンプ」から…

「テクニカル」を作る

テクニカルというのは、「市販車の荷台に武装を搭載して戦闘車両に仕立てた」改造車のことだ。 元は内戦地域で活動する非政府組織が、護衛の入国を拒否されたため「技術支援助成金」の名目で民兵を雇ったことから転じて、民生車両を武装化したもの全般の呼び…

アニメ「裏世界ピクニック」の改変意図と影響を探る

ホラーSF百合小説「裏世界ピクニック」がアニメ化された。裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)作者:宮澤 伊織発売日: 2017/02/28メディア: Kindle版www.othersidepicnic.com アニメとは「公式の二次創作」のようなものだ。小説とは…

「クラロワ系」のスゝメ

スマホ向けのオンライン対戦ゲームで、俗に「クラロワ系」と呼ばれるジャンルがある*1。代表作「クラッシュ・ロワイヤル」に由来するカテゴリで、少数のカードで組まれたデッキを使い、時間回復するリソースを消費することでカードを出して戦わせ、敵陣のタ…

GoToの経済効果と救命効果を推定する

防疫の基本はまず「感染源との接触を断つ」ことだ。とりわけ、CoViD-19のようにワクチンなどの医学的予防手段がない感染症の場合、「人同士の接触を抑制する」以外に抜本的な対策手段がない。 しかし、人の接触は日常的な生活、とりわけ経済のほぼ全てにかか…

1/35 四式甲脚砲乙型「呑竜」

オランダで発明された連動式多脚歩行機構を取り入れた「楊ヤンセン式」駆動装置を採用した大型甲脚砲。 楊式は他の脚歩行メカニズムと異なり、歩行時の動揺が少ないため射撃プラットフォームに適しているが、その反面で機構上どうしても高さおよび幅が大きく…

家事の自動化について

人は仕事のために生くるに非ず。仕事は可能な限り省力化したい……と人類は昔から考え、実現させてきた。 もちろん家事についても例外ではなく、あの手この手で省力化が図られてきた。日々繰り返される仕事であるからこそ、その自動化はQoLに直結する問題と言…

江の島キャンドルナイト

江の島に行くのは3回目。初回は新江の島水族館目当てで島へは渡らず、2度目は船で島の裏側から上がってきたが、今回は橋を渡って正面から登る。橋の右側に見えてくる円筒形の建物は温泉施設。 橋を渡ると、200年前のものだという青銅葺きの鳥居が見えてくる…

葛西臨海水族園と水上バス

建物老朽化のため移転するという葛西臨海水族園へ行ってきた。長いこと行動圏内に住んでいながら、訪れるのは初めてだ。 www.tokyo-zoo.net新型コロナ禍のご時世、入園前に予約が必要だという。毎週土曜日を境に、翌週分を予約可能な仕組みになっている。 葛…

ゲーミングPCを買う

諸事情からゲーミングPCを購入することになった。家庭環境上の制約からデスクトップではなくノートを前提に、機種を選定する。長くPCを使う仕事をしてきたこともあり、PCの基本的な構成については一応の理解があるものの、30年来のMacユーザであるためPC/AT…

六義園、東洋文庫、旧古河庭園

『山手線で降りたことがない駅』トップだという駒込に行ってきた。散々な言われようだが、実はこのあたり結構な観光地で、駅のすぐそばに六義園、その向かいには東洋文庫ミュージアム、駅の反対側にしばらく行くと旧古河庭園と、意外に見どころが多い。 六義…

電化以前の回転寿司

「電気がまだなかった頃は、回転寿司はどうやって回していたのか」という疑義が示されたので、近代以前の回転寿司についてまとめておこうと思う。「電気がまだなかった頃は、回転寿司はどうやって回してたの?」と真顔で聞いてくる高校生どう思います?ええ…