書物

最高のファンタジー漫画、紫堂恭子「辺境警備」と「グラン・ローヴァ物語」

ファンタジーがファンタジーであるために、必要なのは異世界ではなく、「幻想」だ。 魔法と呼ばれていても、定型の呪文を唱えれば定型の効果が発揮されるようなものは、単なる「技術」であって、幻想がない。 魔獣と呼ばれていても、生態が知られており人の…

図書館の騎士団:打ち捨てられた武と知の物語

スウェントヴァイトという都市がこの世界に存在したことはない。つまりこれは架空の世界だ。だが所謂「竜と魔法の存在する」ファンタジーではなく、実在しないというだけでその様相は全くの中世欧州のそれである。 スウェントヴァイトは知の砦だ。古今東西あ…

Kindleの整備

iPadをAir2からPro9.7に買い替えた。初めてiPadを導入したminiの時は、即日購入できるモデルということで32GBを選択したところ容量が全然足りなかったので、Air2では最大の128GBを買ったにも関わらずKindle端末として本格利用を開始したら容量の大半を喰い潰…

本好きの、本好きによる、本好きのための「本好きの下剋上」

「本好きの下剋上」を、公開分まで読み切った。あまりに面白かったので書籍版もKindleで揃えて、また最初から読み直している。一作品をじっくり読むより次々に濫読する方を好む私としては小説をこのように読了後すぐに読み返すことはほとんどないので、気に…

異世界ひとりDASH村(ただし本限定)「本好きの下剋上」

「小説家になろう」で大勢を占める異世界転生チートものの中で、ちょっと異彩を放つ作品である。 ncode.syosetu.com 特徴的なのは「中世ヨーロッパ風世界であること」「(中身が)現代日本人という設定が描写に生きていること」「チートというより苦労話である…

ノベルゼロの初回刊行分をサンプリング

KADOKAWAが新レーベルを創刊した。ノベルゼロ、主に30代の男性をターゲットとした「大人向けライトノベル」的位置付けである。 novel-zero.com 装丁は無地で、上1/3には黒文字だけ、下2/3を絵入りの大帯で覆うという「ライトノベルっぽさとライトノベルっぽ…

ブレイクエイジの話をしよう

20年前に描かれた、「ロボット対戦ゲーム」漫画の傑作が、Kindle化された。漫画全10巻+外伝、それに小説がリリースされている。 (理由は不明だが9巻のみリンクできない。はてな側の問題と思われる) どんな漫画? 一言で表せば「Boy meets Girlでモラトリアム…

多分唯一の"ピンボール漫画"「FLIP-FLAP」

とよ田みのるのピンボール漫画「FLIP-FLAP」がKindleで出版された。作者自身の手によるKDPである。FLIP-FLAP作者: とよ田みのる発売日: 2015/03/16メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る単行本には未収録な販促絵なども追加収録、通常電書では切り捨…

打ち切りと自己出版とロック付き電書アプリ

DeNAのWebコミック配信サイト「マンガボックス」にて連載中だった漫画「境界のないセカイ」が、講談社による単行本販売が行なわれないことになり、収益が見込めないため打ち切られたという。「境界のないセカイ」マンガボックス連載終了のお知らせ打ち切りの…

「ダンジョン飯」1巻発売を記念して

ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)作者: 九井諒子出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/01/15メディア: コミックこの商品を含むブログ (13件) を見る九井諒子初の長編連載が単行本になった。作者の持ち味である「フィクションではオー…

Kindleアプリへの機能改善要求

以前電書アプリに望む機能 - 妄想科學倶楽部などでもある程度電子書籍への機能要求について書いたのだが、普段使っているのがAmazonのKindleアプリ(iOS版)なので、今回は(主に上記記事で触れなかった部分について)機能への不満点と改善案を書いてみる。 「ラ…

電書アプリに望む機能

それなりに本読みの人ならば誰しも「本の置き場」に悩んだことがあるだろう。物理的な場所を取らない電書は明らかに収納問題の救世主だ。 しかし現状、電子書籍には足りないものが多過ぎる。場所という絶大な利便性があるからこそ他のことには目を瞑っている…

丁度良いkindle具合

去年末にiPad miniを買ってから、なるべく本はkindleで買うことにしている。普段から携行できるし、場所を取らないからだ。別にkindle以外の電書サーヴィスでもいいのだが、分散させると管理が厄介になるので一番将来性が安定しそうなkindleで統一することに…

電書雑誌に必要なもの

kindleで月刊スピリッツが無料だったのでダウンロードしてみた。 個々の作品への言及はさておき、「雑誌としての機能」が気になったのでちょっと書く。普段、雑誌を読むに際し(少なくとも私は)全部通読することはない。ざっとめくって絵柄で作者を見分け、好…

リアルゲームブック:本屋迷宮からの脱出

神保町の書泉グランデで開催中のリアルゲームブック「本屋迷宮からの脱出」に参加してきた。 フリーペーパー:SCRAP:京都全域で配布中 » リアルゲームブックシリーズ vol.1本屋迷宮からの脱出 店頭で(参加費代わりの)1050円のゲームブックを購入し、それを…

「聲の形」を巡るもの

「聲の形」という漫画が今、話題になっている。 少年マガジンの第80回漫画賞で大賞を受賞した作品でありながら、本誌への掲載は見送られ、その後作者は別の原作付き連載を以てデビューした。 以前一度だけ「別冊マガジン」に掲載され、大きな反響を呼んだこ…