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「虐殺器官」映画と原作の違いについて

封切後すぐに観に行くつもりが都合つかず、先日ようやく観ることができた。 個人的には伊藤計劃 映像化プロジェクト三部作の中でこれが一番忠実かつ完璧な出来だと感じたのだが、感想を見ると意外に批判も多く、とりわけ原作派からの文句が少なからず出てい…

言語災禍と生府前史

英語圏を中心に世界中を災禍にひきずり込んだ「虐殺期間」。今ではそれがある種の言語汚染により引き起こされた脳の機能不全が原因であることが判明しているが、その嚆矢となった特殊部隊員の証言からわずか半年で、かつて世界一の大国であったアメリカは滅…

バザリの研究

名作ボードゲーム「バザリ」が復刻された。しかもコンパクトな箱に手頃な価格で。 バザリ 日本語版 出版社/メーカー: ニューゲームズオーダー メディア: おもちゃ&ホビー この商品を含むブログを見る 元は1998年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作で、中東…

NERF改造計画:SledgeFire Custom "GONG"

SledgeFire(スレッジファイア)は、先込め式かマガジン式がほとんどのNERFの中では珍しい中折れ式の装填方式で、しかも専用カートリッジによりダーツ3発を同時発射するという、先例のないショットガンである。 ナーフ ゾンビストライク スレッジファイア 出版…

iMac復旧顛末記

導入から2ヶ月半にして正常動作しなくなったiMacの復旧が、なかなかに難物だったので、同様の症状に陥った人の助けになればということで顛末を記す。 症状 スリープからの復帰に失敗し、画面が真っ暗のまま反応がないところから始まる。 仕方なく電源ボタン…

長過ぎるタイトルを改題する

こんな記事があった。 basukabiru.hatenablog.com 私もこの手のタイトルはセンス悪いな、と思う側の人間ではあるのだが、それは好みの問題に過ぎず「こうしてはいけない」「こうでなくてはならない」と言い切るには根拠がなく反例が多い。 しかし「だからこ…

最高のファンタジー漫画、紫堂恭子「辺境警備」と「グラン・ローヴァ物語」

ファンタジーがファンタジーであるために、必要なのは異世界ではなく、「幻想」だ。 魔法と呼ばれていても、定型の呪文を唱えれば定型の効果が発揮されるようなものは、単なる「技術」であって、幻想がない。 魔獣と呼ばれていても、生態が知られており人の…

批判のための批判について

映画「君の名は。」に於ける天文学上の描写におかしな点がある、との批判に批判が出ている。 togetter.com その中で私が気になったのが、これだ。 くろ @kuroseventeen すげーわかる。「神は沈黙せず」は大好きな小説だけど、あの経済学への知見のなさでげん…

デモンズゲートの共同作戦について

docseri.hatenablog.jp 配信から半月を待たずして、ひとまず公開されている「事変」を一通りクリアしてしまい、ガチャもある程度引いたし期間限定の赤札特務から潤沢な報酬を得て戦力も増強完了し、することがない……という帥士の皆様に於かれましては、もう…

ボードゲーム評:エルダーサイン

邪を退けるとされる《古き印》の名の通り、クトゥルフ神話をモチーフとした協力型ダイスゲームである。エルダーサイン改訂2版 完全日本語版出版社/メーカー: アークライト発売日: 2016/07/23メディア: おもちゃ&ホビーこの商品を含むブログを見るエルダーサ…

昭和十年 帝都伝奇SRPG「デモンズゲート 帝都審神大戦」

関東大震災(大正12/1923年)から12年、災禍の爪痕も癒え、帝都の町並みも一新された頃。 日露戦争以来の租借地である満州で事変があり、満州国の建国(昭和7/1932年)が成ってから3年。 日独が国際連盟を脱退して2年。支那事変からの日中戦争まで2年、真珠湾攻…

nasneの接続障害とその回復について

(結論だけ先に記しておく:nasneの電源が落ちたら復帰時にルータも再起動すること)PS3が映像を出力できなくなってしまった。諸般の事情でテレビの受像機が壊れており、辛うじてtorneでしか受信できない環境だったのでこれは大変困る。というわけでPS4+nasne…

図書館の騎士団:打ち捨てられた武と知の物語

スウェントヴァイトという都市がこの世界に存在したことはない。つまりこれは架空の世界だ。だが所謂「竜と魔法の存在する」ファンタジーではなく、実在しないというだけでその様相は全くの中世欧州のそれである。 スウェントヴァイトは知の砦だ。古今東西あ…

暇を持て余した邪神たちの遊び

ゲーム界はなかなかのクトゥルフブームである。ボードゲームに於いても、商業・同人問わず多数のタイトルが発売されている。 そうしたクトゥルフもののボードゲームを集めてみた。これ以外にも多数あると思うが、とりあえず知る限りの、日本語版が入手可能な…

蔓延する狂気と滅び:パンデミック クトゥルフの君臨

近年、TRPGでも「クトゥルフの呼び声」が人気を博し、ボードゲーム方面でもクトゥルフものが豊作である。 協力型ボードゲームとして名を馳せた「パンデミック」も、クトゥルフ神話モチーフとしてリニューアルされた。パンデミック:クトゥルフの呼び声 日本語…

ポケモン謎解きラリーGO

JR東日本×SCRAPの「ポケモン謎解きラリー」に参加してきた。 www.jreast.co.jp これまではスタンプラリーだったが今年は謎解きだ。開催概要にもあるように、上野・秋葉原・浜松町・品川・渋谷・新宿・四谷の7駅を巡って謎を解くラリーになっている。中央/総…

街コロマッチを攻略する

始まったばかりのソーシャルゲーム「街コロマッチ」で遊んでいる。 ボードゲーム版とは似ているようで色々違う。 大きな差は、「デッキを構築する」ことだ。1〜12の目それぞれに最大5枚のカードを割り当て、ゲーム中これらをランダムに引いて配置してゆく。 …

薄くて軽い大容量モバイルバッテリーを探す

先日の日光観光+ポケモンGOで、iPad Pro(9.7')のバッテリーが満充電でも12時間は保たなかったので、夏休みを前に遠出用のモバイルバッテリーを買っておくことにした。 選定にあたり重視した条件は、 すぐに入手できるもの iPadの充電用なので出力2アンペア必…

日帰り観光記:日光東照宮

日光に行ってきた。 関東在住ならば小学校の修学旅行とかで一度は訪れるであろう場所だが、反面「なかなか二度目がない」場所でもある。 しかし世界遺産である「日光東照宮(を含む寺社群)」をはじめ、ちょっと足を伸ばせば風光明媚な湖あり大滝あり温泉あり…

初めてカルドセプトを遊ぶ人のためのスタートガイド

ここまでカルドセプト新作「リボルト」の初心者向けに基本的な定石などを紹介してきたけど、どうやら初セプターの中にはもっと手前の段階でつまづいている方が少なからず見受けられるようだ。そういえばヴェテランになると見落しがちだけど、カルドセプトは…

カルドセプト リボルト:序盤戦を乗り切るために

カルドセプトは接待してくれない。 序盤の敵はブックこそ強いカードの入っていない弱敵仕様だが、ダイス目操作もカードドロー操作もないガチ戦だ。まあAIの判断はときどきおかしくて、明らかに勝てない敵に突っ込んでみたりすることがあるのは馬鹿ルーチン入…

Kindleの整備

iPadをAir2からPro9.7に買い替えた。初めてiPadを導入したminiの時は、即日購入できるモデルということで32GBを選択したところ容量が全然足りなかったので、Air2では最大の128GBを買ったにも関わらずKindle端末として本格利用を開始したら容量の大半を喰い潰…

NERFに装飾を

何度でも書くけどNERFは塗装すると見違える。というわけでNERFリペイント・プロジェクト第三弾は8銃身ショットガン「ROUGHCUT」の銃身装飾。N-Strike Elite Rough Cut 2 x 4 Blaster エリートラフカット2×4ブラスター並行輸入品出版社/メーカー: Nerfメディ…

Macでファイルを便利にアレコレする

仕事の都合で、大量のファイルを一気に処理せねばならないことがある。ひとつひとつ手作業でやると退屈すぎて注意力散漫になるのでミスも増えるし、時間もかかる。なるべく一気に自動で済ませてしまいたい。 アレコレ、といいつつ2つしか書いてないのは、と…

世紀末NERF伝説

NERFといえば、米国のトイガンである。安全性の高い大型の低圧弾を使用するため国産のエアガンに比して発射機構が大振りで、そのぶんメリハリの効いた「ゲームや漫画にしか登場しないような」雰囲気が魅力的である。最近ではラインナップを拡充して、機能面…

カルドセプトの構造的問題と解決策を探る

カルドセプトは、発売当初からその面白さが高く評価され、爆発的なヒットこそしないものの、ほぼ全タイトルでファミ通殿堂入りなど着実に注目を集めてきたタイトルである。 その一方では、「面白いのにユーザが増えない」という苦悩を抱えるタイトルでもある…

カルドセプト リボルトをスタートダッシュする

カルドセプト ダイレクトが配信され色々な情報が明らかになった。と同時に7/7の発売を前に「あらかじめダウンロード」予約購入がスタート、予約者はスタートダッシュVer.(という名の先行体験版)がダウンロードできる。 早速予約してスタートダッシュしたので…

マヤ遺跡天文対応説とはなんだったのか

初手から胡散臭い話ではあった。 societas.blog.jp 普通に考えれば、素人の少年が専門家に勝る発見をする可能性はたいへん低い。 普通に考えれば、星座と都市が結び付くはずがない。 だいたい、「遺跡のある場所を線で結ぶと意味のある形に」なんて話、オカ…

街コロ戦術研究2

ゲームマーケット2012春で発売されたカードゲーム「街コロ」は、今やボードゲームの本場ドイツでも発売されるばかりか年間ゲーム大賞にもノミネートされ、またゲーム専門誌『フェアプレイ』のアラカルト・カードゲーム賞2015でも1位など、高く評価を受けてい…

有線ヘッドフォンを無線にする

イアフォン・ヘッドフォンで一番発生しやすい故障は「ケーブルの断線」である。ハイエンドモデルだとオーディオ本体へ接続するケーブルの根本がピンジャックになっており換装可能なものもあるが、安いものでは直付けなので分解して半田付けし直すか捨てるし…

インセインSCPを遊ぶために知っておくべきこと

インセインSCPのライセンス問題によってTRPG界隈では俄にクリエイティブ・コモンズ(CC)、および著作権についての話が盛り上がった。 なにしろ著作権というのはなかなかに難解、というか線引きの難しい問題を含んでいて、どこまでが保護されどこからが保護さ…

インセインSCPのライセンスについて整理する

インセイン3 インセインSCP (Role&Roll Books)作者: 齋藤高吉,河嶋陶一朗,青木邦夫出版社/メーカー: 新紀元社発売日: 2016/03/26メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見るインセインSCPは、(少なくとも商業出版されたTRPGとしては)恐らく初めての「…

本好きの、本好きによる、本好きのための「本好きの下剋上」

「本好きの下剋上」を、公開分まで読み切った。あまりに面白かったので書籍版もKindleで揃えて、また最初から読み直している。一作品をじっくり読むより次々に濫読する方を好む私としては小説をこのように読了後すぐに読み返すことはほとんどないので、気に…

異世界ひとりDASH村(ただし本限定)「本好きの下剋上」

「小説家になろう」で大勢を占める異世界転生チートものの中で、ちょっと異彩を放つ作品である。 ncode.syosetu.com 特徴的なのは「中世ヨーロッパ風世界であること」「(中身が)現代日本人という設定が描写に生きていること」「チートというより苦労話である…

ノベルゼロの初回刊行分をサンプリング

KADOKAWAが新レーベルを創刊した。ノベルゼロ、主に30代の男性をターゲットとした「大人向けライトノベル」的位置付けである。 novel-zero.com 装丁は無地で、上1/3には黒文字だけ、下2/3を絵入りの大帯で覆うという「ライトノベルっぽさとライトノベルっぽ…

ディストピアを歌おう

Amazarashiの「古いSF映画」という曲がある。 amazarashi - 古いSF映画(Furui SF Eiga) すでに世界は汚染されて マスクなしじゃ肺がただれて 瓦礫の如きメトロポリス 未開の惑星みたいな地球 逃げ込んだ先は地下室 ただし80000km2の 昔はシェルターと呼ば…

スプラトゥーンは10年戦えるか

Splatoonが10年戦えるコンテンツとか冗談キツいという匿名記事を見かけたので。賛否はともあれ論点が綺麗にまとまっているので考えやすくていい。疑問1と2はだいたい同じだ:「新しさを加えた続編を作るのが困難ではないか」「かといってアップデートを継続…

ミニチュアゲームの市場規模と問題と

先日ちょっとミニチュアゲームについて「多数の障害があってなかなか普及しない」というようなことを言ったところ、色々と批判を受けたようだ。おおよそ「何も知らん部外者がいいかげんなことを言ってる」的な反応であったように見受けられる。 まあ私もミニ…

スプリンクラーで塗るガチエリア戦術

スプラトゥーン発売から半年。皆様イカがお過ごしであろうか。 今日は若人に反射速度で敵わないとお嘆きの老イカ諸君に向けて「戦わずしてウデマエを上げる」方法についてご紹介する。 戦わずして、とはいっても勿論ガチバトルをやらなければ上がらないわけ…

カルドセプト新作を予想する

ついにカルドセプトの次回作が発表された。タイトルは「カルドセプト リボルト」、これまでのような1st/2ndのリメイクではない完全新作、プラットフォームは3DS。 これまで様々なプラットフォームを転々としてきたカルドセプトシリーズ初の1プラットフォーム…

iPad Proを液晶ペンタブレットと比較する

iPad Proが発売された。iPadシリーズ初のA4サイズというだけでなく、専用のスタイラスペンを採用し「描く道具」としても期待されている。iOS用のアプリ上での制作だけでなく、やりようによってはMacと同期しての液晶ペンタブレット化も可能になりそうだ。 そ…

ブレイクエイジの話をしよう

20年前に描かれた、「ロボット対戦ゲーム」漫画の傑作が、Kindle化された。漫画全10巻+外伝、それに小説がリリースされている。 (理由は不明だが9巻のみリンクできない。はてな側の問題と思われる) どんな漫画? 一言で表せば「Boy meets Girlでモラトリアム…

小説投稿サイトと作品傾向

anond.hatelabo.jp なろうが異世界チート系を量産させてるんじゃなくて読者が求め筆者が書いてるんだから、どこが主催しても一緒じゃないのか。まあ「賞によるコントロール」は可能かも知れんが / “ぼくがKADOKAWA×はてなの小説投稿サイトに一番求めること” …

伊藤計劃の遺した屍者の帝国

劇場版アニメの評価が、賛否両論著しい。「原作たる円城塔版から改変された部分」もさることながら、「伊藤計劃自身の書いた冒頭を削ぎ落とした」として批判が少なくないようだ。 元より伊藤の遺した冒頭部分とプロットとも言えぬメモ程度から書き起こされた…

日出処の屍者

屍者労働社会に於ける目下の問題は、社会の高齢化である。 労働力として重宝されるのは若く壮健な肉体だが、自然死は当然ながら老齢のものが多く、それらは肉体機能が低下した状態で提供される。かといって、若い肉体であっても事故死では肉体の損壊著しくま…

劇場版を見る前におさらいする屍者の帝国

「原作未読で今から読める気がしないけど映画を見に行こうと思ってるので勘所だけ押さえた解説が欲しい」人のための、あるいは「原作未読で映画観たんだけどよくわからないところが色々あるので簡単な説明が欲しい」人のための、ちょっとした記事を書いてみ…

屍者の帝国 劇場版を原作と比較して

劇場版「屍者の帝国」を観てきた。 多数の史実虚構を織り交ぜ、数ヶ国を横断して繰り広げられる複雑で壮大な物語を2時間に落とし込むという難題によく応えた作品だが、そのために削り落とされてしまった部分が多いのは、致し方ないこととはいえ理解を難しく…

ダイスと判定とTRPG

TRPGではダイスを振る場面が多い。キャラ作成時の能力値決定や、表の中からランダムに項目を選択する時、行動の成否判定や武器のダメージなど、あらゆるシーンでダイスを使う。 ルールを把握していれば「何のために」振るのかは自明なのだが、まだルールをよ…

彷徨える積層廃墟群、第N無人居住区

神保町駅すぐそばのギャラリーで開催されている、N区の展示を見てきた。blog.livedoor.jp もう10年以上、段ボールで街を作り続けている燈さんの個展。無人なのに居住区。増築を続ける廃墟。 縮尺はまちまち、展示の度に組み合わせ方も違うし分譲や新築もある…

夏休みの敵

夏休みの宿題で、子供を苦しめる二大巨頭が「読書感想文」と「自由研究」だ。 漢字/計算ドリルなどは退屈な反復学習かつ大量であるために辛いが、解決方法そのものは明確なので単に「手を動かせば終わる」。しかし読書感想文と自由研究は、やるべきことがは…