蒸気装甲戦闘工兵開発史(4):英領サツマ

前史 1854年。 クリミア戦争に於いてロシアと対峙している英国は、ロシア艦隊がナガサキに寄港し補給を受けていることを確認、日本幕府に対し対ロシアの局外中立と英国艦隊の寄港許可を求めた(日英和親条約)。これは外交権を持たない英国東インド・中国艦隊…

Amazonのデジタルコンテンツが保証期間1年(かもしれない)件

はじめに:この件、予想外に拡散されてしまったが私の誤認およびサポートとのやりとりの齟齬による誤解の可能性があるので後半を確認されたい。 起 発端は、2018年発売のSF小説を再ダウンロードしようとしたことだった。なぜかKindleのライブラリ内を検索し…

謎解きバッグを作る

謎解きが好きで、夫婦でよく周遊型の謎解きイベントなどに出かける。謎解きキットを購入し、その指示に従ってあちこちを移動しながら謎を解いてゆくものだ。街歩き謎解きを経験された方ならお解りかと思うが、謎解き中はしばしば、移動先で情報を書き込む必…

神戸・大阪 古建築巡り

神戸・須磨の洋館 神戸といえば北野の異人館が有名だが、もう少し離れた須磨にも実は素敵な洋館がある。 須磨離宮公園向かいにある「神戸迎賓館」(旧西尾邸)である。 www.nishiotei.org 大正8(1919)年の洋館で、レストラン/ウェディング場としても運営されて…

届かない靴

楽天に出店している石川県のショップで靴を注文したところ、数日後にショップから連絡があった。 「佐川急便から、年末キャンペーン期間中は荷物が殺到し、新入社員が伝票の貼り違いで間違って配達された可能性があります」とのことで、間違った荷が届く可能…

シーリングスタンプ:ワックス溶融炉とハンドルを作る

シーリングスタンプのヘッドを作ったので、そのテストを兼ねてシーリングスタンプ用品を色々と揃えた。 シーリングスタンプというのは、手紙などに蝋を垂らしてスタンプを捺す封印のことだ。 古式では火の点いた蝋燭から溶けた蝋を垂らして捺したようで、今…

栃木:蔵の街

栃木市内を観光してきた。全国で唯一の「県名と同名の市名でありながら県庁所在地ではない」、県内第三の都市というちょっと微妙な立ち位置ながらも意外に見所の多い街である。栃木県の観光名所といえばまずは日光、鬼怒川温泉や那須高原、あるいはあしかが…

ホグワーツ入学

「ハリー・ポッター:魔術の覚醒」を始めた。 www.harrypottermagicawakened.com モバイル/PC用のオンラインRPG/対戦ゲームである。原作同様、プレイヤーはハグリッドに連れられてダイアゴン横丁で入学準備を整え、9と4分の3番線からホグワーツ特急に乗って…

あしかがフラワーパーク

日曜日の予定が唐突にキャンセルとなり午後が丸々空いたので、唐突に思い立って栃木県の「あしかがフラワーパーク」へ行ってきた。 あしかがフラワーパーク 関東在住なら名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。主に藤の花で知られる観光地である。 元を辿れば…

同性婚と重婚と近親婚

同性婚を巡る議論の中で、「同性婚が認められるならば重婚や近親婚も認められるべき」という主張を見掛けた。 同性婚とは直接関係のない主張がどういう理屈で持ち出されているのかよくわからないが、(無理筋の主張を通すことで同性婚を諦めさせようという魂…

アークナイツの育成時間

アニメ放映によって離脱していたドクターの復帰や新人ドクターの着任が増えたようで、育成に苦労する様が伺える。アークナイツは育成にコストのかかることで知られる。とりわけ高レア育成ではゲーム内通貨と素材がものすごい勢いで溶ける。ついでに時間も溶…

レンズを上げよう

半年ほど前に新調したばかりだった眼鏡のレンズに、思いっきり傷を付けてしまった。近視+乱視により裸眼では最長40cmぐらいの範囲にしか合焦できないのだが、眼鏡をかければ遠方から手元まで不自由しなかった。しかし老眼が進行してきたために、今や矯正視力…

スチームパンクの動力源

スチームパンクは明確な定義のないユルいジャンルだ、というのは繰り返し書いているが、それ故に「どうやったらそれらしくなるか」が漠然として捉え難い。 19世紀ぐらいの時代的イメージ、というだけでは単に懐古的な雰囲気に留まってしまう。 歯車モチーフ…

沖縄へ行こう:4日目(中部編)・5日目(首里編)

沖縄中部地域へ 4日目は那覇バスターミナルから43番系統で北谷ちゃたん町方面へ行ってみる。 この地域は「米国風」な地域があると聞く。 港川ステイツサイドタウン 港川バス停で下りて一本裏手に入ったあたりに、沖縄統治時代の米軍関係者向け賃貸住宅として…

沖縄へ行こう:3日目(南部編)

沖縄旅行も既に3日目。 ペース配分を考えるならば少し休んでもいいぐらいだが、当初の予報では週の後半が雨かも知れず、行きたいところは行けるうちに行っておくが良い、ということで今日は斎場御嶽せーふぁうたき方面のバスツアーである。 沖縄随一の「聖地…

沖縄へ行こう:初日〜2日目(北部編)

当日:空港〜国際通り周辺 出発の前々日に元首相暗殺事件でヴァカンス気分が吹っ飛んでしまった……だからなんなのこのタイミングの悪さ(無論、事件に「良い」タイミングなどないのだが)。 とはいえ容疑者は逮捕されており、同様の犯行が続く気遣いはない。べ…

沖縄へ行こう:準備編

会社の勤続記念でもらった旅行券では金沢に行ったのだが、この時は土日を含め3日間の行程だったので有給を1日取ったのみで、同時にもらった「連続1週間の休暇」の方が浮いてしまった。これは特別な休暇であり1年で失効するので、期限内に絶対使ってくれと労…

旅に軽量ミニ三脚を

旅行用の三脚を考える。 日帰りや一泊程度の短い旅行であれば三脚なんか必要ない。撮れる範囲で撮れば十分だ。けれど纏まった休暇を得てしっかり旅行するならば、なるべく多くを撮れるようにしたい。もちろん携行するレンズも限られるから本腰入れた撮影は無…

塔の諸島の糸織り乙女

ずっと書籍化されるべきだと思っていた作品がとうとう書籍化されたので紹介する。 kakuyomu.jp塔の諸島の糸織り乙女 ~転生チートはないけど刺繍魔法でスローライフします!~ 1 (MFブックス)作者:渡来 みずねKADOKAWAAmazon塔の諸島の糸織り乙女 ~転生チー…

はとバスツアー:ムーミン谷と川越散策

バスツアーって経験ないな、ということではとバスのツアーに参加してみた。 どうせはとバスなら二階建バスのツアーを、とも思ったのだけどわりと都内の「知ってる」スポット巡りが多かったので、どうせならまだ行ってないところへ、ということで「ムーミンバ…

女王の化粧師

「女王の化粧師」は、所謂「主従もの」に分類されるファンタジー小説である。 atrium.flop.jp 女王を戴く小国デルリゲイリアの没落貴族家の一人娘、次代女王候補のひとりマリアージュ。その父亡き後に当主代行として、沈みゆく家をまとめる家宰ヒース。そし…

神田明神夜桜会

先日は昼の桜を撮るのが楽しかったので、今度は夜桜のライトアップを撮りに行くことにした。 都内でもあちこちでライトアップを行なっているが、今日は会社帰りのアクセス性から神田明神のライトアップイベント「NAKED 桜モウデ」を選択。 naked.co.jp鳥居越…

王子の桜

この季節、王子駅付近は花見で賑わう。 駅の南側にある飛鳥山は江戸時代から花見の名所として知られた場所だ。 そこから道を挟んで北側にはちょっとした繁華街があり、一角には落語「王子の狐」にも登場する厚焼き玉子の老舗「扇屋」も。とはいっても料亭と…

本好きの下剋上:漫画版は如何にして平行連載となったか

本好きの下剋上は、コミカライズを第一部完結後に第二〜第四部平行連載という変則的な形でリリースしている。第二部以降はいずれも未完であるため間がつながっておらず、原作小説未読だと話が飛んでしまうし、未完状態での同時刊行を知らずに新刊を買うと「…

35mm f0.95で小田原観光を

これまでも度々「汎用レンズ」を追及してきた。1本でポートレートからクローズアップ、テーブルフォトに風景まで、日常的なあらゆる用途を1本でこなせるレンズはあるか。 なるべく焦点距離の幅が広く、なるべく最小F値が小さく、なるべく最大撮影倍率が高く…

防災備品を揃える

これまでの人生で、災害によって避難を強いられたことは(水害などでの予備的なものも含め)一度もなかったが、いつ来るとも知れぬのが災害というものではある。 以前から備えが必要という認識はあり、保存食などを試したこともあったが、一揃い整えるとなると…

ソウルオブエデン初心者のための基本戦術解説

ソウルオブエデン(以下「ソルエデ」)は、いわゆる「クラロワ系」と呼ばれるタイプのリアルタイム対戦ゲームだ。時間経過と共に増加するリソースを消費して手元のユニットカードを場に出すと、自動的に相手の「守護者」めがけて進軍、範囲内に敵ユニットがい…

まほり

意味の掴めぬタイトル。黒バックに禍々しく紅い円が乱舞する装画。いかにもホラーめいた佇まいだが、本書はホラーというわけではない。では何なのか、というと……まほり 上 (角川文庫)作者:高田 大介KADOKAWAAmazonまほり 下 (角川文庫)作者:高田 大介KADOKAW…

芦ケ久保の氷柱

埼玉県秩父地方には、山中に氷柱の並ぶ奇景がある。 三大氷柱と呼ばれるもののうち、天然のものは二瀬ダム下流荒川沿いの崖に連なる「三十槌の氷柱」のみ。 残る2箇所は水を撒いて凍らせた人工のものだそうだが、規模として最大のものは尾ノ内氷柱で、こちら…

超音速・垂直離着陸戦闘機 F-104V/J

F-104Vは、実用戦闘機として初のマッハ2を達成した超音速戦闘機F-104を素体として開発された、超音速VTOL戦闘機である。当時は東西冷戦下であり、東側と国境を接する国々では常に臨戦状態の緊張が続いていたため、兵器の開発は青天井の予算を投じて非常に早…