「工事の要らない食洗機」を導入してみた

自動化できる仕事はなるべく自動化するべきだと思っている。
最近は家事の自動化がずいぶん進んだ。洗濯機は自動家事装置の中でも古い存在で18世紀頃には既に存在したが、20世の終わり頃には乾燥機能の導入によって干し物という作業がなくなり、また天候に関わらず洗濯できるという大きな利点も得た。
掃除についてはまだ自動化の幅が狭い、というか床のゴミ除去や拭き掃除程度までは実現できているものの他の場所までは手が回らず、また自動化の困難な「片付け」との関係性が深いために導入可能環境が限られる。
衣類については最近ようやく自動畳み機が登場したが、複雑な動作の故に高価で大型、まだ一般家庭に導入できるレベルではない。

家事の中では洗濯乾燥と並んで自動化の進んだ分野のひとつが、食器洗いだ。実はその成立は古く、19世紀の末には現代のものとほぼ同様の水圧式温水洗浄方式が発明されている。しかし日本で家庭に普及し始めたのは21世紀に入ってからだ。
我が家でも食洗機の導入は検討していたのだが、如何せん住居の設計時期が古いために食洗機の存在が考慮されておらず、置き場の確保が難しかったために見送りとなっていた。しかし近年、小型で水まわりの工事も必要がない機種が登場したので、導入してみることにした。

本体サイズは高さ42cm、だいたいA3サイズの長辺ぐらいである。幅もほぼ同一。奥行は若干控え目の38cmだが、背面には取り外し可能な水タンクがあるので、壁との間は少し空けておいた方が良いかも知れない。
設置は、基本的に電源ケーブルをコンセントに挿すのと排水ホースをシンクに入れるのと、それだけで終わりである。あとはカゴを取り出して付属の金網フィルタをセットしておく程度。

水タンクは本体裏側にあり、上部に直径8cmほどの注ぎ口がある。ここに6リットルの水を注ぎ入れてやればいい。タンク右側面には注ぎ入れるべき最低量と最大量を示す線があるが、これはかなり接近している(つまり、「最低でもここまでは入れなければならない」分量と「これ以上入れてはならない」分量の差が小さく、注意を要する)。水を注いでいると、動作に必要な量が確保された時点で本体から短かく電子音が鳴るので、それを目安にするといいだろう。
付属の水差しで何度かに分けて注ぐのでもいいが、それが面倒ならタンクを外して蛇口から直接注いでもいい。
実は本機種のヒットを受けて多数のメーカーから「水栓工事の不要な」小型食洗機が登場したが、いずれも本体に固定された水タンクに水差しで注ぐものばかりで、タンクを外して給水可能なものはこれを含めて2機種しかない。もうひとつは本体下にタンクがあるため外すには本体を持ち上げなければならず、給水の簡便さでは(6kgの水を持ち上げる面倒はあるものの)本機が最も優れていると言える。
ただこのタンク、いささか接合に難があるようで1年ほど使っていると角の合わせ目から水が漏れはじめる。メーカーに問い合わせれば送料込み6千円程度で交換してもらえるのだが、耐久性については改善を要求したい。

コンパクトな機種だけに、内容量は小さい。メーカーによる収納例ではたとえば椀・平皿・コップ・箸・フォーク・スプーン各4ぐらいを一度に洗える、とあり、4人程度の一食分を確保できそうにも見えるが、 たとえば飯椀と汁椀と取り皿、それに惣菜を盛った大皿が2枚……ぐらいになるともう溢れる。というか普段使っていた直径25cmほどの平皿が収まらなかったりするので、この辺りは「食洗機に合わせて食器や料理の数を最適化する」必要がありそうだ。

食洗機用洗剤を入れる口などはなく、固形洗剤は「排水フィルタの上に置く」、液体あるいは粉末洗剤は「ドアにぶっかけておく」……いいのかそんな適当で。とりあえずJOYのジェルタブレットを買ってきた。

コースは「ソフト/強力/標準/スピーディ」および乾燥のみ、の5コース。このうちソフト洗いは乾燥を行なわないコースで、強力/標準/スピーディは洗いにかける時間の差と思われる。我が家では普段スピーディーを使用しているが、3回に分けての注水→加温→噴射洗い→排水行程で全35分(+乾燥時間10分)と、そこそこの時間でやってくれる。

専用洗剤にはクレンザー成分も含まれているんだろうか、洗い終えた食器は曇りなく磨き上げられて人の手で洗うより余程綺麗になる。ただ、表面にプリントしてあるものなどはそれも剥がれ落ちてしまったりするので、手洗いにしなければならないものも出てくるが。

手作業での食器洗いにかかる時間というのは、まあシンク一杯に溜め込んでいても精々30分ぐらいだろうか。それを食洗機に任せると1回あたり45分ぐらい、分量もやや少ないので2回に分けるとすれば3倍ぐらいの時間をかけることになる。大型の機種ならば一度に洗える量が増える分だけ効率が良くなるけれども、単純比較してしまうならば人力よりも効率は悪い。
けれども溜め込まず、1回で洗える分だけ適宜処理してゆくならば極端に悪くはないし、なにより人の手がかからないのは大きい。
家族がちょっとづつ使用する、箸や小皿やコップ……その度に洗ってくれれば、一人あたりの労力などそう大したものではないが、食器棚から出してきてはちょっと使ってすぐ流しに下げて、また新しいものを出して……とやられるとあっという間に溜まり、量があると洗いものも億劫になる。そういう積み重ねを断ち切って、都度食洗機に入れ、一杯だったら水と洗剤を放り込んで回す、というサイクルができれば、家事はまたひとつ楽になる。

冬支度

今年の夏前から、雨の中で撮影できるように雨具を傘ではなくレインジャケットに替えた。軽くて邪魔にならないし、ちょっと肌寒い季節には上着代わりにもなる。なにかと便利ではあったのだが、冬が迫ってくると流石にこれでは対応できなくなってくる。コートの上から羽織れるものではないし、かといって防寒能力はない。
となれば冬季には別の雨具を用立てる必要がある。しかし保温性と防水性を両立させようと思うと意外に難しい。
というわけで、冬に雨と寒さを防ぐための防水コートを探してみる。

防水性のあるコート

最近はコートにも撥水加工を施したものは少なくないし、撥水スプレーなども売っているから、普通のコートで雨を凌ぐこともできないわけではない。けれど撥水はあくまで表面に付着した水が落ちやすいだけであって、雨が染みるのを防ぐものではない。
あるいは労働着やフィッシングウェアなどで耐水性の防寒具はないこともない。ただ、どちらもスーツの上から着るにはちょっと向かない感じがする。
またスノーウェアならそこそこの耐水性が付与されていて、当然ながら保温性も高い。ただ基本わりとカジュアルなデザインなので、やはりスーツに合わせるものではない。
というわけで百貨店の紳士服売り場やアウトドア系の売り場で「スーツに合う防水・耐寒のコート」について相談してみた結果、候補として挙がったのが以下のふたつ。

MICHEL KLEIN HOMME ダウンコートブルゾン

「アウトドアにもスーツにも合う」をコンセプトにした、耐水圧11,000mm、透湿度8,500g/m^2/24hの防水透湿アウターとダウンブルゾンのインナーという組み合わせのコート。暑ければアウターだけでもインナーだけでも羽織れるし、合わせれば相当な保温性を発揮する。

Haglöfs SILJAN Parka

スウェーデンのアウトドアブランド「ホグロフス」のロングコート・パーカ。
ほとんどのアウトドア系防水ジャケットは表面がナイロンなどのシャリシャリした生地であることが多いが、これはポリエステルとコットンの混紡による、帆布のような手触りの生地を用いている。また深いフードの縁が厚手で直線的に揃えられており、これが襟を兼ねるデザインが特徴的。
内側は上半分がボア、下半分が中綿入りで非常に暖かい。また袖口にも内側に雪や風を通さないリブ付きで、防寒への配慮が徹底している。

タッチパネル対応の手袋

ところで新しいiPad ProがFaceIDに対応した。これまではTouchIDのために冬でも手袋を脱いで指を当てる必要があった(それを回避するための手袋に貼る指紋風シールまであった)のだが、これからは顔さえ出ていれば認証が可能なので手袋を着けたまま操作はApplePencilですればいい、と思ったら認証の後画面下からスワイプで開く必要があり、この動作はApplePencilではできないのだった。
もちろんタッチパネル対応手袋を使えばその問題も乗り切れる……はずなのだが、実際には結構反応の悪い手袋も多く、使えるものを見極める必要がある。
売り場で片っ端から手袋を試着してみた結果、ちゃんと反応する手袋はかなり限られた。その中でいちばんデザインが好みだったのがMackintosh Philosophyのヘリンボーンツイードだったのだけど、Amazonには商品がないのでZOZOタウンをリンクしておく。
http://zozo.jp/shop/mackintoshphilosophy/goods/35258775/?did=60676072
まあでもタッチパネル手袋は指を奥まで入れないと反応が鈍るので、自分の手に合ってちゃんと操作できるものを試着して選ばないと巧く行かないと思う。

花井沢町公民館探訪(1):花井沢町はどこにあるのか

「花井沢町公民館便り」は、架空の小さな町に引き起こされた「生物だけを通さない」障壁の暴走事故と、その結果として外界と隔てられた閉鎖社会を描くSFである。

「一生この町に閉じ込められ、決して出られない」ことを除けばごく普通の町である花井沢町。それは一体この日本のどこにある町なのか。

作中の描写を確認する

作中では花井沢町の場所が明らかにされたことはない。そもそも架空の自治体であるから明確にこれと比定することも難しいが、しかし断片的な情報から漠然と位置を想像することはできる。
まず、「町」であるから区政を敷く東京23区や政令指定都市内ではなく、また市制ではない地域に限定される。都内でいえば西多摩郡あたり、もしくは隣接県のどこかということになるだろう。
また作中の描写から、だいたいの距離関係が推定できる。

乗り換えなしで妻の職場へ40分 ぼくの職場へ25分
都心へ出るのも楽ちんな 小さな町です
(3巻 15号)

「ねー 花井沢って行ったことない どんな?」
「えー どんなって フツーだよ フツーの…ベッドタウン?」
「へー うちのまわり高層マンションばっかだよ うちもだけど」
「えーまじで そゆとこ入ったことない うち一軒家」

「花井沢は〜〜一軒家が多いかも〜〜♪」

「家までどんくらいかかんの?」「40分くらいかなー」

「てか花井沢で止まっちゃってるぽくない? あたしの線動いてる」
「他の線とかバスで遠回りして帰れないの?」
「1本しか通ってない」

「全然帰れない感じ?」
「これ動いてなかったら無理」「急行停まんないような小ちゃい町だからさー」
(3巻 19号)

公民館便り19号では、少女たちがカラオケやショッピングに繰り出した先が「花井沢から40分ぐらい」と3巻15号の「妻の職場」と同じぐらいの距離で、「都心へ出るのも楽ちん」。都心というのは大都市圏の中心部を指す語であるから地方大都市について用いることもあろうが、一般には東京都の商業中心部、つまり渋谷・新宿・池袋あたりを指すと考えるべきだろう。作中に方言が見られないことからも地方都市ではなく東京である可能性が高いと言える。
また、ここで言う急行はJRのような急行券を必要とする特別列車の類ではなく、普通乗車券のみで乗れて途中駅を飛ばして停車するタイプの私鉄急行であろう。
以上から、池袋・渋谷・新宿を起点とする私鉄のうち、各駅停車で25〜40分ぐらいの距離にあり、かつ急行停車駅ではない駅のうち23区外、できれば町に所在するものがあれば、そこが花井沢のモデルである可能性が高いのではないかと思われる。
駅間経過時間をおよそ2〜3分程度と見積れば、起点駅から数えて13〜20番目ぐらいの範囲に、高層マンションがなく一軒家の多い「花井沢」駅が存在するだろうと想定される。

都心駅から40分の駅を探す

新宿駅

新宿には複数の新宿駅があり、7本の私鉄が乗り入れている。
そのうち23区内を巡る山手線、東京メトロ丸の内線および都営大江戸線新宿線の4路線については条件に合わない。残る埼京線湘南新宿ライン中央・総武線西武新宿線京王線小田急線の駅をカウントしてゆこう。

西武新宿線

西武新宿線は13〜20駅の間に各駅のみ停車の駅がひとつもない。準急まで許容するならば武蔵関、東伏見西武柳沢の3駅が候補となる。
なお16駅目の田無以遠は急行が各駅に停車するようになるが、所要時間情報で見ると各駅停車で40分の距離にあるのは19駅目の久米川である。

京王線

新宿から数えて13駅目に当たるのは「つつじが丘」。ただしこの駅は急行停車駅である。だとすれば柴崎・国領・布田のいずれかだろうか。
調布駅以降の西調布・飛田給・武蔵野台は快速が、相模原線に分岐した京王多摩川京王よみうりランドは快速および区間急行が停車する区間となる。

小田急

13番目の成城学園前は急行停車駅。各駅のみ停車する駅ならば喜多見および読売ランド前、準急も含むならば狛江および生田も候補になる。

渋谷駅

都区内の東京メトロを除くと東急東横線東急田園都市線京王井の頭線の3私鉄が走っている。

東急東横線

13〜20駅範囲内で各駅のみ停車するのは大倉山・妙蓮寺・白楽・東白楽・反町の5駅。
ただし東横線は横浜へ向かう線であるため、この範囲からであれば渋谷へ向かうより横浜へ向かう方が繁華街へ向かうには適切と思われ、またいずれも横浜市区内であるため、花井沢町の立地条件に合わない。

東急田園都市線

13〜20駅目では江田・市が尾・藤が丘・田奈の4駅が各駅のみ停車する。

京王井の頭線

17駅しかない路線であるため終点の吉祥寺まででも渋谷から40分かからず、また吉祥寺がなかなかの繁華街であることも考えると条件に合わない。

池袋駅

東京メトロの他は西武池袋線東武東上線の2私鉄のみとなる。東京メトロ有楽町線は珍しく区内を出る線であるが、8駅目の和光市以降は東武東上線への乗り入れとなるので今回は考えない。

西武池袋線

13駅以降で準急・通勤準急・快速の止まらない駅はなく、急行が止まらないのは清瀬・秋津のみ。

東武東上線

13〜20駅目のうち柳瀬川・みずほ台・鶴瀬・上福岡・新河岸の5駅が、各駅のみ停車する駅である。

これで「都心から40分」「急行が止まらない」を満たす駅をリストアップできた。次にこれらを地図上にプロットして半径1km円を描いてゆく。これは「鉄道路線が1本しか通っていない小さな町」であることを確認するための作業である。
一見して、新宿からの京王線および渋谷からの田園都市線西武新宿線の新宿寄り側などでは駅間が狭いことが見て取れる。
花井沢町にはあくまで「線路が1系統しかない」のであって「駅がひとつしかない」とは限らないのだが、1巻2話で「1丁目の端っこを横切ってる電車」とあることから市街の中心を抜けてゆく感じではなさそうで、しかも小さな町であることを考え合わせるに、駅ひとつのみである可能性は高そうに思われることから、駅間が1km程度しかない場所は候補地から外しても良いのではないだろうか。
だとすると候補駅はぐっと絞られ、西武池袋線 清瀬駅東武東上線 上福岡および新河岸ぐらいしか該当がない。

花井沢町の場所を確認する

ただ、上でも述べたように花井沢はそもそも架空地名であるから、すべての条件を満たす場所があるからといってそこが即ち花井沢だということにはならないし、逆にこれまでの条件から外れる場所であっても「花井沢のモデル」となっている場所というのは有り得る。
たとえば都内で町政を敷くのは西多摩郡に属する瑞穂町、日の出町、奥多摩町の3町しかないが、このうち山間の奥多摩町は面積的に決して小さくなく、また都心から40分の範囲をかなり離れる。また日の出町には鉄道駅がない。瑞穂町は鉄道が八高線箱根ケ崎駅しかない点で花井沢の特徴に近いが、JRを乗り継いで1時間以上と少々遠く、少なくとも花井沢そのものでは有り得ない。

さて、ここでひとつ気になるのが、西部新宿線 花小金井駅である。
新宿から各駅で17駅目、花と井を含む地名……と条件適合率は高く、また周辺駅からは距離があり孤立している。駅周辺に5階建を越える高い建物はなく、主に一軒家で構成される住宅地である点も、花井沢町の描写と合う(まあこの周辺は大体どこでも似たようなものか知れないが)。ただし特急および通勤急行こそ通過するものの急行は停車する駅であるし、小金井市自体が町ではなく市であり、西武鉄道路線だけで4系統に加えてJRが走る場所であるから自治体としては条件に合っているとは言えない。
だが、それはあくまで花井沢ではない自治体としての話であり、仮にこの辺りに小金井市とは別の自治体として花井沢があったとすれば、かなりそれらしくなるのではないだろうか。

となると、だいたい「瑞穂町を花小金井の位置に持ってきた」ぐらいが、作中の架空地域としての花井沢町のイメージにもっとも近いのではないだろうか。

「都心」駅はどこなのか

3巻19号には、カラオケで夜を明かした女子高生が帰ろうとして鉄道事故で足止めを食らうシーンがあり、ここで花井沢へと向かう鉄道の駅入口が描かれている。
f:id:DocSeri:20181206171453p:plain
明らかに「JR」と書かれているので、この駅はJRと私鉄各線の改札が隣接するタイプの駅なのだろうと推測されるが、残念ながらこの入口のモデル駅がどこなのかは判明していない。
今後の検証が待たれる。

iOSアプリ内での課金承認がトラブった

iOSのゲーム内課金でトラブって、操作ができなくなってしまった。
運営元に問い合わせたら「Appleに問い合わせろ」というのでそうしたけど、Apple側には課金情報がなかったので対応しようがない。
そのように運営に伝えても「Appleに」の一点張りで、埒が明かない。

経緯

課金に関するトラブルが発生したのは、A社が運営するTオンラインというiOS用のオンラインRPGである。購入リクエストが承認状態にならず、「承認を待っています」のまま一切の操作ができなくなってしまった。

iOSでは、自力決済手段を持たない未成年のアプリインストールやアプリ内購入については、決済権を持つファミリーアカウントに承認リクエストが送信され、パスワードあるいは生体認証によりこのリクエストを承認するとダウンロードや購入が可能になるという仕組みがある。
子供からアプリ内課金の申請があったため了承し、支払いリクエストを承認したところ、完了前に予期せぬ割り込み操作が発生したために承認が立ち消えてしまった。
どうやら、AppStoreだかiOSの設定だかで予め承認だか設定だかをしておかないと課金処理ができなかったらしく(子の端末側で何かダイアログが出たので操作したのだけれど、具体的な内容は失念してしまった)、要求に基づいて操作を行なったものの、途中でそのようなインタラプトが発生することは想定外だったのか、承認済みという情報がアプリに届くことなく消えてしまったようだ。

ところがアプリ側では課金承認待ちの表示が出たまま待機中で、一切の操作を受け付けない。どうやらリクエストに対してタイムアウトなどの処理は存在しないらしく、以降何日経過しても状況に変化がない。
iOSかアプリ側で引っ掛かっているだけという可能性を期待してどちらも再起動し、またAppleIDの認証にエラーがある可能性も考えて一度サインアウトしてから再度サインインし直してもみたが、結果は変わらず。
このままでは課金以前にゲームが続行不能であるので、サポートに問い合わせることにした。

運営への問い合わせ(1回目)

通常、ゲーム内のトラブルはアプリ内から問い合わせを送る。この時、アカウント情報や端末情報などが吸い上げられるため、運営側が問題発生の原因を絞り込みやすくなっていると思われる。
しかし今回はアプリ内での操作が不可能であったため、代わりにアプリ公式サイトの問い合わせフォームから使用中の端末種別やOSバージョン情報などを記入して、問い合わせを送った。
これに対する回答は以下の通り。

お問い合わせありがとうございます。
(T) サポートです。

お問い合わせいただきましたファミリー決済の件でございますが、ファミリー決済の承認が完了されていない場合には、iOS側で承認かキャンセルを行っていただく必要があり、弊社のアプリ内で承認及びキャンセルを行うことができません。

また、弊社ではお客様の端末の設定状況を把握するのが困難であり、Apple ID等の個人情報を頂戴して対応することが出来ません為、大変お手数ではございますが、Apple社のサポートを受けていただきますようお願い申し上げます。

※本件は、Apple社のオンラインサポートでは、対応を行ってもらえません。
※本人確認の都合上、保護者の方とお近くのApple Store、及びApple正規サービスプロバイダの店舗に行かれますようお願い申し上げます。

この度はご連絡のお手数をお掛けしておりながら、誠に恐縮ではございますが、上記内容のご確認の程を宜しくお願い申し上げます。

要約すれば、「課金処理の問題はApple側の担当なのでデベロッパー側では対応できない」「課金承認かキャンセルを送ってもらう必要がある」「本人確認が必要になるためAppleのオンラインサポートでは対応できないので、必ず対面サポート窓口に端末を持ち込むこと」。

Appleへの問い合わせ(1回目)

しかしAppleStoreへの持ち込みでは平日に親子揃っての行動が難しく、また予約も一杯で対応まで非常に時間がかかる。そのため、まずはAppleの電話サポートに頼ることにした。
結論から言えば、Apple側では端末のシリアル情報とAppleIDへのログイン操作によって本人確認を行なうことで、AppleID内の課金記録を確認してもらうことができた。つまり「オンラインサポートでは対応できない」という運営側の認識は正しくないと考えられる。

なおAppleIDには課金の事実は記録されていなかった。これは処理の流れ上、

  1. 子のIDから親のIDへ課金リクエストを投げる
  2. 親のIDから子のIDへ課金承認を返す
  3. 子のIDからアプリへ課金の成功を戻す
  4. アプリ側からAppleへ、課金承認済として投げる
  5. Apple側で課金処理

という段取りの、2から3に至る途中でエラーが発生したために3以降の処理が行なわれていないことによるものと思われる。処理が完了していないため、課金は発生しておらず、従ってApple側では関与できない。
(この流れは筆者の想像によるもので、事実と異なる可能性がある:たとえばAppleによる課金が先に処理されてからアプリに情報が戻されるのかも知れない。いずれにせよ課金処理自体が成功していないため、取り消すべき課金が存在しないことに変わりはない)
もちろん、端末側では既に1回限りの課金リクエストを送信し、承認を返信済であるため、これらを再送する方法もない。

こうなると、他にユーザ側でできることは何もない。そしてApple側としても、記録がない以上は何もしようがない。
つまり、これはもう運営側の問題で、処理待ち状態のまま引っ掛かっているものを解除してくれれば話は終わる、というかそれ以外には解決方法がないものと考えられる。

運営への問い合わせ(2回目)

ここまで確認した上で、(ほぼ上記の内容をそのまま)運営側に再度メールする。しかし返信は「とにかくウチじゃなくAppleで、それもオンラインでは駄目だから対面サポートに持ち込め」。こちらの書いた内容を読んでいないとしか思えない。

Appleへの問い合わせ(2回目)

念の為、Appleのサポートに再度問い合わせて「運営側からはAppleストアに持ち込めとしか言われないんだけど、これ持ち込みでなら解決できる問題なのか」と訊いてみた。しかし「ハードウェアの修理ならばともかく、AppleIDでの課金処理とアプリ動作に関してはAppleストアで解決する問題ではない」との回答を得た。まあそうですよねー。

運営への問い合わせ(3回目)

というわけで再々度、運営に対してApple側の見解も添えてメール。しかし返答は相変わらず「Appleストアへ行け」。

つまり、A社のサポート窓口は客からの問い合わせ内容を碌に読みもせず、問題の解決をサポートするつもりがない、と判断せざるを得まい。
埒が明かないので社の代表電話番号(なぜか会社概要などには掲載されていないので求人情報に掲載されていたもの)をググり、電話してみる。しかし「運営サポート側ではメールでしか問い合わせを受け付けない」との返答。そのメールで問題が解決しないから直接電話してるんですが。

終わり

以上、ユーザ(の保護者)から見た、オンラインゲームのサポート不備問題についてまとめた。問題は未だ解決しておらず、もうゲーム自体をやめる以外の手がないのではという気がしている。
あくまで一消費者の視点からは運営のサポートがとんでもなく不誠実に見えているんだけれど、ゲーム運営に詳しい人から見ると違ってくるんだろうか。

とにかくまともな答えが得られないので、ちょっと質問状を送り付けることにした。
質問に回答があり次第(あるいは回答が得られない場合はその事実を)、公開することにする。

追記:質問状その他

運営に対し、3回の問い合わせメールの後にこのような質問状を送付した。
回答が来る(か、あるいは期限が過ぎる)まで掲載を待とうかと思ったのだが、その後プレイヤー当人からの問い合わせというか症状報告のメールに対して「同じ内容を何度も送ってくるからもう返答しない(大意)」との返信があった一方で私からのメールには一切の返信がなく、つまり対応する気がないという意思表示であろうと判断したので、回答を得ることを諦め、質問内容のみここに公開する(一部の伏せ字以外は原文通り)。

これまで再三にわたり、T オンラインのアカウント動作不具合に関して質問をお送りしました(プレイヤー当人のメールアドレスからお送りしています)が、こちらの説明と要求に対して誠実な回答が頂けていないと感じております。
つきましては、保護者のアカウントより質問状を送付致しますので、下記質問に対してご回答を頂きますよう、宜しくお願い致します。
回答期限は10日後の2018年11月24日中とします。期限内にお答え頂くことが困難な場合、理由を添えてその旨ご連絡下さい。

なお、この質問・回答内容およびこれまでのメールによる回答につきましては、経緯説明と共に公開させて頂きます。


■経緯の確認
iOS用のゲーム内に於いて、未成年であるプレイヤーがアプリ内課金を行ない、保護者のAppleIDに対して課金承認リクエストが送信された。
保護者のAppleIDではこれを承認したが、この時プレイヤー側のAppleIDで、課金を処理するために何らかの設定が不足している旨ダイアログが示され、設定画面に移行した。
これによって課金承認済の情報が行き場を失い、アプリが課金完了を認識することなく消えてしまった。
アプリ側では依然として課金リクエストの承認またはキャンセル待ちの状態にあり、操作がロックされているが、承認もキャンセルも返らない状態であるためロックが解除されなくなった。
これを解除するためには、なんらかの方法で課金リクエストの承認またはキャンセルをアプリへ返す、あるいはアプリ側で課金承認待ち状態を解除する必要があると考えられる。
既にプレイヤー側でも保護者側でも課金リクエストの承認操作は完了しており、再度リクエストを発行する手段もなく、端末の操作では問題を解決することができない。
そのためAppleのサポート窓口に連絡し、本人確認を経てプレイヤー及び保護者のAppleIDに記録された課金情報の確認を行なったところ、当該の課金処理が記録されていないことが判明した。従ってApple側でも、(そもそも課金の事実がないため)これを運営側に通知あるいはキャンセル処理を行なうことができない。
つまり、問題を解決可能なのは唯一、T オンラインの運営会社であるA株式会社のみであると思われる。

■要求内容
T オンライン内の、課金リクエスト承認待ち状態でロックされている当該ユーザアカウントを特定し、その課金リクエスト解除を要請すること。
また、そのためにプレイヤー側でなければ不可能な行為あるいは情報提供の必要があれば、その内容を示すこと。Apple社に対し要請すべき内容があれば、それを示すこと。


■質問状

◆1◆「AppleストアまたはApple正規サービスプロバイダに行く」ことを要求する理由
これまでのメールによる回答で、運営側は常にこの内容を繰り返していますが、その理由として「本人確認の都合」としか書かれていません。
これは「AppleID上での決済情報を確認するために本人確認が必要であり、それは対面窓口でしかできない」との認識によるものでしょうか?
だとすれば、既にオンラインで本人確認が済んでおり、当該AppleID(プレイヤー当人、および保護者の両方とも)に於いて課金が行なわれていないことを把握済みですので、対面窓口に行く理由はないはずです。
それとも他に何か対面窓口でなければならない理由がありますか?

◆2◆課金承認待ちを解除できない理由
今回の件は、そもそも課金処理が途中で消えてしまっており、決済情報が存在していないためにAppleでは処理の取り消しなどの操作が不可能で、またユーザ側でも既に承認を求めるリクエストが消えており再送もできないため、手の施しようがありません。
しかしながら運営からの回答メールでは「Appleからユーザを特定可能な情報が提供しなければ対応できない」と繰り返すのみで、そもそも決済の事実がない旨が無視されています。
もちろん、「課金情報がない」というのはユーザがAppleから確認した情報であって運営側が確認できた情報ではないため、それのみを以て取り消しに応じることが難しい事情はあろうかと思いますが、だとすれば運営側からAppleに確認する以外では取り消しようがないため、ユーザに対してAppleへ問い合わせをさせる理由がなくなり、メール内容とは矛盾します。
また、ユーザ個人情報やAppleIDなど運営側でユーザ情報を特定するために必要な情報についても、指示があれば提供の用意がある旨も伝えておりますが、それについても無視して「運営側ではできない」と繰り返されるのみです。ならば「どうすれば可能なのか」あるいは「運営会社以外のどこならばこの問題に対応可能なのか」を明らかにしてください。

◆3◆ユーザアカウント特定のために必要な情報について
プレイヤー当人の認識によればユーザ名はユニークでなければならないため、ユーザ名のみで当該アカウントが一意に特定が可能と考えられます。
あるいは課金リクエストが行なわれた時期は(±30分程度の幅で)特定可能であり、その時期にリクエストが送信された中で未だに承認もキャンセルも行なわれていないデータを抽出することでも特定は可能(あるいは、少なくとも候補をごく少数に絞り込めるの)ではないかと考えられます。
そうした運営側でのアカウント特定をしていただけない理由はなんでしょうか?
もし特定のために(そもそも存在しないAppleの課金情報以外に)何か追加情報が必要であるとすれば(操作しようがないアプリ内でのみ確認可能な情報を除き)、それを提示いただくようにお願いします。

NERFでSci-Fiなライフルを作る


NERF HyperFire AssaultRifle mod.

格好良いライフルの画像を見掛けた。
www.thefirearmblog.com
どうやらAR-15をベースにしたカスタムモデルらしい。銃にはあまり詳しくないが、原型である「ゴルゴ13の銃」M16とはずいぶんイメージが違う。どうやらAR-15には様々なカスタムパーツが作られており、これもそういったパーツを用いたビルドの一例らしい。
魅力的なこのライフルの形状を、NERFで再現してみようかと思い立った。

素体を決める

まずは改造のための素体にすべく、なるべく形状の類似性が高いブラスターの選定を行なう。
デザイン上のポイントは、大きく分けて4点。まずグリップ前方に下挿しのドラムマガジンがあること、それからグリップ後方に親指を入れる穴があり下方はショルダーストックまで繋がった形式であること、ショルダーストックが箱型であること、そして本体と高さを揃えたハンドガード付きの銃身が備わっていること。
このうち、グリップまわりの形状についてはどうにでも改造のしようがあるので優先度は低い。ショルダーストックも自作が不可能というわけではないものの、グリップよりも材料を必要とするため難易度が上がるので、できれば製品の形状に頼りたい。本体と銃身の位置関係については発射機構との兼ね合いが重要になる。とりわけカセットマガジンを含む発射機構については、改造はほとんど不可能と思われるので最優先である。

というわけで、まずは発射方式から選定してゆく。とはいえカセットマガジン方式のブラスター自体は決して少なくないため、選択肢は広い。ブルパップ方式のものを除外しても50では効かないぐらいの種類があるはずだ。
ただ、ドラムマガジンの入手も考え合わせると選択肢はかなり限られてくる。これまでに国内で正規販売されたブラスターの中で、ドラムマガジンが附属していたのはAlpha Trooper CS-18、Raider CS-35およびRampage、RhinoFire、HyperFire、Infinusの6種しかなく、このうちRaider CS-35/Rampageは形状以前にカセット挿入口が横向きなので条件が合わないし、RhinoFireは2連の大型ブラスターであり、入手難易度も価格も高い上に改造向きとは言えない。Alpha Trooper CS-18は発売時期がELITEシリーズよりも前であるために入手が難しい(AccuStrikeシリーズとして再販されるらしいが、現時点では入手できない)。

残る2種のうち、Infinusはグリップこそサムホールスタイルではないものの、充分なサイズのストックを持ち、グリップエンドを伸ばして接合すれば雰囲気は悪くなさそうだ。またエクステンションバレルを装備可能であるため、改造コストが低く抑えられる可能性がある。反面、自動装填システムを持つため内部空間に余裕がなく、とりわけ銃身位置より上側に張り出す装填機構の関係で本体の高さを抑えられないのは厳しい。

HyperFireはサムホールタイプのグリップと大きな箱型ストックのバランスが良いこと、また銃口の位置が本体上端に近いため高さを抑えやすい点で扱いやすい。ただしバレルが短かく、しかも純正のエクステンションバレルを取り付けることもできないため、何らかの改造が必須となる。本体とバレルの高さを合わせることが困難でストックの改造難易度も高く、流用可能なエクステンションバレルも持っていないため全体に改造コストが高くなるInfinusよりも、グリップまわりを少しとバレルの自作程度で済みそうなHyperFireの方が素体には適しているようだ。

改造計画

素体が決定したので、改造指針の策定と構想に移る。
最初にHyperFireの分解画像を探し、中身のレイアウトを確認する(こういう時はだいたいブラスター名+mod、で画像検索すると分解画像が探せる)。
imgur.com
画像を見ると銃口の下、マガジンキャッチより前の部分はほとんど空洞であることがわかる。この部分がデザイン上の大きな特徴ではあるのだが、今回はHyperFireらしくない形に改造したいわけで、ここはばっさりカットしよう。またグリップ前方を覆うハンドガードも、マガジンリリースボタンより下はカットしていい。
ショルダーストック内の電池ボックスより下についてもカットは可能だが、ネジ穴は残しておかないとフタが固定できなくなる。
逆に難しそうなのがグリップ後方からショルダーストックへの接続部だ。ここはグリップ中程から伸びているが、元ネタのデザインでは下方からストック下に接続して三角形のシルエットを形作っており、ここがデザイン上の大きなポイントになっている。従ってカットして繋ぎ直したいところだが、一方でこの内部にはトリガースイッチに繋がる配線が通してあるため、迂闊にスペースを潰すわけには行かないし、カットの際にも配線を切らぬよう注意せねばならない。
結局、ここについてはスペースを確保しつつサムホールを拡大する方向で行くことにした。
銃身は百均の塩ビパイプで自作する。

加工1:本体フレームのカット

まずは前方の銃口下部空洞を切り落としてゆく。射出用フライホイール部分が若干露出するが違和感は少なく、周辺を適当に埋めれば問題なさそうだ。
次に、グリップ前方のハンドガード部を切り落とす。マガジンリリースボタン部分については内部の補強曲線部に合わせてカットして残し、グリップ下方は直線的に断ち落とした上で曲面に合わせて削る。
グリップ後方部分は、サムホール部分の前側上方を残しつつ前側下方〜後ろ半分を切り取り、分割した上で位置をずらして貼ることにより穴を広げつつ配線スペースを確保する。また下のアーチ部分にはプラ材を接着してグリップ下に増設する直線部の基礎にする。
継ぎ接ぎの間をパテで埋め、削って形を整える。ここで直線的に平滑に、工業製品らしく加工できるかどうかが仕上がりに影響するので入念に磨く。
ついでに電池ボックスのフタも小改造。ネジで止める形式だと電池交換が面倒なため、ネジ穴を削って百均の小型強力磁石を埋め込み、フタを磁力で固定するようにした。
f:id:DocSeri:20181029221639j:plain
パテだけで形状を作り込むと細かいディティールを作り込むのが難しくなるため、ドレスアップに流用可能なパーツを物色する。
百均でこんな三角コーナーを見付けた。
kokubo.co.jp
台形の穴が連続した網形状はなかなかSFガジェットめいて使い勝手が良さそうだ。惜しむらくは三角形で左右非対称のため、両面に等しく使うには不向きなことだが……まあ左右の面を見比べることはあまりないので良しとしよう。
網部分だけを切り出す。硬度の低いポリプロピレンなのでカットはそれほど難しくない。
これをグリップ下方に貼ってみた。周囲をパテで埋めて形状を整える。

加工2:バレルの延長

続いて短かい銃身を延長する。元の銃口そのままではパイプを固定できないので、射出機構に直結する内側パイプだけ残し、外側には百均の塩ビパイプを組み込む。
もちろんこのままでは格好悪いし安定しないので、バレルを支える部分を作る必要がある。実銃の場合は銃身が過熱し素手で触れなくなるので、外側に熱を伝えにくいハンドガードを取り付けるが、そのようなイメージでアウターを組みたい。他のNERFエクステンションバレルでも、だいたいは銃身とハンドガードの二重構造になっている。
いい感じに網状構造のパーツが入手できればいいが……と百均を巡ったら、直径5mmぐらいの穴が斜め45度の網状に並んだ小物入れを見付けた。硬度の高いスチロール樹脂だ。
item.rakuten.co.jp
これをカットしてバレルの左右に並べよう。あとはバレルの根本と先端で固定すればいい。
以前にHammerShotの外装パーツをバラした時の余りパーツがサイズ的にもデザイン的にも丁度良かったので、これを小物入れの側面と接着して外装のベースとする。下半分は一度カットした上で前方にずらして接着することで「謎の斜めスリット」が発生し、SFっぽさが強調された。さらにグリップにも使った三角コーナーの網をここにも配置してみた。ただ、左側面には丁度良いのだが右側面では反転して角の丸めが行なわれていない面を表にせざるを得ないのが残念だ。
バレルにするパイプには、一定間隔で穴を空けておく。これはダーツが押し退ける空気を逃がすための穴で、少しでも空気抵抗を軽減して初速の低下を防ごうという試みだ。

延長バレルの外装は銃口の根本でネジ止めしてしまうことにした……のはいいが、実際に取り付けてみたところ、思ったより取り付け位置が低い。元にしたライフルの格好良さのひとつは銃本体の上面からバレルのハンドガード部までがツライチであることなのだが、出来上がったシルエットはそうなっていない。
NERFの電動ブラスターはダーツを上下からフライホイールで挟んで射出する形式を取るため銃口より上側に機構が突出することになり、どうしてもバレルが本体上端より一段低くなってしまうのだが、それが露骨に出てしまった格好だ。
そこで、バレルの上側に高さを水増しするパーツを増設してシルエットを合わせることにする。
本体から切り落としたパーツの一部がドットサイトっぽい形状に見えるので、これをバレル上方に取り付けてみる。また、本体との間を繋ぐためにバレルを支持する肋材を取り付けることにした。これには百均のふきん掛けを流用している(百均材料ばっかりだ)。
shop100.jp

加工3:アクセスドアの改造

HyperFireの発射機構は突起の付いたベルトが回転してダーツをフライホイールに押し込む方式だが、このベルト駆動部はダーツクリップ直上にあり、ジャム時のアクセスドアを兼ねている。しかし歯車部分のカヴァーが後方の駆動歯車と接触しないようにするため、ドアの開閉角が抑えられておりアクセスが悪い。これを改善するため、開き角を大きく取れるように改造を試みる。
ヒンジの開き角を抑える要因となっているのは、ベルト駆動歯車を覆うカバー部分と、本体フレームの接触だ。これを削って90度近くまで開くようにしてしまおう。
ただ、これによってベルト歯車部分が剥き出しになってしまうという問題も生じる。塵を噛み込んで歯が潰れるのも困るが、回転する歯車に触れて怪我をするのも困るので、ここに可動式の覆いを着けることにする。
ヒンジの後方、青いフレームの波状部には何の部品もなく、僅かながら隙間を確保できそうだ。ここに収納されるようなスライドドアを取り付けられないだろうか。
三角コーナー網の切れ端がちょうど良いサイズだったので、ネジ受け部の上を少し削って空間を作り、それに合う幅に切り取った網を入れてみる。行けそうだ。
問題はこのカバーをヒンジにどう固定するかだ。最初、柔軟性のあるフィルムを接着してみたのだが、あっさり剥がれてしまった。網に軸を接着してアクセスドア側に受けを作ることでヒンジにすることも考えたが、接着部分がすぐ外れそうな気がする。
そういえば網の方には穴があるわけで、アクセスドア側にも穴を空けて結んでしまえば……
幸い、ドアの上方はただの空間なので、ここに小さな穴を空け、細い結束バンドを通して網を結び付けることにした。仮組みしてみるとするりとドアが隙間に収まり、効果的に歯車部分を覆い隠してくれるし、意匠的にも悪くない。
f:id:DocSeri:20181111100002j:plain

加工4:タクティカルレールの増設

HyperFireにはストックやバレル取り付けのための機構だけでなく、タクティカルレールも本体前方の1箇所しかない。スコープを取り付けるには位置が悪いし、他のオプションを付ける余地もないので、レールを増設する。
5x15mmのスチロール樹脂製アングルを2枚重ねて貼り合わせたものを、長辺で背中合わせに接着するとT字型の部材が作れる。これが丁度タクティカルレールぐらいの幅になる。
f:id:DocSeri:20181024221658j:plain
固定ツメを滑らせる溝と引っ掛けるラッチは作れないが、代わりに前方から差し込んでツメで止まるように運用すればいいだろう。貼り合わせた下の材を、上の材の幅に合わせて少し斜めにカットすると差し込みやすい。

アクセスドアの上方にあったアイアンサイトは切除し、代わりにタクティカルレールを取り付ける。アクセスドア上方には空間があるので、ここをカットしてレール基部を差し込んで固定する。レール部材側は空間の幅ギリギリに作っておいて、アクセスドア側はそれより狭く中央部分を切り取り、レール部材の左右に切り欠きを入れて嵌め込めば、ガタツキもなくぴったりと固定される。ただアクセスドアのパーツが中央分割でないため左側に隙間ができるので、そこは端材で埋めてしまう。
これにより従来よりも後方、ストック頬を付けて構えた時に眼前に来る位置でスコープを取り付け可能になった。

また、延長バレル下部にもレールを取り付ける。実銃のアタッチメント用に用いられるピカティニーレールの場合は凹凸を設けてパーツの固定位置を調節できるようになっており、それを模したタクティカルレールにも凹凸のディティールが付けられていることが多いが、自作レールでは幅を調整して凹凸を作るのは些か難しいものがあるので、代わりに肉抜きでディティールを増やしてみた。

加工5:フォアグリップの制作

延長バレルのパーツとして流用したHammerShotのパーツには、下方にトリガーガードを形成する突起がある。これをどう処理するか考えた結果、HyperFireから切り取ったハンドガードをここに取り付けてフォアグリップを作ることにした。未来的フォアグリップとして人気の高いHera ArmsのCQRを参考に、パテを盛って形を作る。
item.rakuten.co.jp
グリップ後方は斜めに伸ばしたアームで本体フレームに接合し、剛性を確保した。
ここはモデルとした銃にはないパーツであり、シルエットを大きく変えてしまう部分なので悩みどころではあったが、下面のディティールアップを優先することに。

その他、ドラムマガジン側面を切り抜いてメッシュ状にするなどの改造も考えたが、ダーツの滑りに干渉してジャムの原因となりかねないため断念した。

塗装

全体をマットブラックで塗装し、明度を抑えたグレーを中心として塗り分ける方向でプランを立てる。とはいえ、グリップまわりにミディアムグレーを使うと他の塗り分けが難しい。とりあえず金属パーツを黒を混ぜたメタルカラーで塗り、ストックとハンドガード外装部をダークグレーで塗ってみた。
なお全体の塗装にはマットな質感を期待して黒板用スプレーを使ってみたのだが、これが乾燥に半日かかる代物だったために下塗りだけで数日ががりになってしまった……やはり模型用を使うべきだったか。

近くで見ると造形にも塗装にも粗が目立つが、遠目にはなかなか良い雰囲気のSF銃に仕上がったので満足。
f:id:DocSeri:20181111123030j:plain




はじめてのカメラ選び:レンズが安いマウントを探す

レンズ交換式のカメラは、交換レンズを取り揃えてこそ意味がある。しかし何本も買うとなると金額が問題になってくる。
最初にボディとレンズのセットを安く買えるとしても、その他のレンズが高価いようでは苦しい。
そこで、レンズマウントごとに基本的なレンズ群の価格(と、ついでに重量)を調べてみた。とりあえず「はじめてカメラを買う」時のことを想定し、高価な35mm判フルサイズは除外してAPS-C以下の一般的な国内メーカー製品を取り上げている。
なお、価格情報は価格comの2018年10月初頭時点でのもので計算しており、時期により多少の変動があろうかと思うので参考値ということで。

ミラーレス

マイクロフォーサーズ レンズ 価格 重量
広角ズーム オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 ¥51,442 155g
標準ズーム パナソニック LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II ASPH./MEGA O.I.S ¥15,500 110g
望遠ズーム パナソニック LUMIX G VARIO 45-150mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S. ¥21,760 200g
小計 - ¥88,702 465g
標準単焦点 パナソニック LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH. ¥19,350 125g
マクロ オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro ¥26,800 127g
小計 - ¥46,150 252g
総計 - ¥134,852 717g
キヤノンEF-M レンズ 価格 重量
広角ズーム CANON EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM ¥34,000 220g
標準ズーム CANON EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM ¥23,938 130g
望遠ズーム CANON EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM ¥34,284 260g
小計 - ¥92,222 610g
標準単焦点 CANON EF-M32mm F1.4 STM ¥58,895 235g
マクロ CANON EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM ¥31,576 130g
小計 - ¥90,471 365g
総計 - ¥182,693 975g
富士フイルムX レンズ 価格 重量
広角ズーム 富士フイルム フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS ¥84,980 410g
標準ズーム 富士フイルム フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ ¥31,980 135g
望遠ズーム 富士フイルム フジノンレンズ XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II ¥36,450 375g
小計 - ¥153,410 920g
標準単焦点 富士フイルム フジノンレンズ XF35mmF2 R WR ¥36,449 170g
マクロ カールツァイス Touit 2.8/50M ¥97,670 290g
小計 - ¥134,119 460g
総計 - ¥288,404 1210g
ソニーE(APS-C) レンズ 価格 重量
広角ズーム SONY E 10-18mm F4 OSS ¥69,800 225g
標準ズーム SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS ¥29,010 116g
望遠ズーム SONY E 55-210mm F4.5-6.3 OSS ¥28,380 345g
小計 - ¥127,190 686g
標準単焦点 SONY E 35mm F1.8 OSS SEL35F18 ¥35,800 154g
マクロ SONY E 30mm F3.5 SEL30M35 ¥19,800 138g
小計 - ¥55,600 292g
総計 - ¥182,790 978g

ミラーレス機では、やはりマイクロフォーサーズの安さと軽さが突出している。ズームレンズのみの合計ならばEF-Mもそう高価くはないのだが、単焦点が割高なため総計では1.5倍近い差がある。また重量で見ても、APS-Cがほぼ1kg弱の重さとなっているのに対しマイクロフォーサーズは3割ほど軽い。
APS-C機の中では唯一の「主力ライン」である富士フイルムX系はレンズにもかなり力が入っており、それが価格にも跳ね返っている格好だ。もう少し「撒き餌」を用意してもいいのでは……

一眼レフ

キヤノンEF(APS-C) レンズ 価格 重量
広角ズーム CANON EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM ¥30,280 240g
標準ズーム TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical ¥17,930 434g
望遠ズーム CANON EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM ¥25,000 375g
小計 - ¥73,210 1049g
標準単焦点 TOKINA AT-X M35 PRO DX 35mm F2.8 ¥53,978 340g
マクロ CANON EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM ¥38,479 190g
小計 - ¥92,457 530g
総計 - ¥16,5667 1579g
ニコンF(APS-C) レンズ 価格 重量
広角ズーム ニコン AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR ¥33,300 230g
標準ズーム TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical ¥17,930 440g
望遠ズーム ニコン AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED ¥14,580 335g
小計 - ¥65,810 1005g
標準単焦点 ニコン AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ¥19,760 200g
マクロ TAMRON SP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1 ¥29,508 390g
小計 - ¥49,268 590g
総計 - ¥115,078 1595g
ペンタックスK(APS-C) レンズ 価格 重量
広角ズーム TAMRON SP AF 10-24mm F/3.5-4.5 Di II LD Aspherical ¥30,743 406g
標準ズーム TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical ¥17,930 440g
望遠ズーム ペンタックス smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6ED WR ¥24,696 285g
小計 - ¥73,369 1131g
標準単焦点 ペンタックス smc PENTAX-DA 50mmF1.8 ¥9,974 122g
マクロ ペンタックス HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited ¥45,276 214g
小計 - ¥55,250 436g
総計 - ¥128,619 1345g
ソニーA(APS-C) レンズ 価格 重量
広角ズーム TAMRON SP AF 10-24mm F/3.5-4.5 Di II LD Aspherical ¥30,743 406g
標準ズーム TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical ¥17,930 434g
望遠ズーム シグマ 18-50mm F2.8-4.5 DC OS HSM ¥21,455 395g
小計 - ¥70,128 1235g
標準単焦点 シグマ 30mm F1.4 DC HSM ¥34,930 435g
マクロ TAMRON SP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1 ¥38,313 390g
小計 - ¥73,243 825g
総計 - ¥143,371 2060g

キヤノンの標準単焦点で35mmの最安はマクロレンズだったので、そちらはマクロ側で登用し次点を採用した。スペックが近い上に価格、重量とも勝るのだから実質的に両方を買うことはないと思うが、それを言うなら明るい標準マクロのあるマウントはいずれも標準単焦点が不要と言えることになり、比較が面倒になるので便宜的なものである。仮に35mmマクロを2本分として計上するなら、合計金額で1万5千円ほど、総重量で150gほど下がることになる。
総じてAPS-Cサイズ一眼レフはレンズが安い。ニコンなどは合計わずか11万強とマイクロフォーサーズよりも2万円以上安い。サードパーティ製が充実しているのが価格面でも優位に働いているのは間違いないが、決して純正品が高価というわけでもなく、たとえばペンタックス単焦点などは1万円を切る圧倒的な安さを見せる。
驚くべきはソニーAマウントで、すべての安価なレンズがサードパーティ製品である……というか、どうやらソニー製のAマウントAPS-C用レンズは既に一般店頭販売を終了し自社通販のみとなっているようだ。Eマウントのフルサイズ化に伴い事実上クローズしたラインとはいえ、あまりに扱いが小さい……
ただ、安価な反面でレンズの重さはミラーレスの1.5〜2倍もあり、本体も大振りであるため携帯性の面ではミラーレスに分がある。安さを取るか軽さを取るかは悩みどころだ。

なお、上記はあくまでズームレンズ3本と単焦点レンズ2本を個別に購入した時を想定しての金額であり、たとえばレンズキットでこれらのうち1〜2本が代替される場合はその分だけ残りの金額が変わってくる。たとえば標準ズームと望遠ズームの附属するダブルズームキットは5〜10万円ぐらいで購入可能だが、これを購入することで標準ズームおよび望遠ズームを別途購入せずに済ませられるならば実質3〜7万円分ぐらい安くなると見做せることになる。

関連記事

docseri.hatenablog.jp

環境型水族館「アクアマリンふくしま」

福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」へ行ってきた。
www.aquamarine.or.jp
シーラカンスの研究などでも知られる、環境展示・体験学習型の水族館である。

交通

水族館の最寄駅であるJR常磐線泉駅までは、上野駅から特急ひたちで2時間ほど。運賃3670円+特急券2200円で行ける(もちろん普通列車のみでも行けるが、3時間半ほどかかる)。
特急には停車駅の少ない「ひたち」と停車駅の多い「ときわ」があり、上野駅からはひたちが毎時丁度、ときわが毎時30分に出ている。
当初は8時発に乗って10時過ぎぐらいの到着を予定していたのだが、上野駅ナカのecuteは8時にならないと開店しないため、朝御飯を買う時間もない。駅弁の売店ならば6時半から開いているしコンビニで済ます手もないではなかったのだが、それは些か味気ないということで、結局ecuteが開くのを待って弁当を調達し、9時の便で行くことにした。
私が購入したのはeashionの牛焼肉・ハンバーグ弁当。2種類の味が楽しめて満足感が高い。
f:id:DocSeri:20180924090116j:plain
(ところで弁当販売店の公式サイトを見たが「メニュー」のすべてがnot foundになってるのはどうかと思うので、ちゃんと整備していただきたい)

特急ひたちは全席指定であるが、席を予約しなくても乗ることはできる。座席上の荷物置き場にランプが点灯しており、緑は現区間が予約済みの席、黄色は次の区間から予約客のいる席、赤は空席であるため座っていても良い(もちろん、途中で予約客が乗ってくる場合はどかねばならないが)。なお行きは空席もあったが帰りの便は水戸以南で全席満席であったので、予め座席の予約をおすすめする。
上野から水戸までの1時間あまりはノンストップ、ここまでは実に特急らしいのだが水戸を過ぎると途端に停車駅が増え、1〜3駅ごとに停車するようになる。特段乗換駅でもない上下2面ホームの小さな駅にも停まる。
まあ泉もそんな感じの駅の一つで、ここに停まってくれるからこそ比較的短時間で水族館まで行けるのだが。
Google StreetViewで駅舎を見ると結構立派な感じを受けるが、駅前にあるのはバス停とタクシー乗り場のみで賑わいが感じられない。駅自体もホーム2面のみ、売店もなく、それどころか改札内に乗越清算/Suicaチャージャーもなかったのは驚いた。
利用者の最も多い通勤時間帯の7時台を除けば、20〜30分に1本の電車しかない。特に特急待ちの場合は最大1時間近く待つことになるので、それなら時間潰しを当て込んだ店がありそうなものだが、地元は完全に車社会なのでそういう需要に乏しいのだろうか。

ここから新常磐交通バスで最寄りバス停である「イオンモール小名浜」へ。なおバスは1時間あたり2本ほどしかなく、列車の発着時間と連動もしていない。またSuicaなど交通ICカードには対応しないため整理券を取って小銭で支払う必要がある。運賃は大人270円。
バスで走ること15分ほど、イオンモール前のバス停に到着する。ここは差し渡し300mほどもある大型の複合商業施設で、近隣にある漁港の魚市場/食堂街である「いわきら・ら・ミュウ」、それに「アクアマリンふくしま」を含めた一角がこの付近で一番のレジャースポットということになる。
f:id:DocSeri:20180924120829j:plain
バス停からイオンモールに入り2階へ上がると、車道を越える橋を渡り港側へ出ることができる。港側に向かって右側に見える湾曲したガラス張りの建物が、目指すアクアマリンふくしまだ。
f:id:DocSeri:20180924121856j:plain

館内

入るとまずは「縄文の里」と題したビオトープをぐるりと回るトンネルがある。ただ、現時点ではビオトープを外側から眺めるのみで、途中いくつかの生物展示がある以外にはあまり見るべきところはない。
f:id:DocSeri:20180924124350j:plain
トンネルの終わりにユーラシアカワウソの水槽があり、それを抜けると本館に続く道に出る。面倒ならこの一角は迂回して直接本館に向かっても良い。
f:id:DocSeri:20180924124520j:plain

本館は港に面する左側が一面、湾曲したガラスで覆われている。右側はコンクリートの箱型構造だが、その上側を覆うようにガラス面が伸び、屋上は日当たりの良い温室状になっている。
f:id:DocSeri:20180212134323j:plain
本館エントランスから、まずは古代生物のコーナーを抜ける。
f:id:DocSeri:20180924125538j:plain
最大の板皮魚類ダンクルオステウスの模型は迫力だ。
f:id:DocSeri:20180924125607j:plain
化石を見ながらエスカレーターで屋上温室部分へ上がる。
f:id:DocSeri:20180924125728j:plain
f:id:DocSeri:20180924125733j:plain
屋上に広がるのは、ミスト散布により湿地帯を形作る「ふくしまの川と沿岸」コーナー。
f:id:DocSeri:20180924125905j:plain
f:id:DocSeri:20180924125947j:plain
長い森の折り返しで、目の前に飛び込んでくるのは「潮目の大水槽」の水面近くを駆け巡るイワシの群れだ。
f:id:DocSeri:20180924130441j:plain
f:id:DocSeri:20180924130307j:plain
この水槽は途中で区切られており、左側が黒潮、右側が親潮になっている。北海道の南東から本州の太平洋岸沿いに南下してくる親潮と、房総半島から北上してくる黒潮とがちょうどぶつかり合う「潮目」が福島県宮城県の沖合あたりに位置し、それが水槽の由来である。

親潮を過ぎると、その向こうには北の海に暮らす水鳥や海獣の展示水槽がある。入館前から響いていた吠え声は、ここにいるトドのものだ。
f:id:DocSeri:20180212140332j:plain
f:id:DocSeri:20180212140717j:plain
さて、開放的な屋上から館内に戻り、今度は漁業などに関する展示の並ぶゾーン。ここにはクジラの骨や南極の氷、ニホンウナギの調査など、生きた魚からちょっと離れた(やや地味な)内容が多い。
f:id:DocSeri:20180212140842j:plain
f:id:DocSeri:20180924130848j:plain
f:id:DocSeri:20180924130938j:plain
そこを抜けるとふたたび屋上の、今度はアジアの水辺コーナーへ。
f:id:DocSeri:20180924131536j:plain
f:id:DocSeri:20180924131502j:plain
f:id:DocSeri:20180924131408j:plain
f:id:DocSeri:20180212141811j:plain
熱帯植物の間を抜けると、そこは珊瑚礁の水槽である。温かな海に棲む色とりどりの魚が目を引く。
f:id:DocSeri:20180212142302j:plain
f:id:DocSeri:20180212142545j:plain
その先にはふたたび潮目の大水槽。
f:id:DocSeri:20180924134320j:plain
以前は左右の階段から直接降りられたが、今の順路は一旦この水槽前を通過することになっているようだ。何故かここには寿司屋があり、潮目の握りを食べることができる。
f:id:DocSeri:20180212143737j:plain
寿司屋の先にはオホーツク海コーナー。
f:id:DocSeri:20180924132748j:plain
f:id:DocSeri:20180924133440j:plain
ヒラヒラと細い触腕を棚引かせるのはドフラインクラゲ。
f:id:DocSeri:20180924132815j:plain
f:id:DocSeri:20180924132732j:plain
ぽってりと丸いのはシロクラゲ。
f:id:DocSeri:20180924133534j:plain
f:id:DocSeri:20180924133449j:plain
f:id:DocSeri:20180924133545j:plain
クリオネは小さくてよく動くので撮るのが大変だ。

さて、潮目の大水槽まで戻ると、潮目に当たる隔壁部分が三角の通路になっているのがわかる。ここからはふたつの水槽を一度に見ることができるだけでなく、通路の壁がプリズムや万華鏡のような効果を生む、なかなかの写真スポットでもある。
f:id:DocSeri:20180212142928j:plain
三角形のトンネルを抜けた先には「ふくしまの海」、ここは大陸棚の先にある深度200m以上の深海水槽エリアである。
f:id:DocSeri:20180924134428j:plain
f:id:DocSeri:20180924134534j:plain
f:id:DocSeri:20180924134850j:plain
f:id:DocSeri:20180924134709j:plain
f:id:DocSeri:20180924134716j:plainf:id:DocSeri:20180924134659j:plain
ヨシキリザメやギンカガミ、タカアシガニにキタミズクラゲなど、青暗い水の中にほのかに浮かび上がる生物の姿は、人の目には充分な明るさだがカメラに収めるには厳しいものがある。
暗いゾーンを抜けて情報エリアの先へ進むと、南国の明るい浅瀬水槽があり、色鮮やかな熱帯の魚を真横や真上から見ることができる。
f:id:DocSeri:20180924135213j:plainf:id:DocSeri:20180924135208j:plain
下へ降りるとミュージアムショップとレストラン、他にシアターや展望塔も。
f:id:DocSeri:20180924141201j:plain
ここから左へ進み入口側へ戻ってもいいが、今回は右手側の体験学習エリア「アクアマリン えっぐ」へと向かう。ここは子供にも見やすいように背の低い、周囲からぐるりと見ることのできる小さめの水槽が並び、魚だけでなく昆虫や蛇なども展示されている。
f:id:DocSeri:20180924140051j:plain
f:id:DocSeri:20180924140805j:plain
f:id:DocSeri:20180924135923j:plain
f:id:DocSeri:20180924135925j:plain
f:id:DocSeri:20180924140655j:plain
f:id:DocSeri:20180924140225j:plain
f:id:DocSeri:20180924140233j:plain
f:id:DocSeri:20180924135652j:plain
f:id:DocSeri:20180924140153j:plain
f:id:DocSeri:20180924135726j:plain
外へ出ると釣り体験や磯の生物に触れられる蛇の目ビーチ、ぐるりと外周を通り抜ければビオトープの先にふたたび館内へ戻る入口がある。
この先エントランスホールには金魚展示エリアがあったのだが、今は改修のため撤去されている。
f:id:DocSeri:20180212144341j:plain
順路の最後はエントランスホール中腹にあるシーラカンス展示エリア。
f:id:DocSeri:20180212144448j:plain
タマカイはスズキ目の魚で、シーラカンスの属する肉鰭綱とは4億年前に分かれた別グループの魚だが、その中では形態・習性ともシーラカンスに似ているため、ここで展示されている。
f:id:DocSeri:20180212144909j:plain
f:id:DocSeri:20180212144922j:plain
シーラカンスの標本(インドネシア種・アフリカ種とも)、
f:id:DocSeri:20180212144844j:plain
絶滅した大型シーラカンスの化石やヒレの動きを模したロボットなども。

外へ出るとクウェート・ふくしま友好記念庭園の先にフェネック館が。
f:id:DocSeri:20180212150146j:plain
残念ながらここも現在は改修中だ(金魚はこちらに移動するらしい)。

撮影

今回は水族館内の撮影を前提にカメラをセッティングした。
水族館は全体的に暗いので、オートで撮るとシャッタースピードが遅くなりがちだ。しかし水槽内には水の動きがあり海藻や水棲生物もじっとしてはいない。特に魚は結構素早く動くので、シャッタースピードはなるべく早くしたい。そこで画質の荒れには目を瞑り、ISO感度上限を高めに設定してISOオートで撮ることにし、シャッタースピード優先モードで1/200〜1/250ぐらいにしておく。これで手ぶれや被写体ぶれは大体防げるはずだ。
もちろん、ISO感度は低めに撮れるに越したことはないのでレンズも明るいものを使う。今回は小さな水槽に寄って撮ることも考慮して標準画角の30mm F2.8マクロと寄れる中望遠の42.5mm F1.7を選択。

いつもiPhoneで撮影する妻は流石に水族館では撮れない範囲が広いと思われるので、明るくて130gと軽い42.5mmは、小さくて200gしかないLUMIX GM1に装着して彼女に貸すことにする。ストラップ込みで重量たった360gなので、2台持ちでも負担になりにくい。
ズームできないので撮影範囲の調整には戸惑っていたようだが、「流石にiPhoneより綺麗に撮れる」と満足してもらえたので持って行った甲斐があった。
ただ、暗いエリアのクラゲを撮ろうとした時にAF補助光が水槽に反射してピントが合わない問題があった。補助光を切ってクラゲは撮影できたが、より暗い深海エリアではコントラストAFの限界域を下回りまともにピントが合わなくなってしまった。この辺は低感度に弱いマイクロフォーサーズの限界だろうか。
もっと明るいレンズが欲しくなるような気もするが、F1.2シリーズでは高価な上に最大撮影倍率が低いので寄って撮りたい時には使えないし、それ以上に寄れるレンズはF2.8からとなる。それを考えると最短31cm(撮影倍率0.4倍相当)の42.5mm F1.7は水族館用にはベストチョイスかも知れない。

ピントの問題だけでなく、水族館の撮影では水と水槽による屈折が問題になる。真正面に近い角度で捉えないと、ピントが合っていても収差による色滲みなどでぼやけた写真になってしまう。

食事

漁港の付近だけに、この付近には海鮮系の食堂が多い。地元の名物料理はどうやらカジキらしく、イオンモールの橋を渡ったところにある「美食ホテル」はカジキ料理の店ばかりだった。
おすすめは「いわきら・ら・ミュウ」。ここは魚市場と食事処の複合施設なのだが、魚市場側では串焼きの店舗やその場で買った海鮮を焼いて食べられるバーベキュー場などもある。
f:id:DocSeri:20180924144218j:plain
f:id:DocSeri:20180924144101j:plain
www.lalamew.jp
館内のレストランには海鮮丼や天ぷら、煮付けなどの店が並ぶ。その中の、刺身と煮付けの店「さかな処 まさ常」で食べたドンコの煮付けが絶品だった。柔らかい身もぷるぷるの皮も美味しいが、なんといってもとろけるような肝は一度ならず味わいたい。
f:id:DocSeri:20180924151101j:plain
f:id:DocSeri:20180924151026j:plain