ボードゲーム評:エルダーサイン

邪を退けるとされる《古き印》の名の通り、クトゥルフ神話をモチーフとした協力型ダイスゲームである。

エルダーサイン改訂2版 完全日本語版

エルダーサイン改訂2版 完全日本語版

エルダーサイン 拡張セット 見えざる軍団 完全日本語版

エルダーサイン 拡張セット 見えざる軍団 完全日本語版

最初に言っておく:おすすめできない。

ゲームの目的は「邪神の復活(=「破滅トラック」が満たされる)前に「古き印」を規定数集める」ことである。古き印を手に入れるためには「冒険カード」に挑み、そこに書かれたタスク(=特定の目の組み合わせ)を6個のダイスを振って満たせばいい。
冒険のタスクを達成できれば報酬が得られ、失敗すればSAN値やHPが減ったり、あるいは破滅トラックが1進んだりする。

冒険カードのタスクにも色々な組み合わせがあり、探索者には固有の能力があるので、てっきり「それぞれの能力特性を生かし分担して冒険を達成してゆく」のかと思ったのだが、やってみると能力にはそれほどの差がないというか、有利不利はあるのだが「どのタイプのタスクが得意」という感じではないようだ。結局のところ振るダイスは全員共通なので当然といえば当然の話だが、しかしキャラを選ぶ意味が薄いような気はする。

協力型ゲームの常として目標の達成難易度は高いのだが、エルダーサインの場合そもそも各冒険カードの難易度が高い。各ダイスは記号3つ数字+1〜3の数字から成るのだが、冒険タスクが「Aと合計3/Aと合計6」の2つあったりすると、最低でもAの目が2つと3の目が3個、合計5ダイスが必要になる。しかし初期状態で振れるダイスは6個だから、まったく余裕がない。
アイテムの消費によって目のひとつが4の目になっている黄ダイスとワイルドカードになっている赤ダイスを追加できるし、あるいは「手がかり」トークンによって任意のダイスのみ振り直しが可能だが、逆にこれらがなければ達成はそもそも不可能に近く、しかしその補給のためには冒険を達成し報酬を得るか、あるいは達成による「得点」を消費して買うぐらいしか手がない。「冒険の達成のためには冒険の達成が必須」みたいな形である。

更に悪い知らせがある:冒険カードによって「ダイスがロックされる」。ロックされたダイスは、その冒険を達成しない限り使えなくなるのだが、冒険を達成するためにはダイスが足りないという、まさに手も足も出ない状態が簡単に発生する。つまり詰む。

協力型ゲームの最有力である「パンデミック」をはじめ、多くの協力型ゲームでは、ゲームが進むにつれ破滅が加速するよう設計されている。ゴールが遠いうちはゲーム展開もさほど厳しくなく、近付くにつれ状況がどんどん悪化してゆき、ゴールが先か破滅が先か終盤までわからないバランスだ。
それに対しエルダーサインは、「ゲームが進むにつれできることが減ってゆく」。すぐに手の打ちようがなくなって、破滅トラックを待つまでもなくゲームを放棄したくなる。

なんでこんなデザインにしてしまったんだろう。それとも私が何かルールを読み間違えているのか。

昭和十年 帝都伝奇SRPG「デモンズゲート 帝都審神大戦」

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関東大震災(大正12/1923年)から12年、災禍の爪痕も癒え、帝都の町並みも一新された頃。
日露戦争以来の租借地である満州で事変があり、満州国の建国(昭和7/1932年)が成ってから3年。
日独が国際連盟を脱退して2年。支那事変からの日中戦争まで2年、真珠湾攻撃からの太平洋戦争まで7年。
昭和10年とは、そういう時代だ。

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近年、帝都には怪人が跋扈する。皆、何かに取り憑かれたように言動不明、常人とは思えぬ膂力を発揮し、そして──「祓うことができる」。
詳しいことは不明だが、山王機関の技師や研究者の説明に拠れば、怪人とはどうやら心のバランスを崩した人間が「セヒラ」なるエネルギーに触れた時に「なる」ものらしい。
山王機関はそれら怪人を祓い帝都を鎮定し治安を守るために設立された、陸軍第一連隊附属の特務機関である。
主人公は「この世ならざる存在」、魔神を見、また使役することのできる「審神者」であり、機関の実動要員としての職務に就いている。

まあ要するに昭和初期ノスタルジーの異能伝奇バトルでありオカルトパンクなスマートフォン向けSRPGである。
画面は隅々まで時代の雰囲気を感じさせるように作り込まれ、 オープニングムービーには主題歌まで付いている( 既にiTunesで配信されているシングルを見る限り、エンディングにも歌があるようだ)。

(なお、魔神のじんは正確には「神」の下に「人」であるが単一字では表記できないので便宜的に魔神と記述している)

ゲームシステム

5x8のスクウェアマップによるターン制バトルを中心とした簡易なテキストアドベンチャー。基本的には「事変(メインクエスト)」あるいは「特務(サブクエスト)」を選択し、その中で出現する「怪人」と戦闘を繰り広げる、という流れだ(ただし戦闘は物理的なものではなく、周囲には「一瞬で相手が崩れ落ちた」ようにしか見えない)。

バトルは主人公の携行する「魔神指揮盤」画面上で展開される(という設定で戦闘時描写は召喚および攻撃時の魔神モーション以外すべてアイコンのみ)。最初に「エーテル」を消費して魔神を召喚し、その後、現在の「俊敏力」合計の高い方から行動する。
エーテルの初期値は5で、魔神はそれぞれに異なる召喚コストを持つ。だいたいは(レアリティの低いものは)1〜2程度。使い切っても毎ターン2づつ回復するし、撃破された魔神のコスト分は戻ってくる。火力的にも俊敏力的にも、召喚数が多い方が有利になるので、なるべく使い切るつもりで行動したい。
魔神はそれぞれに機動力(青で示された移動可能範囲)と射程(赤で示された攻撃可能範囲)を持ち、これをスライドさせて敵魔神に攻撃可能範囲を重ねると白で「ロックオン」マーカーが出現、そのまま指を離せば移動と攻撃が確定となる。キャンセルしたい場合は元の位置まで戻すか味方に重ねる、画面外へ出すなど。
攻撃時、同じ敵を攻撃範囲に収め、かつその敵の攻撃範囲には入っていない味方魔神が同調攻撃を行なう(支援)。これを活用すると同じ魔神を1ターン内に複数回攻撃させることが可能となり、火力が跳ね上がる。

また魔神には五行に対応した属性があり、相剋の関係に応じてダメージが変化するほか、旧神や機神、巨神などの「種族」が定められており、月齢に応じて能力が変動する(敵魔神のみ)。更に人型・四足・飛行など移動パターンに違いがあり、「兵器」に対する反応に差異が出たりするが、さしあたってこの辺りは慣れるまでは考えなくていいだろう。

召神ガチャと強化

戦闘で重要なのは2つ、「俊敏力の合計で先攻できるかどうかが変わる」「敵の範囲外から射程を重ねると支援効果の相乗で火力が格段に上がる」だ。これさえ押さえておけば、敵配置に応じて最適位置に魔神を召喚し瞬時に敵戦力を削ぐことができる……のだが。
そのためには充分な魔神のストックを持ち、戦力を選別できなければならない。なるべくエーテルコストが安く、なるべく広い射程を持ち、なるべく火力と俊敏力の高い魔神を。つまりガチャ重要、ということになる。

ガチャには3種類あり、R〜SSRのみが出現する課金ガチャ「特等召神」は1回40セフィラ(10セフィラ120円=1ガチャ480円)とかなり高い。普通召神と一等召神はほとんど同じで、一等の方は1割弱の確率でRが含まれるが普通の方はCおよびHCのみ、というだけの差だ。ただし普通召神がゲーム内通貨「圓」のみで回せるのに対し、一等召神には通信による他プレイヤーとの作戦で得た「軍功」が必要となるため、いささか敷居が高い。
もっとも、レアならば強いとは限らないのがこのゲームだ。レアリティの差はレベル上限=スペックの差になるし、高レアには「スキル」を持つものがあり敵の防御力減少や行動抑制など状況を有利に展開する能力を発揮するが、エーテルコストが高ければ召喚のみならず戦力組込みにも苦労するし、機動力や射程が低ければ支援が発揮されにくい。この後どうなるかはわからないが、少なくとも現時点ではレアガチャを回すよりも低レアリティの中から利用価値の高い魔神を強化する方がよほど重要だ。

なお戦闘による経験蓄積はなく、強化は戦闘報酬としての「石」と魔神の合成でのみ行なわれる。石には5属性3レアリティがあり、レア度の高いものほどレベルの伸びが大きく、また属性が合っているものの方が伸びが大きい。ただし合成時には現在のレベルと合成数に応じた圓がかかるので、可能な限り低レベルの状態で最大限の石を突っ込んで一気に最大レベルまで持って行きたいところだ。
同型の魔神があれば「覚醒」合成を行なえる。この時に用いる魔神は名前だけでなくレアリティ、型式とも一致する必要があるが、覚醒それ自体はレベルに関わらず行なえるので、1レベルのうちに覚醒させておいて限界突破したレベルまで引き上げるのが良い。ただし(不親切なことに)覚醒固体と非覚醒固体は詳細画面で最大レベルを確認する以外の方法では見分けられない(合成など行なおうとする場合には「覚醒済み魔神を材料にするが大丈夫か」という確認が出る)。
そしてR以上の魔神に限り、「進化」が行なえる。進化のためには撃破した魔神から得た「パーツ」が必要になり、これを効率良く得るためにも共同作戦が必要になる。

推奨魔神

一章の中盤頃から、敵魔神の性能に苦戦するようになってくると思う。ガチャだけでなく性能強化も必要になる頃合いだ。
個人的に強力だと思う魔神をいくつか紹介しよう。あくまでスペック確認可能な手持ち魔神の中からの紹介となるので、これ以外にも強い魔神があったり、「同じ魔神ならこっちの型の方が」といったことはあるかも知れないがご容赦願いたい。

損種バール、イ式ネコマタ、イ式サロス

最初からいる1体と帆村から貰う1体、最初のレアガチャで引く1体。これらはいずれも強力な性能を持っている。まずはこの3体を最大レベルまで強化することを目標としたい。
ネコマタは4という最長の射程に加え高い機動力で柔軟に支援を行なえる良キャラだが、育てると俊敏力も6000を越え、先制確保も含めて戦力の主軸として活躍する。
バールは射程2に機動2とネコマタよりも見劣りするが、代わりに耐久力が高く、また横方向へ攻撃できるのがなかなかに使える。また俊敏力も6000を越えるのでこちらも先制に有意。
サロスはなんといっても9000近い攻撃力と防御ダウンのスキルが魅力。耐久も2万を越え、俊敏も6000に迫るが、前方射程が1、機動も2しかなく、かつコスト3のため初期に配置するにはやや躊躇する。

HC鹵獲型ネコマタ

スペックではRのネコマタに大きく見劣りするものの射程4は健在で、にも関わらず召喚コスト1で済むのが魅力的である。Rほどではないが俊敏も3700あり先攻確保の一押しに役立つ。

サブノック

前方射程3左右2ブロックに攻撃可能な、複数範囲長射程が特徴。俊敏もそこそこ。後方から重ねると効果的。

ムスッペル、イブリース

前方に広がった射程2は、複数の敵を一網打尽にし得る使い勝手の良さを発揮する。Cでは機動3かつエーテルコスト1と使い勝手が良いものの火力・耐久力に劣り、HCでは機動が2に落ちコストが2に上がるものの火力・耐久が強化されるので、バランスを見て選びたい。

シャンタク

範囲は狭いが射程2で火力が高く、また驚異的な俊敏力を有する(HC量式シャンタク30Lvで11811)。速度差による負けは、これ1体いれば覆せるだろう。

nasneの接続障害とその回復について

(結論だけ先に記しておく:nasneの電源が落ちたら復帰時にルータも再起動すること)

PS3が映像を出力できなくなってしまった。諸般の事情でテレビの受像機が壊れており、辛うじてtorneでしか受信できない環境だったのでこれは大変困る。というわけでPS4+nasneに乗り換えた。
ところで我が家は部屋の入口付近に電話回線のポートがあり、そこに光回線のモデムとそれに接続したWi-Fiルータが置かれている。
一方、TVのアンテナポートは反対側の壁にある。従ってnasneはそちら側に置く必要があるのだが、困ったことにnasne自体には有線のEtherポートしか備わっていない。部屋を横断するわけには行かないし、さりとて床下埋設もできない、天井を這わせるのも厳しい。
となるとUSB=Wi-Fiアダプタで接続するのが良かろう、というわけでNasneを無線LANで快適に利用するまで | tipsBearを参考にBUFFALOのWLI-UTX-AG300/Cを購入した。

BUFFALO 11n/a/g/b 300Mbps 簡単無線LAN子機 WLI-UTX-AG300/C

BUFFALO 11n/a/g/b 300Mbps 簡単無線LAN子機 WLI-UTX-AG300/C

設定にあたり問題となったのがこのアダプタ自体の設定で、なにしろMacBook ProにはもはやEtherポートがない。まあUSB=Etherアダプタでも買えば済むのだが、なにぶんコレの設定のためにしか使わないであろう機材なので、それも馬鹿馬鹿しい。幸い、娘に下げ渡したMacBookにEtherポートがあったので一時徴発して設定を済ます。
で、アダプタを差し込むだけでnasneのネットワーク接続は滞りなく完了し、快適に使用していた、のだが……

ブレーカーが落ちた。

台所はオーブンレンジや炊飯器など消費電力の高い機材が集中するエリアで、うっかり同時利用すると落ちやすいのだが、困ったことに居間側の半分も台所側電力からの分電であるらしく同時に落ちる。そういうわけでネットワークまわりやゲーム機などもたびたび突然の電源喪失に遭っている。
先日もそんなことがあって、すぐに復旧したのだが、どうやらこの時にnasneだけがネットワークへ再接続できていなかったらしい。

ということに1週間ぐらい経ってようやく気付いたのは、つまりそれぐらいTVなどを見る頻度が低いからなのだが、それはさておき復帰の方法がわからない。
なにしろPS4=torne側では「接続されていません」としか出ず設定をいじるようなことは不可能で(まあそもそもWi-Fi経由でしか接続していないのだから当然といえば当然なのだが)、一方nasne側についても特段設定などはしていないのだ。
となればWi-Fiアダプタの設定が飛んだのだろうかと、ふたたび娘のMacを徴発して設定を確認するも特に問題はなく、しかしnasneに戻してみてもやっぱり接続はできない。

nasneの動作を見ると、IPステータスランプがゆっくり明滅しており、これはどうやら「AutoIP」機能が働いてIPを169.254.0.1に自動設定している状態だという。家庭内のローカルアドレスは192.168.x.xだから勿論それでは接続できるはずがない。とりあえずIPを固定に設定してしまおうかと、また娘のMacを借りて今度はnasneと直結してみる。
ブラウザからnasne Homeを開き、首尾よくIPアドレスを固定で割り振ったものの、何故か新アドレスでnasne Homeが開けなくなった……というか、404になるのではなく「背景のPSマークは表示されてくるのにメニューは見えない」状態にある……これはアクセスできているのかいないのか、どっちだ。
この状態でnasneWi-Fiアダプタと接続してみてもPS4から認識できないのは相変わらずで、しかしMacの側からも設定を変更できなくなってしまったので止むを得ずIPリセットボタンで設定を戻す。

この時点でかなりお手上げ気味だったのだが、「ルータに古い設定情報が残ってて不整合起こしてるのでは?」という指摘があり、一度ルータを再起動してみることにした。
元々、停電からの再稼動時にもMaciPad3DSなどは問題なく接続復帰しておりルータについてはあまり疑っていなかったのだが……果たして再起動の後、nasneはあっさりとネットワークに復帰した。なんとも灯台元暗しというか……
なおネットワークから遮断されていたnasneであるが、既に設定されていた録画に関してはきっちり務めを果たしており遮断期間中の番組もちゃんと後から観ることができた。そういえばPS4本体を起動してなくても録画できるのがウリであったっけ。
ともあれ、「ブレーカーが落ちたらnasneを確認せよ/接続できていなければWi-Fiルータを再起動せよ」という教訓を得たので、何かの参考になることもあろうと、ここに記す。

図書館の騎士団:打ち捨てられた武と知の物語

スウェントヴァイトという都市がこの世界に存在したことはない。つまりこれは架空の世界だ。だが所謂「竜と魔法の存在する」ファンタジーではなく、実在しないというだけでその様相は全くの中世欧州のそれである。
スウェントヴァイトは知の砦だ。古今東西あらゆる書を集めた書院を有し、それを守護する3つの騎士団を保有している。

この時代、本は宝と同義である。羊の皮を剥ぎ毛を削ぎ脂を煮溶かし、水で張り伸ばした皮を乾かしては薄く滑らかに研いでゆく。そうして一月もかけて出来上がる羊皮紙はたった数枚。それに文字を丁寧にペンで書き込み、要所には挿絵を入れ、また余白にも模様を書き込み、それらに様々な鉱物を微粉末にすり潰し卵白などで溶いた絵の具で着彩し、金箔を膠で貼り付けてゆく。1冊を書き切るまでに半年〜1年以上を要することも珍しくはない。それほど金と手間をかけて書かれるので、装丁も相応に豪華でなければならず、だから金銀や宝石で装飾された。
また知はそれ自体が力であり、宝でもある。だから軽々に盗まれぬよう、厳重に管理されねばならない。書庫は最奥にあり厳重に施錠されるものだが、本自体にもまた錠が設けられ、あるいは鎖で書架に繋ぐ。

スウェントヴァイトは知の砦だ。その裡にたくさんの宝を有し、それが故に常に狙われ、だからこそ護るための武がある。
スウェントヴァイトは知の砦だ。その裡に収めた書は、少なからず略取したものでもあり、それを為したのもまた武である。
そしてスウェントヴァイトの知は英知だけに留まるものではない。奸知もまた、その裡に渦巻いている。

イグナーツは図書館の騎士団、獅子の第四団を率いる団長であり、戦の巧手として知られる。それ故に危険な任に遣られることも多いが、容赦ない手腕でそれに応える。図書館の知と、身内を護るためであれば進んで汚れ仕事をも引き受ける。
アーデルは図書館の守護一位の座にある梟の騎士団に所属する司書であり、この書院の(閲覧を許される限りの)あらゆる書に精通し、それらを関連付け体系立てて駆使する才を有する。その知見には古今ありとあらゆる戦の記録も含まれ、机上であれば大胆にして的確な知略を示す。

苛烈な物語である。冒頭から虐殺が克明に描かれ、全体が謀略と殺戮にまみれている。その中にあって知の煌めきだけが輝きを持って描かれるが、しかしそれすらも、いや、それこそが、戦の火種そのものなのだ。

戦火に輝く才を見せる武の主人公と知の主人公が、互いを援けとして紡ぐ物語はしかし、唐突に断ち切られる。それは恐らく、予定された断ち切られ方ではない。1巻の最後でアーデルが気付いたことは、他国の計略は、あるいは謎の姫は、異国の客将は、それぞれに語るべきバックグラウンドを持っていたはずだが、そうした情報はほとんど何ももたらされないままに、決着だけが落とし込まれる。
想像するに、作者も本意ではなかったのだろう。3巻の筆致は明らかに前巻までのそれよりも荒く、書き手の気が削がれているのだろう様子が窺える。
こんな、投げ捨てられ方をすべき作品ではないのだ。実に、実に惜しい。

図書館の騎士団 1巻

図書館の騎士団 1巻

図書館の騎士団 2 (BUNCH COMICS)

図書館の騎士団 2 (BUNCH COMICS)

図書館の騎士団 3 (BUNCH COMICS)

図書館の騎士団 3 (BUNCH COMICS)

暇を持て余した邪神たちの遊び

ゲーム界はなかなかのクトゥルフブームである。ボードゲームに於いても、商業・同人問わず多数のタイトルが発売されている。
そうしたクトゥルフもののボードゲームを集めてみた。これ以外にも多数あると思うが、とりあえず知る限りの、日本語版が入手可能なものをリストアップしたつもりだ。

商業出版

アーカム・ホラー

アーカムホラー 完全日本語版

アーカムホラー 完全日本語版

プレイ人数:1〜8人
クトゥルフもののボードゲームといえば、まず真っ先に名の上がる作品。実はこれはリメイク版で、原型は30年以上前、日本では1988年にホビージャパンから発売されていた。ただし中身はほとんど別物といって良い。
タイトル通り、アーカムの町を舞台として怪異に立ち向かい、世界の破滅を食い止めようとするゲームである。
多量のカード、フィギュアにトークンと密度の高いコンポーネント。説明書も雰囲気良く作り込まれている。ただ、その分だけ全体に処理が煩雑でルールが把握しにくく、プレイ時間は長い(およそ人数×1時間)。
毎ターンどこかに開くゲートから神話怪物が這い出し、これに対処しつつゲートの封印を目指すわけだが、ひたすらイヴェントカードを引いては指示に従って判定をこなしてゆく感じのゲームになる。
基本的にイヴェント・ドリヴンなシステムなのでゲーム的な要素は薄い。半ばTRPG的に楽しむのがいいかも知れない。

エルドリッチ・ホラー

エルドリッチホラー 完全日本語版

エルドリッチホラー 完全日本語版

プレイ人数:1〜8人
アーカム・ホラーの舞台を世界に広げ、よりヒロイックなノリに改変したゲーム。鬱々とした町の中で必死に怪異を食い止めるゲームから、世界を股にかけ邪神復活を狙う秘密教団と渡り合うゲームへと雰囲気は変わったが、イヴェント・ドリヴンで長時間ゲーなのは相変わらずである。

エルダーサイン

エルダーサイン改訂2版 完全日本語版

エルダーサイン改訂2版 完全日本語版

プレイ人数:1〜8人
アーカム・ホラーシリーズを簡素化した新シリーズ。ボードがなくなりカードを並べるだけになったので必要面積も少なくなり、成長要素がないので展開が早まり1〜2時間程度で遊べるようになった。
イヴェントはカードドローではなく事前公開されたものからのチョイスになり、キャラの能力特性に応じた分担ができるなど以前のものよりもゲーム的になっている。
コンポーネントの雰囲気作り込みは相変わらずだがTRPGめいた要素は少なくなっており、前作までのファンには好みが分かれるところかも知れない。

マンション・オブ・マッドネス

マンション・オブ・マッドネス 完全日本語版

マンション・オブ・マッドネス 完全日本語版

プレイ人数:ゲームマスター1人+プレイヤー1〜4人
呪わしき館を探索するゲーム。シナリオに従い館パネルを並べ替え、様々な展開を楽しむことができる。限りなくTRPGめいたボードゲームである。
多数のフィギュアも付属する重厚なコンポーネントは所有満足感もかなり高いが重量・体積ともなかなかヘヴィである。
1シナリオあたり3時間前後、5シナリオが付属しているが追加シナリオも別売されている。

パンデミッククトゥルフの呼び声

プレイ人数:2〜4人
最新の注目作。世界中に感染拡大してゆく伝染病との戦いを再現した協力型ゲーム「パンデミック」のシステムを生かしてクトゥルフものにリメイク。
これまでに挙げたクトゥルフボードゲームの中ではいちばんゲーム的なゲームで、物語的なイヴェントは限定的にしか発生しないのでちょっと物足りなさを感じる面もあるかも知れないが、徐々に悪化してゆく状況と戦いながら事態の収束を目指すカタルシスは大変面白い。
ややあっさりした作りの分だけ短時間で遊ぶことができ、人数に関わらず1時間程度で終了する。

キングスポート・フェスティバル

プレイ人数:3~5人
王国の発展を競う「キングスブルグ」のリメイク作。アーカムの東にある漁港キングスポートを舞台に、プレイヤーは旧支配者を崇める邪教の教祖として神に祈りを捧げることで(正気度を削りつつ)神の力を得、探索者たちの妨害を排除しながら勢力を拡大してゆく。プレイ時間90分程度。

翠色の習作

翠色の習作 完全日本語版

翠色の習作 完全日本語版

プレイ人数:2〜5人
Neil Gaimanの同名の短編小説を元にしたゲームで、クトゥルフとホームズを合わせた世界になっている。とはいえそれらしき要素は名称のみで特段の能力などはなく、ゲームとしては正体隠匿系の派閥戦。各都市にエージェントを送り込み、その都市の支配権を得たプレイヤーはカードを獲得できるというエリアマジョリティ+デッキ構築でもあり、欲張りな仕様が仇となってイマイチわかりにくい感じがある。
日本語版は二版を元にしており緑色のボードに各都市が整然と並び中央に勢力ゲージがあるのだが、盤の雰囲気は初版の方が好み。

ラブクラフト・レター

ラブクラフト・レター

ラブクラフト・レター

プレイ人数:2〜6人
「たった16枚のカードで遊ぶカードゲーム」として作られた同人ゲーム「ラブレター」をクトゥルフものにリメイクしたもの。元は4人までだったがカード枚数を増やし6人までに対応した。タイトルはもちろんラブレターと手紙魔だったラブクラフトをかけたものだ。
手札は常に1枚、新しく引いたらどちらかを使いどちらかを残す。カードの効果で他プレイヤーを脱落させ生き残るのが目的だが、本作には「狂気」カードが混入している。狂気カードは通常の正気なカードよりも効果が強いが、ひとたび使用してしまえば以降毎ターン「SANチェック」が要求され、失敗すれば即ドロップアウトとなる。
プレイは1回5分程度と極めて手軽。

クトゥルフ・レルムズ

クトゥルフ・レルムズ 完全日本語版

クトゥルフ・レルムズ 完全日本語版

プレイ人数:2〜4人
直接攻撃アリのデッキ構築ゲーム。5枚の手札で呪文ポイントを使ってカードを入手しデッキを強化しつつ、ダメージカードで相手の正気度を削ってゆく。
コミカルタッチのイラストであまりダークな雰囲気はない。

クトゥルフ フラックス

クトゥルフの呼び声 フラックス

クトゥルフの呼び声 フラックス

プレイ人数:2~6人
「出したカードによってゲームのルールが上書きされてゆく」フラックスをクトゥルフモチーフにアレンジしたもの。作品名が勝利条件を決める「ゴールカード」になり、作品に関係するアイテムが勝利の鍵になったりするが、カードデザインは白地にデフォルメされたイラストが描かれたものでホラーめいた雰囲気は皆無。元々パーティゲーム的なものなので、あまりおどろおどろしく遊ぶものではない。

カード・オブ・クトゥルフ

カードゲーム カード・オブ・クトゥルフ

カードゲーム カード・オブ・クトゥルフ

プレイ人数:1(〜4)人
協力型としても遊べるが基本的には一人用。毎ターンめくられるカードが自分の手元や教団に配置されてゆくので、いずれかの教団が6枚にならぬよう戦力を削りながら山札をすべて引ききるまで耐える。
簡素なコンポーネントだが、金属製のコインはちょっといい感じ。

クトゥルフ・ダイス

ダイスゲーム クトゥルフ・ダイス 日本語版

ダイスゲーム クトゥルフ・ダイス 日本語版

ブリスターパックに専用ダイスとトークンが入っただけのシンプルなコンポーネント。開封後の保管に困る。
ゲーム内容も極めてシンプルで、攻撃対象を一人指定しダイスを振って、出目に応じて正気度トークンを奪う、それだけ。

クトゥルフ・ライジング

クトゥルフ・ライジング

クトゥルフ・ライジング

プレイ人数:2人
いちおうクトゥルフ神話モチーフということにはなっているがゲーム内容とはまったく無関係で、単に「邪神の教団」vs「探索者」という設定以上のものは何もない。5x5の2つのボードに数字タイルを交互に配置してゆき、1列5枚での役によって得点を競うだけのゲーム。

ミ=ゴの脳みそハント!

ミ=ゴの脳みそハント!

ミ=ゴの脳みそハント!

プレイ人数:2~5人
3つの山札からカードを引いて、「同じ知力の脳を集める」というゲーム。何枚引いてもいいが「探索者」が出たらすべてを失うバースト系。コミカルタッチのバカゲー

同人ゲーム

ロスト・テイルズ・オブ・クトゥルフダンウィッチ

ロスト・テイルズ・オブ・クトゥルフ:ダンウィッチ | GAME JAMBOREE |『ゲームマーケット』公式サイト
プレイ人数:3~4人
ラブクラフト・レターと同じくラブレター派生作品。こちらはラブレターから派生した「ロストレガシー」のライセンスに準拠している。
手札が1枚、1枚引いてどちらか使うという流れは全く同様で、カードの効果とそれに伴う推量や駆け引きのパターンが異なる。わりと派手な印象のラブクラフト・レターに対し陰鬱な「ダンウィッチの怪」らしい雰囲気が出ている。

邪神がこの中にいる!

邪神がこの中にいる! | AHC/居眠りの街 |『ゲームマーケット』公式サイト
プレイ人数:4~8人
ある種の正体隠匿系。他人の正気度を調査しつつアイテムをやり取りしてゆくが、装備によって正気度が上下し、「最も狂気の度合いが高かった者」が邪神となり他プレイヤーと対決することになる。

フラムルルイエ

フラムルルイエ
プレイ人数:3~5人
変則的なバッティング入札カードゲーム。得点カードを親だけが確認し、それを獲得するための数字カードを手札から出す。子は親のカードから得点を類推して獲得するか降りるかを決め、単独で一番大きな数字のプレイヤーがそれを得る……が、獲得に使用した数字カードは失点となるので、総合得点をプラスにするのはかなり難しい。
しかも「全員が得点マイナスだった」場合は邪神復活により得失点が逆転し、最もマイナスの大きなプレイヤーの勝利となる。
元は「魔法少女まどか☆マギカ」をモチーフにしたカードゲーム「見滝原は狭すぎて」だったもののリメイク。

テケリ・リ

テケリ・リ - さとーふぁみりあ
得点カードを取得しつつ失点カードを押し付ける、変則的なトリックテイキング。

蔓延する狂気と滅び:パンデミック クトゥルフの君臨

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近年、TRPGでも「クトゥルフの呼び声」が人気を博し、ボードゲーム方面でもクトゥルフものが豊作である。
協力型ボードゲームとして名を馳せた「パンデミック」も、クトゥルフ神話モチーフとしてリニューアルされた。

基本的なギミックは引き継いだが、大きな特徴である「アウトブレイク」ルールはなくなり、代わりに「覚醒の儀式」として旧支配者が目覚めてゆくことで状況が悪化する仕組みになっている。
箱サイズに比してコンポーネント密度はそう高くないものの、その分だけカードやトークン類は取り分けやすいトレイになっている。コマはすべて樹脂製フィギュア、ボードやカードも隅々まで趣向を凝らした雰囲気のあるイラストが施されており、満足度はかなり高い。

ゲームの舞台となるのはラヴクラフト著作に登場する、アメリカ合衆国東部ニューイングランド地方マサチューセッツ州の4つの町村。
ネクロノミコンほか数々の禁書を所蔵するミスカトニック大学を持つアーカム(『魔女の家の夢(The Dremas in the Which-House)』『戸口にあらわれたもの(The Thing on the Doorstep)』)、その東の漁港キングスポート(『魔宴(The Festival)』『霧の高みの不思議な家(The Strange High House in the Mist)』)、忌まわしき漁村インスマス(『インスマスの影(The Shadow of Innsmouth)』『戸口にあらわれたもの(The Thing on the Doorstep)』)、人の訪ずれも少ない寒村ダンウィッチ(『ダンウィッチの怪(The Dunwich Horror)』)である。ずいぶん狭い範囲で世界の命運が決するものだと思わぬでもないが。

ゲームの流れを説明しよう。
探索者は1ターンに定められた回数の行動が行なえる。「移動」「情報交換」「撃退」「封印」の4種で、自由な順番で組み合わせてよい。
移動の際は隣マスへの「徒歩」以外に、バス停マークのある場所でのみ「現在いる町の手がかりカードを1枚捨てて任意の場所に移動する」か「行きたい町の手がかりカードを1枚捨てて、その町の任意の場所に移動する」ことができる。更に、各町の「ゲート」のある場所からは他のゲートに一瞬で移動することも可能だ──ただし正気度を失うが。
なお、このゲートをすべて封印することがゲームの目的であり、封印されたゲートはもう移動には使えなくなる。後半ほど移動力が弱まるわけだ。
情報交換は、同じマスにいる相手とのみ行なえる。自分の持っているカードを相手に渡すか、相手の持っているカードを貰うことができる。
撃退は、同じマスにいる「邪教の信者」コマを取り除く。このコマはその地に集う邪教、つまり旧支配者の信奉者を表す。奴らは3人以上集うと邪神を呼び覚ますべく儀式を執り行なうので、そうなる前にすみやかに撃退せねばならない。
封印は、その町の手がかりカードを5枚集めた探索者だけが行なえる。ゲートは閉じられ、信者は姿を消し、町に平穏が訪れる。
各自の手番が終了したら「手がかり」カードを2枚引き、また「信者の召喚」カードを現在の召喚レート分だけ引いて各地に配置する。その結果、既に3人の信者が集っている場所が指定された場合、あるいは「邪悪の胎動」を引いた場合には、旧支配者が覚醒してしまう。町をショゴスが徘徊し、邪神の影響が探索者たちを苛む。
4箇所のゲートすべてを封印できれば人類の勝ち、そうでなければ世界が破滅する。

正気度は可能な限り温存したい。減少した正気度を増加させる方法は基本的になく、狂気からの回復は「自力でゲートを封印した」場合のみ。狂気に陥っても脱落はしないが行動は制限されるので展開が苦しくなる。
信者はなるべく撃退・分散しておかなければ、「覚醒の儀式」が行なわれ状況が悪化の一途を辿る。ハンターの撃退能力やオカルティストの信者コントロール能力が活躍するだろう。
信者の集う場所へすみやかに移動するためにバスは有効だが、手がかりカードを消費してしまうのが痛いところだ。移動力の高い運転手や記者が役立つかもしれない。
「遺物」は強力な効果を持つが、その発動には狂気のリスクを伴う。魔術師の手助けは有効だが、頼り過ぎは禁物である。
情報を集め、ゲートを封印する役割は探偵に任せたい。また記者は狂気に陥ると謎の第六感で情報収集に力を発揮する。
平素から行動力が高く、狂気に陥ってもなお人並の力を見せる医師は地味ながら頼もしい。

パンデミックと比較すると、アウトブレイクがなくなった分だけ連鎖的な危機状況を生じにくくなったものの、邪神覚醒による影響が強いぶんだけわかりやすく危機的だ。また手がかりカードが4種類になった分だけ長距離移動が使いやすくなったが、代わりに移動できる場所が制限されることでバランスを取っている。
処理的には「正気度」と「ショゴスの移動」が追加された分だけやや煩雑になった感があるものの、難易度では大差ない。
舞台が狭いこともあり、イメージ的にはかなり「アーカム・ホラー」を彷彿とさせるものがある。手がかりカードを町の名だけでなくフレーヴァーテキストでも入れてイヴェント風にしてみると、もうひとつ雰囲気が出て面白いかも知れない。

ポケモン謎解きラリーGO

JR東日本×SCRAPの「ポケモン謎解きラリー」に参加してきた。
www.jreast.co.jp
これまではスタンプラリーだったが今年は謎解きだ。

開催概要にもあるように、上野・秋葉原・浜松町・品川・渋谷・新宿・四谷の7駅を巡って謎を解くラリーになっている。中央/総武線の四谷駅以外は山手線一周コースだ。
すべての謎は改札の外にあるので、何度も乗り降りが必要になる。「おすすめ情報」にも案内のある通り、1日750円(子供370円)の都区内パスを買うといいだろう。駅の券売機で、特急券・指定席券の買える青い券売機で「おトクなきっぷ」を選択すれば買うことができる。もちろん朝7時以降なら緑の窓口で買ってもいい。
www.jreast.co.jp
参加にあたっては(駅間を移動する運賃以外の)費用は必要ないが、冊子に書き込むための筆記用具は準備しておくこと。またA4サイズの冊子を持って移動ことになるし、謎を解き明かすとA4クリアファイルを貰えるので、それらが入る鞄が欲しいところだ。

基本的には小学生向けイベントなので、謎の難易度は低い(それでもSCRAPらしく考えられた謎解きではあるが)。大人が謎解きだけを目的に参加すると、寄り道しなければ2時間ぐらいで終わってしまうだろうと思われる。休日のレジャーとしては些か物足りないので、どうせならポケモンGOを合間に挟んでみるのはどうだろうか。

なおこのラリー、7つの駅を巡るのはあくまでSTAGE1であり、これをクリアした人だけが貰える冊子を入手するとSTAGE2に挑戦できる……のだが、なにしろこちらは開催エリアが大宮・松戸・取手・新浦安・東京・八王子・石川町とかなり広いので、1日で回ろうとはしない方が無難である。ひとまずはSTAGE1をやってみて、その後どうするか考えるといい。

上野

上野駅は都内最大規模のポケモンスポットである上野公園および不忍池が存在するエリアだ。

公園改札から上野公園、あるいは中央改札・不忍改札から不忍池へ。広い園内全体に無数のスポットが散在するが、とりわけ不忍池ポケモンGOの名所として知られ、常時ルアーの花びらが舞い歩かずして多数のポケモン(主にコイキングコダックヤドンだが)が湧きまくる。一時はブーバやエレブーの巣だったが、最近はレア度の高いポケモンはあまり出ていないものの、それでも1進化ポケモン程度は結構湧いている。
特にコイキングは腐るほど乱獲できるので、ギャラドス狙いには絶好の場所だ。

秋葉原

秋葉原はスポットの集中域があるわけではなく、街全体に密度が高い。

別段なんのレアポケモンが湧くわけでもないのだが、なにしろオタクの街であるからそこかしこにルアーが挿さりまくってどこでも何かしら湧いている。主に電気街口北側方面がいいだろう。

浜松町

羽田からのモノレールが発着するこの駅は、実はかなりの観光名所集中地だ。

東の芝離宮は有料施設だが、西にしばらく行けば増上寺が見える。このあたりはニャースなどややレアなポケモンが湧きやすい傾向がある。また増上寺の向こうには東京タワーも。ただし駅からはそれなりに距離がある。

品川

品川駅周辺はポケストップの密度こそ低くないものの、どうにも目立った名所がない。

まあ駅周辺を一回りしたら次へ行こう。

渋谷

なにしろ人の多い街である。どこと言わず常時ポケモンがよく湧く。

主に北西方面が探索のメインエリアになるだろう。

新宿

新宿駅自体が人の多い場所だが、ポケモンGO的な名所といえばやはり新宿御苑だろう。

ここはピカチュウの湧く場所として知られる。

四谷

ここも駅周辺に大したものがない……というか、むしろ新宿に近すぎて特筆すべきことがない。

いっそ(時間と体力とバッテリーに余裕があるなら)新宿駅から御苑を抜けて四谷まで歩いてみるのもいいかも知れない。5kmぐらいあるのでたまごの孵化にも丁度良いだろう。